李の花は散っても の商品レビュー
梨本宮方子(なしのもとのみやまさこ)は後の昭和天皇のお妃候補と言われながら、朝鮮李王朝最後の後継者、李垠(イ・ウン)のもとに政略で嫁ぐことになった。 折しも時代は、戦前、戦中、戦後と大激動の中、日朝関係、皇室や朝鮮王朝の在り方の変化の中、自身も跡継ぎの男子を亡くしたり、時代が時代...
梨本宮方子(なしのもとのみやまさこ)は後の昭和天皇のお妃候補と言われながら、朝鮮李王朝最後の後継者、李垠(イ・ウン)のもとに政略で嫁ぐことになった。 折しも時代は、戦前、戦中、戦後と大激動の中、日朝関係、皇室や朝鮮王朝の在り方の変化の中、自身も跡継ぎの男子を亡くしたり、時代が時代であり、日本と朝鮮と国籍の違いからくる微妙な関係の皇太子を側で支えるという苦悩の毎日である。 最後には、王位もはく奪され何もかも無くしても、力強く、逞しく生きていく。 この話どこかで読んだような・・・? 林真理子の「李王家の縁談」でした。 史実に基づいているので同じ話になるのですが、本編の方は「まさ」というもう一人の女性が出てきて、そちらからも語られるのですが、このまさは、皇太子妃の腹違いの姉妹という設定です。このあたりの事実はわかりませんが、もうひとつ別の展開が繰り広げられます。
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「時代が」とは言え、それでは済まされない事実がある。 「そう言う時代だった」かも知れないが、「日本だけじゃあ無い」かも知れないが、それでも赦せない事実が、許してはいけない事実がある。そして、忘れてはいけない事実でもある。 隣国の朝鮮人に、中国人に、他のアジア人に行った「差別、迫害...
「時代が」とは言え、それでは済まされない事実がある。 「そう言う時代だった」かも知れないが、「日本だけじゃあ無い」かも知れないが、それでも赦せない事実が、許してはいけない事実がある。そして、忘れてはいけない事実でもある。 隣国の朝鮮人に、中国人に、他のアジア人に行った「差別、迫害、暴行、惨殺」。 それだけでなく、同じ日本人に対しても「社会主義者」や「共産主義者」そして「自由主義者」にさえも「アカ」と言うレッテルを張って行った「拷問」とそれに伴う「殺害」。 第2次世界大戦が終結して、もうすぐ80年となり、日本ではこれ等の事実が歴史の一部として近代史、現代史の中に埋もれている。 しかし、今でも世界には先進国でさえ「人種差別」があり、紛争地域では「民族差別、迫害、暴行、そして惨殺」が日常的に行われている。 この小説のように戦前、戦中の歴史が書かれている本を読む時、改めてそう言う事実があったことを思い返してみようと思う。今、多くの日本人の生まれる前の出来事とは言え、僅か120~130年くらい前から第2次世界大戦終戦までの、長い人間の歴史から見れば、比較的新しく短い間の出来事なのだから。
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