全部ゆるせたらいいのに の商品レビュー
酒はこわい。酒は人の本性をあぶり出すだけでなく、人の本質まで変えてしまう。愛をストレスという形に変えてしまう。
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主人公の千映は 夫の宇太郎と一歳の娘の恵と三人暮し 宇太郎は毎日のように泥酔して帰宅する 宇太郎とアルコール中毒の父と重なる タイトルから複雑な感情と切なさを醸し出している どうしようもない父 愛されたい 自分も父を愛したい たまに見せる父の優しさ でも、、、 自分の生まれ...
主人公の千映は 夫の宇太郎と一歳の娘の恵と三人暮し 宇太郎は毎日のように泥酔して帰宅する 宇太郎とアルコール中毒の父と重なる タイトルから複雑な感情と切なさを醸し出している どうしようもない父 愛されたい 自分も父を愛したい たまに見せる父の優しさ でも、、、 自分の生まれながらある家族と 自分が作る家族の物語
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薄い本でしたが、内容が濃い、、、、。 アルコール依存症の家族のリアルが垣間見ることができました。知的で論理派の父もアルコールにかかれば人格が崩壊してしまう、、、。組織で働くことになった時からプレッシャーで当たっていたくらい繊細。母はお金なくても旦那が好きなように生きることを望んで...
薄い本でしたが、内容が濃い、、、、。 アルコール依存症の家族のリアルが垣間見ることができました。知的で論理派の父もアルコールにかかれば人格が崩壊してしまう、、、。組織で働くことになった時からプレッシャーで当たっていたくらい繊細。母はお金なくても旦那が好きなように生きることを望んでいた筈なのに、、、。会社のストレスで酒に溺れだし依存症になるくらいなら逃げていいのにと思いましたけど、そう簡単な話ではないのだとも思いました。不都合を環境や他人のせいにし、思考は白黒思考で他人の意見を受け入れない。記憶障害や被害妄想からの壮絶な暴力。それなだけにシラフに戻ったときのちえへの愛情が胸を締め付けられます。こういう家庭が国内にリアルに相当数いるのだろうなと思いました。人生の歯車が狂うきっかけは案外どこにでもあり、手軽にスーパーで手に入れるものというのもやはり怖いと思いました。
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アルコール依存症の父を持ち、自ら母となった千映の夫も酒に溺れ始める。 その状況に過去の父を思い出し、夫も同じようになってしまうのではと怖くなる。 そんな、千映と夫、母と父、父と娘の様々な視点で描かれていく。 壮絶な父との関係だが、それでも千映が父を思う気持ちも強く、胸が苦しくなる...
アルコール依存症の父を持ち、自ら母となった千映の夫も酒に溺れ始める。 その状況に過去の父を思い出し、夫も同じようになってしまうのではと怖くなる。 そんな、千映と夫、母と父、父と娘の様々な視点で描かれていく。 壮絶な父との関係だが、それでも千映が父を思う気持ちも強く、胸が苦しくなる。 家族だから我慢出来るのか、受け入れられるのか… 2024.5.22
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全部許せることはないと思うんです。 アルコール依存症の父親と娘の長く、壮絶な戦い。娘は、夫のアルコールへの依存にも悩み始める。 娘は幼児の頃から 暴言と暴力と理不尽な要求に耐えながら成長していく。働き始めても、一人暮らしを始めても 家族からの呪縛は解けない。 父親を説得して病院...
全部許せることはないと思うんです。 アルコール依存症の父親と娘の長く、壮絶な戦い。娘は、夫のアルコールへの依存にも悩み始める。 娘は幼児の頃から 暴言と暴力と理不尽な要求に耐えながら成長していく。働き始めても、一人暮らしを始めても 家族からの呪縛は解けない。 父親を説得して病院へ連れて行くが 移動中でさえ飲み続ける。 彼女は、許せない父親をなぜここまで治そうとできるのか。酒に溺れる前の幸福な時間への執着なのか。たぶんどこかに残る愛情なのかとは思う。 家族だった義務感である方が、生きやすいだろうな。 無理難題を突きつけ愛情を確認する試し行動をとる大人もいる。対応を誤るとより深刻になる。 前作の「恩にも時効があっていい」それで良いのではと思う。 一木さん、好きだわ。
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親子とアルコール依存症の話だった。タイトルが身に染みる内容。 父のことがあってもなくてもあの旦那の調子だと辟易するのも分かるけど過去はずっと着いて回るなと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書店でタイトルが目に入り『それな』と思い迷わず購入。中弛みもせずさくっと読了。 夫の深酒に悩む千映の「今」の話から始まり、第二章は千映の母の物語、続いて千映の父視点の物語、ラストは「今」から数年後の千映が、父の晩年を振り返るという構成。 目新しいテーマではないけど飽きることもなく。 最後数ページ、千映が罪悪感から後悔するシーンで少し泣いてしまった。 ああ、千映は、父を諦めきれなかったんだろうな。 諦められないけど五感から締め出すことで平穏を保とうとしたのかもな。 諦められないこと・許せないこと、それもまた、愛のひとつなのかな。私にはまだわからないけど。読後、そんな風に思いました。
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アルコール依存症の父のもと育った千映。 自分の夫もまた、アルコールに溺れようとしている。 夫に父の姿が重なり、『ああなっては欲しくない、娘の恵に自分と同じ道は歩ませたくない』と神経をすり減らす日々を過ごしている。 『全部ゆるせたらいいのに』とは、つまり、ゆるすことができない部分...
アルコール依存症の父のもと育った千映。 自分の夫もまた、アルコールに溺れようとしている。 夫に父の姿が重なり、『ああなっては欲しくない、娘の恵に自分と同じ道は歩ませたくない』と神経をすり減らす日々を過ごしている。 『全部ゆるせたらいいのに』とは、つまり、ゆるすことができない部分があるということだ。 全部ゆるすことができたら楽になることは理解しているけれど、ゆるすことができない。 許すは、何かを行うことを認めること。 赦すは、既に行った罪や過ちを責めないこと。 平仮名で表すことでそのどちらの意味も含有しているのだとすると、過去も未来もひっくるめてあなたの行為をゆるしたい、ということなのかな? 諦めとはまた違うんだろうし、なんだか難しい。 私が千映と同じ環境に育ち、同じ境遇に今立っているとしたら、絶対ゆるせないけどなぁ。 そもそも、ゆるせたらいいのに、とも思えるだろうか。 気力がないと読めない作品かもしれない。
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夫婦の話だと思って手に取ったら、親子の話だった。 なんともしんどい。毒親なんかさっさと見限ればいいとイライラする一方で、親をあっさり捨てることができるって、親に愛されてたってことかもしれないなと思う。
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重度のアルコール依存症の父親をもつ千映。 そして夫にも酒への執着が見られる… 他人から見て、千映が置かれてる状況を考えたら、ゆるすなんて不可能だと思う。だけどそこで「全部ゆるせたらいいのに」と思うのは家族だから、愛がある(あった)からであって…なんとももどかしくて、切ない気持ち...
重度のアルコール依存症の父親をもつ千映。 そして夫にも酒への執着が見られる… 他人から見て、千映が置かれてる状況を考えたら、ゆるすなんて不可能だと思う。だけどそこで「全部ゆるせたらいいのに」と思うのは家族だから、愛がある(あった)からであって…なんとももどかしくて、切ない気持ちになる小説だった。自分の努力でどうにもならないことと向き合うのは、難しいよなあ…。幼い頃、父からたしかに全力で愛されていたのに、本人はそれを覚えていないのも、悲しかったな。 宇太郎と千映の物語だと思っていたら、千映と父親の壮絶な人生の物語だった。 切なく重いけど、目が離せない展開に夢中になって読んだ。
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