輪舞曲 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大正時代のお話で、当時のことや言葉の知識があまりないので最初はとっつきにくいと感じた。読んでいくうちに少しずつ馴染んでくる。 実在していた方の小説をどうやって書いているのかがすごく気になった。 演じるということに全てを込めている所がかっこいいと思った。
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38歳で急逝した新劇の女優、伊澤蘭奢。 女優を志して離婚し、我が子とも別れて新劇界へ飛び込んだ蘭奢は、愛人の内藤民治の援助を受けながら素養を磨き、舞台への情熱を燃やし続け、やがて看板女優へとのし上がっていく。 愛人や取り巻きの文化人、文学青年らの視点を通して女優蘭奢を描いた作品。...
38歳で急逝した新劇の女優、伊澤蘭奢。 女優を志して離婚し、我が子とも別れて新劇界へ飛び込んだ蘭奢は、愛人の内藤民治の援助を受けながら素養を磨き、舞台への情熱を燃やし続け、やがて看板女優へとのし上がっていく。 愛人や取り巻きの文化人、文学青年らの視点を通して女優蘭奢を描いた作品。 蘭奢の心の奥底については読んだ後もまだなんとなくヴェールに包まれているような、ミステリアスな印象のままだ。 本編もさることながら、あとがきがとても興味深かった。文庫化にあたって改稿したことも分かり、初版も読んでみたくなった。
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今より女性が真っ直ぐに夢を追うのが難しい時代に女優という道を選んだ蘭奢と彼女を取り巻く男達の物語。 世間の目も生活も厳しかったろうに、自分の才を信じて母や妻という肩書きを捨てた蘭奢のなんて強いこと、他の女性にはない輝きを持ってたからこそ、蘭奢と同じように才能や高い志を持った男達が...
今より女性が真っ直ぐに夢を追うのが難しい時代に女優という道を選んだ蘭奢と彼女を取り巻く男達の物語。 世間の目も生活も厳しかったろうに、自分の才を信じて母や妻という肩書きを捨てた蘭奢のなんて強いこと、他の女性にはない輝きを持ってたからこそ、蘭奢と同じように才能や高い志を持った男達が彼女に惹かれていったんだろうなぁ。 かなり脚色は加えられてると思うけどかつての日本にこんな凛々しく強い生き方をしていた女性がいたのかという驚きとそれにも関わらず知名度が決して高いわけじゃないという驚き。 個人的に夢声(敏雄)と蘭奢(繁)の関係性が1番すき。
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大正時代を、時代を切り拓いた人の物語でした。 朝井まかてさんは、私たちが知らなかった人たちの人生に焦点をあててくれて、本当にうれしい。 牧野富太郎さんの物語も、読みたい。
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Nからの招待状/丸髷の細君/イジャラン/茉莉花/ 焦土の貴婦人/逆光線/手紙/桜の枝の面影 後の記――あとがきにかえて 伊澤蘭奢 四人の男たちを通して見る彼女はそれぞれに違う。それが一人の女の複雑さを見せる。 女優でなくても、誰に対しても同じ面しか見せてない人は滅多にいない...
Nからの招待状/丸髷の細君/イジャラン/茉莉花/ 焦土の貴婦人/逆光線/手紙/桜の枝の面影 後の記――あとがきにかえて 伊澤蘭奢 四人の男たちを通して見る彼女はそれぞれに違う。それが一人の女の複雑さを見せる。 女優でなくても、誰に対しても同じ面しか見せてない人は滅多にいない気がする。相手が変われば自分も変わる、きっと
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朝井氏の大正ロマンものである。 女優・井澤蘭奢にまつわる短編集。大正ロマン味たっぷり。言葉遣いから各種読み方まで大正である。文体も大正。江戸モノの朝井氏に慣れている身としては、冒頭から挫折しかかったものの、そのうちに慣れるだろうとページを手繰っていったのである。活劇、演劇、当時の...
朝井氏の大正ロマンものである。 女優・井澤蘭奢にまつわる短編集。大正ロマン味たっぷり。言葉遣いから各種読み方まで大正である。文体も大正。江戸モノの朝井氏に慣れている身としては、冒頭から挫折しかかったものの、そのうちに慣れるだろうとページを手繰っていったのである。活劇、演劇、当時の女性のありかたなど、どのページをめくっても大正の風をかんじられる作品である。 あとは、いかに読者が文体に慣れ楽しめるかの技量にかかっているといえよう。 大正ロマンがお好きな方にオススメである。
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大正時代に活躍した実在の女優・伊藤蘭奢の生涯を四人の男達との関係を軸に描いた物語。帯にある『伝説の女優はなぜ死んだのか?』という惹句から、作中に蘭奢の視点が一切挿入されない作風を期待していたので、第四章で蘭奢自身が語り部となるのに些か拍子抜けした。当時の演劇界や社交界、出版業界の...
大正時代に活躍した実在の女優・伊藤蘭奢の生涯を四人の男達との関係を軸に描いた物語。帯にある『伝説の女優はなぜ死んだのか?』という惹句から、作中に蘭奢の視点が一切挿入されない作風を期待していたので、第四章で蘭奢自身が語り部となるのに些か拍子抜けした。当時の演劇界や社交界、出版業界の内情を知れる興味深い作品なのだが、彼女が伝説と呼ばれるに至った背景や経緯の書き込みが浅く、その魅力が今ひとつ掴めないまま。巻末のあとがきを読む限り、複雑な出自を持つ人物を物語る場合、その子孫である方への配慮も並大抵ではなさそうだ。
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