砂の宮殿 の商品レビュー
医療従事者にとっては、重い病気や障害を患者に伝える事に躊躇いは、あると思う。でも、本当に病気や障害に向き合う為には、オブラート等には包まずに、ありのままを伝えて欲しい。
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先が気になりどんどん読み進めれる小説で、なかなか面白かった。 患者に何か起こってしまうのか?と思わせぶりな展開で話は進んで行き、終盤からはミステリー小説の色が濃くになって行きました。 事件の真相暴露が少しあっさりし過ぎでは?とも思いましたが、犯人らしくても実は犯人ではなさそうな人...
先が気になりどんどん読み進めれる小説で、なかなか面白かった。 患者に何か起こってしまうのか?と思わせぶりな展開で話は進んで行き、終盤からはミステリー小説の色が濃くになって行きました。 事件の真相暴露が少しあっさりし過ぎでは?とも思いましたが、犯人らしくても実は犯人ではなさそうな人が犯人で、そう来るかぁ!?と思いました。 エピローグはもう少し深堀して欲しかったです。容易に顛末が想像出来る終わり方でしたが、良しとしましょう。
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医療ツーリズムや高額診療がテーマ。医療の公平性についての疑問をその切り口にしているが、そもそも公平かどうかは自分自身が決めているため、純然たる共産主義世界でなければ、客観的公正はありえない。
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癌の先進医療をテーマにした作品で保険医療との関係性が学べ、最近歯医者通いで自由治療と保険治療の差を痛感する身としては、生死を分ける癌治療のある意味闇に触れる思いで完読。 医師の医療に対する考え方の違い、臨床研究と治験医療、検査と治療、専門医科等々の立場による違いで千差万別の治療が...
癌の先進医療をテーマにした作品で保険医療との関係性が学べ、最近歯医者通いで自由治療と保険治療の差を痛感する身としては、生死を分ける癌治療のある意味闇に触れる思いで完読。 医師の医療に対する考え方の違い、臨床研究と治験医療、検査と治療、専門医科等々の立場による違いで千差万別の治療が有ると感じる。深刻な病状を患者へ告知に関しても主人公の才所も悩み、父の死を教訓とした考えも恋人を真逆の考えで亡くし結局、患者其々の考え方に依ると悟る。 カエサル・パレスクリニックは理事長のロボット(ダビィンチ)の使い手外科医の才所を筆頭に放射線科女医の有本、腫瘍内科の趙、予防医学の小坂田3人の理事で癌細胞の見える化CCC法による集学的集中治療で海外要人相手の高額治療を専門に営む。 CCC法治療は、ステージⅣのリンパ転移癌に対しても治療成果を上げ海外の要人から高額な治療患者を受け入れ順風満帆だったが。。。病院設立時に世話になった大阪医師会の重鎮福地の不慮の死から週刊誌ネタで色々と取材を受ける。時を同じくし有る王女の癌治療を受け入れる。才所のこの治療方針に違和感を持った有本が袂を分ち、趙も過去の病院設立、才所の過去の闇を知り病院を去る。才所は恋人がステージⅣの卵巣癌を治す為、自分の病院に転院させるが良かれと思って告知を避けて治療を始めようとする。しかし恋人は自殺をはかり遺書で告知を伏せた事も一つの要因である事を知り父の死で学んだ自分の信念が揺らぐ。同僚理事2人、恋人が去った後、再起を計るべく登院するも小坂田が才所の過去の闇を趙から聞き理事長の座を奪われる。元恋人と訪れたベトナムに向かう途中、病院では小坂田が殺される。小坂田は保険として自分に何かあれば才所の過去の闇が公に晒す事を策略しており、その後は???で終える。
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医療小説とミステリーを合わせたような作品。医療小説の面だけを取り上げれば☆3つ。患者への告知をどう捉えるのかと言う真逆な問題を提起していて面白かった。ただ、邪魔者は消して行くパターンは幼稚かな。
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最初は難しい医学用語が飛び交い読みにくいかも…と思っていたけれど、物語が進むに連れてぐいぐいと引き込まれていった。末期癌の患者に真実を告げるべきか希望をもたせるようにするべきか…大きな石を心の深いところに投げられた気分になった。ひさしぶりに小説を読んで考えさせられる作品に出会った。そんな1冊。 砂の宮殿はタイトル通りの話だった。
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題材的にとても面白い。 医療は国民に公平にあるべきだ、というマスコミの主張に対して、医療だってビジネスと捉えれば投資をして利益を出すというモデルも全く違反でもなくあっても良いのではないか?ということ。 惜しげもなく設備投資をして、お金持ちの命を救ってしっかりと儲ける。それ自体はおかしくもなく、マスコミと対決をしながらもストーリーは進んでいくのだが。 我が身を守るために実は…ということが後半になって少しずつベールが剥がされていく。 途中までは主人公に感情移入しているのだがあれよあれよという間に展開が変わっていき、金儲けもたいがいにしろ、とう気持ちになってしまう。 お金がかかる最新医療とさらに進んでまだ完成されていない医療技術をどう使うか、問題提起だ。
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何を信じればいいのかわからなくなりそうな物語である。 理想という隠れ蓑の下、利己的な欲望に衝き動かされる浅ましさが、胸をえぐられるような心地にさせる。 まったく、何を信じればいいのだ!?
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海外の富裕層向けに、自由診療で高い水準の医療を提供する「医療ツーリズム」の功罪をベースにおいたミステリー小説。 大阪のりんくうタウンにある医療ツーリズム施設「カエサル・パレスクリニック」の理事長・才所准一は、優秀な3人の理事とともに、最先端のがん治療で順調に実績を重ねていた。だが、久しぶりに訪ねてきた顧問の福地が不審死を遂げてから、波風がたち始める。 死因は病死か事故か、あるいは他殺か。福地は元大学の解剖学教授で才所の恩師。その後、「府立病院機構」のトップとして君臨、才所は、開業に際し、便宜を図ってもらっていた。だが、そんな恩義がある反面、顧問料として多額の見返りを要求するなど、強欲で扱いにくい人物だった。 そんな折り、才所は、海外患者を斡旋するシンガポールの金持ち華僑ドクター・リーから約10億円でブルネイ王室の王女のがん治療をしてほしいという依頼を受け、了承する。 その後、顧問の不審死や怪しげな仲介者との取り引きを巡って老練なジャーナリスト・矢倉が動き始める。 彼の切り口は海外富裕層への超高額”詐欺“治療と日本の皆保険制度を脅かす金儲け主義の医療ツーリズムへの批判。利益率の高い海外患者を優先することで、日本人患者の治療が後回しにされ、医療の公益性、公平性が損なわれ、経済格差が命の選別につながるというのだ。 矢面に立つ才所は、日本の医療の高度化や医療面での国際貢献という立場で弁明する。だが、巧妙に仕組まれた矢倉との討論会で、論破するつもりが、クリニックの新たな疑惑を指摘される結果となる。 屈辱感を味わった才所だったが、今度は、クリニックで手術を受け、順調に回復中だったブルネイ王女が原因不明の劇症肝炎を発症、危険な状態に陥り、究極の対応を迫られる。さらに、才所と特別な仲にある女流舞踊家・雅志乃の身体にも異変が生じるなど、次々と逆風が吹き荒れる。福地の妻は夫の死因をしつこく追及し、3人のスタッフとの関係もギクシャクしだし、次第に亀裂が生じる。才所にとって、神経をすり減らす日々が続く。 起伏の激しい怒涛の展開で読み手はどんどん引き込まれていく。 一方で、ミステリー性とエンターテイメント性にこだわったためか、才所の人物像に首尾一貫性が感じられなかったのが残念な気がした。 ステージⅣの宣告を受け他の病院で見放された患者をひたすら救おうとするヒューマニズムと、高度な頭脳を持ち合せたヒーロー的なイメージを終盤、一気に崩す展開はすっきりしなかった。 ただ、才所ががん告知をしたことで父は希望を失い、がんの真実を知らせなかった雅志乃が不信感から、それぞれ自ら命を断ったという設定は心に重く残った。やはり、がん告知が人によって受け止め方が違うのは現実的で、医者も苦労するところであろうと感じた。
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医療の公平さ、告知についての問題提起。ミステリとしてはアクロイド殺しパターンの禁じ手。ストーリーは面白いのだが、主人公に肩入れして読んでいたから読了感が悪い。最後は彼にとって「想定外のこと」が起こり、真相が明るみに出ることに。
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