主権者を疑う の商品レビュー
第一章では、意思、ロゴス、神と日常であまり使わない概念が出てきて、あまり理解できなかった.第二章でも、国民主権、衆愚政治など主権に関する議論だが、これも難しい.第三章 民主主義、第四章 市民社会は何とかついていけた.でも法学者の考え方はある程度理解できたような気がする.民主制は「...
第一章では、意思、ロゴス、神と日常であまり使わない概念が出てきて、あまり理解できなかった.第二章でも、国民主権、衆愚政治など主権に関する議論だが、これも難しい.第三章 民主主義、第四章 市民社会は何とかついていけた.でも法学者の考え方はある程度理解できたような気がする.民主制は「民衆支配」であり、その民衆は放っておくと衆愚に陥る可能性がある. との解説があったが、どこかの国の政治をみているようだ.さらに、随所でタイトルにあるように主権者を疑うことの重要性も強調している.約300ページの新書だが、内容のあるものだと感じた.
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近代国家の要件として「国民に主権のある民主国家」とはよく言われることだけど、主権って「憲法改正の権限を持つ」ってこと。さらに国民ってのが曲者でこれは誰のことなんだろう。特定の個人になってしまえば専制になるし、誰もが国民であり主権者なんだということは、誰でもないんだってことと同じこ...
近代国家の要件として「国民に主権のある民主国家」とはよく言われることだけど、主権って「憲法改正の権限を持つ」ってこと。さらに国民ってのが曲者でこれは誰のことなんだろう。特定の個人になってしまえば専制になるし、誰もが国民であり主権者なんだということは、誰でもないんだってことと同じこと。主権者、有権者、市民の3つの位相を検討する本書の投げかけは、もっと共有化されていい。分人民主主義は一つのアイデアだと思う。
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憲法改正は「賭け」であるとする、基本的には「護憲派」の立場から書かれたもの。衆愚な国民を信用していないようだが、かと言って「哲人政治」を望んでいるわけでもなく、硬性憲法に期待しつつ改憲を抑止したいという結論ありきで論理が組み立てられ、議論が展開されている印象。よって、現実政治を踏...
憲法改正は「賭け」であるとする、基本的には「護憲派」の立場から書かれたもの。衆愚な国民を信用していないようだが、かと言って「哲人政治」を望んでいるわけでもなく、硬性憲法に期待しつつ改憲を抑止したいという結論ありきで論理が組み立てられ、議論が展開されている印象。よって、現実政治を踏まえた憲法改正の必要性等には殆ど触れていない。 一応憲法学者の書いた本なので法学系の本にジャンル化されるのかもしれないが、内容的には政治学系だし議論の内容そのものには興味深いものはあるので、政治思想史等に関心のある人が読んだらそれなりの面白さは感じられるとは思う。
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