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戦争の地政学 の商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

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2024/08/26

地政学については今でも興味を持っている分野ですが、昨年の私の59歳の誕生日を迎えるあたりに読んでいた本でいた本ですが、部屋の隅に放置されていました。 地政学の本を読んでいて楽しいのは、本文の理解を助けるために、必ず地図が出てくることですね。それも、現在の見慣れている地図ではなく...

地政学については今でも興味を持っている分野ですが、昨年の私の59歳の誕生日を迎えるあたりに読んでいた本でいた本ですが、部屋の隅に放置されていました。 地政学の本を読んでいて楽しいのは、本文の理解を助けるために、必ず地図が出てくることですね。それも、現在の見慣れている地図ではなく、事件・戦争が起きた時の地図なので、今と国境や時代を遡れば、地形さえも変わってきますからね。読み終わって時間が経過していますので、レビューを書きながら中身を振り返りたく思います。 以下は気になったポイントです。 ・17世紀までは、スウェーデンが北方勢力の代表であった、18世紀以降は、ロシアが勢力を拡大し、欧州北方に位置する大国として君臨するようになった(p87) ・アメリカの思想が第一次世界大戦後に広がってきた、それに加えて、国際秩序お面では帝国主義的な大国政治を否定し、民族自決にもどづく秩序を打ち出した、それを裏付けるのが、戦争を違法とする国際法の構造転換、さらに、集団安全保障の制度である(p93) ・バルト3国はともかく、旧ソ連から分離して独立国となった、ウクライナ・モルドバ・ベルラーシ・ジョージア・アルメニア・アゼルバイジャン・中央アジアの国々は焦点となった。2008年にブッシュ政権がウクライナ、ジョージアのNATO加盟を提案した際には、プーチン大統領はこれに猛然と怒りを表明した(p113) ・日清戦争によって朝鮮半島と台湾を清の勢力圏から切り離すことに成功した日本は、清と手を結んで欧米の大国の植民地主義に対抗するうような外交政策はなく、海洋国家として諸島部と半島に対する大陸の大国の影響を排除する外交政策に合理性を見出した(p127) ・第二次世界大戦が終結すると、ドイツではハウスホーファが戦争犯罪人としての嫌疑をかけられた、日本でも彼の地政学理論を参照しながら大東亜共栄圏を推進していた人々は、戦争犯罪人として嫌疑をかけられた(p141) ・大陸系地政学の観点から見ると、NATOの東方拡大は、ロシア勢力圏の切り崩しでしかなかった、プーチンが激怒したのは、アメリカが支援した民主化運動によってマイダン革命が起きたこと、民主化支援はアメリカから見ればロシアの勢力圏切り崩しとは異なる事柄だったであろうが、プーチンにとっては、暗黙の合意に対する裏切り行為であった。そこで、プーチンはクリミア併合と、東部地域の分離主義運動への軍事的加担を行った(p191) 2023年3月31日読破 2024年8月25日作成

Posted byブクログ

2024/06/27

「戦争の」とあるが、戦争に特化したわけではなく、現代の世界情勢を踏まえ地政学と各国の対外的国家戦略との関係を議論したもの。 大陸系地政学と英米系地政学の違いや、我が国を含む主要国が過去一世紀半にわたり、どちらの立場で行動してきたかをわかりやすく整理している。 我が国の現行憲法と...

「戦争の」とあるが、戦争に特化したわけではなく、現代の世界情勢を踏まえ地政学と各国の対外的国家戦略との関係を議論したもの。 大陸系地政学と英米系地政学の違いや、我が国を含む主要国が過去一世紀半にわたり、どちらの立場で行動してきたかをわかりやすく整理している。 我が国の現行憲法との関係にまで言及しているのは、著者の真骨頂か。 地政学は机上の仮説に留まらず、それに対する立場の違いが各国の国家戦略の違いとして明示的に現れるとの指摘は、ロシアによるウクライナ侵攻を考えれば正に的を射ている。 冊封体制への回帰を志向する中国や、イスラム原理主義は行動原理が従来の(欧米発の)地政学の前提とも微妙に異なっていて、その行く末は予断を許さない。 イランがウィグルのイスラム教徒を弾圧する中国と友好関係を結んでいることからすれば、実は案外実利的なのかもしれないが。

Posted byブクログ

2024/06/22

地政学、英米系と大陸系の視点。世界の紛争を説明する理論。具体的な事案に基づいているので分かりやすい。 地理的な位置と歴史や国際情勢を結びつけた考え方は大変に興味深い。

Posted byブクログ

2024/06/09

世界中で発生している紛争の背景的な理解が進む。大陸系地政学と海洋系地政学ではモノの見方が違いすぎるが、21世紀の国際社会では各国の自制も必要なはず。横暴な考えで侵略を正当化している国があるが、国民がどう感じているか知りたい。

Posted byブクログ

2024/05/06

4部構成になっていて、最初の英米系地政学と大陸系地政学の違いをベースに、後の3部が展開される。なので、第一部を理解する必要があるが・・・難しかった。日本語の言い回しがもう少しわかりやすければ、もうちょっと早く読み終えただろうと思った。ただ、この二つの地政学の違い(価値観の違いのよ...

4部構成になっていて、最初の英米系地政学と大陸系地政学の違いをベースに、後の3部が展開される。なので、第一部を理解する必要があるが・・・難しかった。日本語の言い回しがもう少しわかりやすければ、もうちょっと早く読み終えただろうと思った。ただ、この二つの地政学の違い(価値観の違いのようなもの)を理解すると、残りはなるほどなぁと興味深く読めた。特に、第4部の欧米以外の地域に触れている点が新鮮だった。今後の世界を立体的に理解する参考に良いと思った。 ただ、ちょっと難しかったの…苦笑

Posted byブクログ

2024/04/26

そもそも地政学とは何か、 地理的要因を基に分かりやすく解説されています。 中国やロシアの暴走の内容について 一帯一路政策やランドパワーの話など 戦争に興味ない人にはお勧めしませんが、大人の教養としてあると良いものばかりだと思います。

Posted byブクログ

2024/01/24

著者の言うように地政学という学問の分野は今のところ確たるものは無いということだと思う。 大陸系地政学と英米系地政学があるとしても、その時の現実の世界の情勢を言い表したに過ぎず、現実はもっと多様だと思う。 結局のところその時々の各国の指導者の考え方次第なのではないか。

Posted byブクログ

2023/11/10

学術的には正式には成立していない地政学だが、個人的にとても関心がある。 『英米系地政学』と『大陸系地政学』と二つの学派があるとのことだが、そのあたりの違いが、まだきちんと咀嚼でいていないけど興味深い。 現在各地で頻発している国際紛争の原因を知る上で、歴史とともに理解を深めたい。

Posted byブクログ

2023/11/01

国際政治チャンネルで地政学についてトークしているのを見て手に取りました。とりあえず地政学として大陸系と海洋系の2つの流派があるのは判りましたが、それ以上は難しい内容だったなぁと(大学の教科書ですかこれ)。 とりあえず内陸国家が外にはみ出そうとする動きは武田信玄とか確かにあるなぁと...

国際政治チャンネルで地政学についてトークしているのを見て手に取りました。とりあえず地政学として大陸系と海洋系の2つの流派があるのは判りましたが、それ以上は難しい内容だったなぁと(大学の教科書ですかこれ)。 とりあえず内陸国家が外にはみ出そうとする動きは武田信玄とか確かにあるなぁと納得してしまったり。 とにかく難しい内容で理解しきれてないので、時間をおいてもう一度読み直したほうが良さそうです。

Posted byブクログ

2023/10/31

世界の戦争・紛争の要因 世界では地域・国家とその勢力・勢により紛争、戦争が勃発しているが、これは文化、文明、宗教など含め静観する世界ではなく、参画(巻き込まれる)することへの恐怖も今後伴うことだろう。そこに地政学における区分けを無理やりしている感があるが「陸と海」の制覇は歴史が物...

世界の戦争・紛争の要因 世界では地域・国家とその勢力・勢により紛争、戦争が勃発しているが、これは文化、文明、宗教など含め静観する世界ではなく、参画(巻き込まれる)することへの恐怖も今後伴うことだろう。そこに地政学における区分けを無理やりしている感があるが「陸と海」の制覇は歴史が物語り、現代はその規模がネット社会により世界を一瞬に覆い巻き込むのが恐ろしい。

Posted byブクログ