地の糧 新版 の商品レビュー
解説にある通り「欲望を肯定し情熱的に生きることを賛美する」「青春の書」であるとは感じた。そういう先入観があったからなのかもしれないが、書物に埋没すること勿れ、自分の足で歩き・目で見・耳で聞いて人生を体感せよという魂の声高な叫びが、そう感じさせてくれた。 1927年版の序でも指...
解説にある通り「欲望を肯定し情熱的に生きることを賛美する」「青春の書」であるとは感じた。そういう先入観があったからなのかもしれないが、書物に埋没すること勿れ、自分の足で歩き・目で見・耳で聞いて人生を体感せよという魂の声高な叫びが、そう感じさせてくれた。 1927年版の序でも指摘されているように、自戒的な響きもあるように思った。しかし、そんな自分の言葉も捨てるように促す姿は決して説教臭さを感じさせなかった。何よりも大切なのは自らと向き合い、"置きかえのきかぬものを、身をもって創造"することなのだ。 ……という具合に、書物の言葉を引用し、無言で頷くのも程々にした方が良い。 難解に感じる部分も多くあったが、気になるフレーズも見つけられた(読書途中で記録が一度消えてしまったため、全ては残せていない)。豊かな比喩表現と情景描写、内面の光も闇も解放するような文章には力があった。 特に、自然と人間を見つめる視点は現代にも通じるような警告を感じた。 "人間の叡智には、自然の河川がもつような清冽さがない"とあるが、これは人間の驕りを批判していると共に自然の中では弱いことも感じさせる一節だ。淡々と人間の非力さを嘆いているようにも、もう諦めているようにも感じる。 また、「保有」を"形態の渦巻"と表現している箇所もあり、何かを所有することに対する懐疑的な見方も窺える。この書を知るきっかけとなった「チノカテ」(ヨルシカ)の歌詞でも示唆されているように、やはり所有の悪性について記されていた。開かなければ停滞するということではないのだろうか。書物も知識も土地も家庭も……所有することによってそれらに執着し、それらに自らを埋めてしまう危うさがあると思う。広く周囲を感じ、考えていきたい。
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私には少し難解だったが表現の豊かさに魅かれて最後までなんとか読破することができた。 月日が経ってから再度丁寧に読み直したい。
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再読。前回は感想を書いていませんでした。うっかり。 ナタナエルに語りかける場面から始まる。 彼の体験談(旅の話)やそこから辿り着いた思想をナタナエルに伝える。 旅に行ったことが瑞々しく鮮明に表現されている。様々な種類の果実が出てきた。食べると酔う熟れた葡萄とか。甘いジャム食べた...
再読。前回は感想を書いていませんでした。うっかり。 ナタナエルに語りかける場面から始まる。 彼の体験談(旅の話)やそこから辿り着いた思想をナタナエルに伝える。 旅に行ったことが瑞々しく鮮明に表現されている。様々な種類の果実が出てきた。食べると酔う熟れた葡萄とか。甘いジャム食べたり。美味しそう。明日の朝は葡萄のジャムをパンに塗ろう。 彼は知覚過敏なのでしょうか、果実が冷たくて歯が痛いと言っていました笑笑(p94)違ったらごめんなさい笑 ただ、地名の名前が書かれていても私は分からないので、その都度検索をして、追体験出来るように工夫しなければならなかった。また、知らない漢字も多く難しかった。勉強になる。 ナタナエルに自己投影すると、読み方も変わってきて面白い。あとがきも読むと理解が深まり良い。 思想書なので、この詩的な文から、人生観を学ぶことが出来る。 彼がネガティブな考えを吐露する場面もあるが、少し心配性な気もする。それほど過信していないということだろうか。 ポジティブな場面、特にナタナエルに対して語りかける言葉はとても力があり、前向きにさせてくれる、所謂名言が沢山あった。 感動した文を五つ記しておきます。 「未来のうちに過去を再現しようと努めてはならぬ。各瞬間ごとに類いなき新しさを掴み給え」 「一切の物が大切なのは、我々にとって大切なのではなく、物自身にとってなのだ。願わくは君の目が眺められた物であるように」 「果実は風味で包まれる。また辛抱強く生命の喜びで包まれる。果実の肉は、愛の味深い証し」 「それは真珠のように煌かしくもなく、水のように艶々しくもない。けれども小径の砂礫は光るのだ。私の歩む木の下道に光の優しい歓待」 「燐にその光が添うように、我々の行為は、我々に付き従う。我々の行為は、真に我々に光輝を添えはするが、それは我々の身を擦り減らしてでなければ輝きはしない」
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物事や景色の捉え方、感じ方の言語化がとても豊か。 全体として理解が追いつかないところが多いが、印象に残るフレーズが多い1冊だった。 その一部より --- 欲望の対象の常に偽りがちな所有よりも、いかなる欲望にせよ、欲望自体の方が私を豊かにしてくれた。 そして素晴らしく美しい。そ...
物事や景色の捉え方、感じ方の言語化がとても豊か。 全体として理解が追いつかないところが多いが、印象に残るフレーズが多い1冊だった。 その一部より --- 欲望の対象の常に偽りがちな所有よりも、いかなる欲望にせよ、欲望自体の方が私を豊かにしてくれた。 そして素晴らしく美しい。そのくせなぜこんなに美しいのか、君に説明ができない。 わが身に毒虫を飼う喜び。 人生は我々にとっては 野生的で味の変わりやすいものだった そして死の上にようやく花が開きかけたように幸福がここにあるのを私は愛惜する。
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感銘を受けるには乏しい私の人生経験。 難しかったです! しかし言葉のシャワーを浴びているようで新鮮でした。
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なんだこれは。全然分からん。全く分からん。 ジッド、外国人、訳本、だからなのか? あとがきに病気のころ書いたとあったが、それだから? しかし、ロングセラーであり、ベストセラー。俺でさえ本の名前を聞いたことがある。歌にもなってる。 なのに、全然分からん。 なのに、響く一文が二つあっ...
なんだこれは。全然分からん。全く分からん。 ジッド、外国人、訳本、だからなのか? あとがきに病気のころ書いたとあったが、それだから? しかし、ロングセラーであり、ベストセラー。俺でさえ本の名前を聞いたことがある。歌にもなってる。 なのに、全然分からん。 なのに、響く一文が二つあった…。
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ヨルシカコラボカバーが出たので購入したうちの1冊。 今読めてよかったと思う。目で見たものを大切に愛でる気持ちは持ったまま、この本をそっと棚にしまって、この本の思想を捨てて外へ放浪してみたいと思った。
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「君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え」 「もう今は私の本を投げ棄ててくれ。そこから離れて自由になってくれたまえ。」 最初と最後に繰り返される。 この本を含めて誰かの思想に囚われることなく、自分の目で世界を見て、自分自身を探求し、生きていきなさいと勧められている気...
「君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え」 「もう今は私の本を投げ棄ててくれ。そこから離れて自由になってくれたまえ。」 最初と最後に繰り返される。 この本を含めて誰かの思想に囚われることなく、自分の目で世界を見て、自分自身を探求し、生きていきなさいと勧められている気がした。 中身はあまりよくわからなかったのだけれど、みずみずしい世界が描かれていたような気がして、不思議と読むのは楽しかった。
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難解な箇所が多いが、現代の自己啓発書にもつながる思想が見受けられた。読んだ知識ではなく、素足で感じた知識こそがその人の糧になる。でも読むことがそれの始まりでもある。未来に過去を再現しようとしないこと、不幸の在りどころは覚えていたい。
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自分の読解力のなさで、何が書いてあるのか、何が言いたいのか いまいち掴めないままでした 宗教的な装いをしながら、とても実践的なことを言っているようなニュアンスは感じられました
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