うたかたモザイク の商品レビュー

一穂ミチ(著者)

2024/09/13

恋人、友人、夫婦、親子…人と人との関係は実に何パターンもある。
両者の間には甘酸っぱい想いもあれば、後味の悪さに苛まれる想い、胸がきゅっと締め付けられるような切ない想いもあって、世の中には人の数だけ色々な想いが絡み合うものだとしみじみ思った。
想いが相手に通じるものもあれば途中で切れるものもあり、人生のやるせなさを感じずにいられない。
相手に対する想いが、浮かんではぷつんと消えていくしゃぼん玉のような儚い短編集だった。
一穂さんの物語は要所要所にスパイスを効かせてあって油断ならない。すんなり終わらないところが癖になりそう。

中でも『人魚』『永遠のアイ』『sofa　&…』『神さまはそない優しない』『透子』が印象に残った。
特に『神さまはそない優しない』。私もこんな風に猫に生まれ変わりたい。また奥さんと会えるといいね。

2024/09/01

短編でスキマ時間でも読みやすい本ですね。
恋愛・友情・地元愛・官能的描写・死の事、ジェンダーなどいろんな物語が展開されて面白かったです。
ダイバーシティですね。一つの本で多角的な物語が一気に読めた感じで飽きずに最後まで読むことができました。
特に印象に残ったのは、BLですかね。未来の医療や経済・環境の話からジェンダーの話題、そして最後にそうなるか！という展開が面白かったです。

2024/08/28

バレンタインの催事場で売ってる
箱に入ったひとつひとつ味の違うチョコを口の中でじんわり溶かしながら味わうみたいな楽しい一冊
全部終わっちゃったあとちょっと寂しくて
また自分へのご褒美に食べようと思いました

2024/08/19

一穂ミチさん初めて読んだけど、良かった…
「sofa &...」「神さまはそない優しない」が好き。泣けました。

2024/08/15

一穂ミチさんの本は、スモールワールズを含め二冊目。
スモールワールズとはまた違う雰囲気の短編集だったが面白かった。一穂ミチさんの書く文章、表現方法がとても好き。色々な人生を生きてる感覚になれる短編集もいいなと感じた。

2024/07/29

初めて一穂ミチさんの作品を読む

満ち足りない陰のある登場人物が多かった
実は誰もがもつ、人には見せられない面を
こっそり覗き見したような短編集だった

『レモンの目』『sofa&...』
『神さまはそない優しない』が好き

タイトルのつけ方が遊び心があって良いと思った

2024/07/28

描き下ろしの『透子』、不慮の事故でなくなった男性が猫に生まれ変わり前世で妻だった女性に飼われる『神様はそない優しない』、現品限りで売られていた真っ赤なソファの目線でソファを購入した女性の日常が語られる『sofa & …』が特にお気に入り。
同性の恋愛話の『Still love me?』『BL』も、温かい愛の話で（BLは少し切なかった）、冬の日の木漏れ日みたいな、そういう心地よさがあった。
一穂ミチさんを存じ上げなかったんだけど、この短編集の、じんわり胸に染みる愛の話がどれも好みだったので、他の話も読みたいなと思いました。

2024/07/21

一穂ミチさんを満喫できる贅沢な1冊でした。
これは、あの長編の元になったのかな。とか、やっぱりBL必須なのね。とか、艶っぽいなぁとか、どうしたら、こんな言葉が紡ぎ出せるのかしら。とか…
「Droppin Drops」「ごしょうばん」「Still love me? 」「神さまはそない優しない」特に好きです

2024/07/19

気になったフレーズを。

「一年前、涙が枯れ果てるまで泣き尽くしたはずなのに、新しい水脈を掘り当てたらしい」
「自分を貶めて楽になろうとするよくないくせを、いつからあなたは身に着けてしまったんだろう。誰かにつけられた傷より自分でつけた傷のほうが浅くて治りも早いなんてことはないのに。ーーそんなふうに言わないで。」

2024/07/07

優しい気持ちが散りばめられた短編集。
最初は何だかもの足りない気がしたけれど、そのうちじんわり効いてくる。