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東大生、教育格差を学ぶ の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2024/07/23

『現場で使える教育社会学』を教科書に、各章のメイントピックのサマリー、追加インプットを経て、各グループのやり取りと授業後のレポートが一冊の新書としてまとめられている。 まずこの形式が面白いなと思って手を取った。 投げかけられた問いを自分も考えながら、こういうバックグラウンドを...

『現場で使える教育社会学』を教科書に、各章のメイントピックのサマリー、追加インプットを経て、各グループのやり取りと授業後のレポートが一冊の新書としてまとめられている。 まずこの形式が面白いなと思って手を取った。 投げかけられた問いを自分も考えながら、こういうバックグラウンドを持つ人はこんなふうに考えるんだな、なんて眺めていると、一部だけではなく、取り上げられなかった人のレポートも読みたくなった。 「知って」「想像する」=「配慮する」ことの大切さを語る人が多かったが、率直な想いを語れる人や言葉にならない言葉を必死に紡ごうとする学生がいることが心強く思えた。 想像するにはきっと原体験が必要で。 SESが高いというのは、家庭の裕福さ以上に体感格差なんじゃないかと思う。 ぜひ「想像」や「配慮」だけではなく、学んだことや気づいたことにこれからも心を寄せてほしい。

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2024/04/16

まず、東大生の言葉の運用能力が高いと思った。 印象的だったのは、他者の合理性と異質な他者への想像力。

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2023/10/21

まず、知ることが大事だと感じた。 偏差値の高い東大生でも自分が恵まれた環境にいることにさえ気付けない人がいるのだなと。

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2023/09/07

興味深いテーマではあったが、良くも悪くも結局は「東大生」という枠組み(もちろん彼らも皆それぞれ多様な人生を歩んでいるのだが)の中でのディスカッションなのだ、と感じた。しかし、このような学びの機会によって、先ずは自分たちの育ちの環境について思いを馳せることができたのは、学生たちにと...

興味深いテーマではあったが、良くも悪くも結局は「東大生」という枠組み(もちろん彼らも皆それぞれ多様な人生を歩んでいるのだが)の中でのディスカッションなのだ、と感じた。しかし、このような学びの機会によって、先ずは自分たちの育ちの環境について思いを馳せることができたのは、学生たちにとってとても有益だったと思うし、書籍化によって、わたしたちも学べるようにしてくれてありがたいと思った。 平等と公正と正義の違いについての話は興味 深かった。 また、「幸福にとって一番大事な資本は、人間同士の絆、いわゆる社会的資本だというのが定説です。学歴や収入より、むしろ困ったときに助けてくれる人、人生を一緒に歩いてくれる人がいることが幸福には影響するわけです」(p264)という発言に大いに共感した。格差が無くなることというよりは、このような人と人との繋がりができる社会になることを目指していけるようになりたいと思った。

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2023/06/23

教育社会学の入門としても読めるし、東大生の実態への野次馬根的な本としても読める。本書内で学生が、知ることと実践することには乖離がありつつも、知ること自体に意味を見出しているのが素晴らしいと感じる。 自分が東大卒なので、学生の感想や議論には違和感を持たなかったが、他の人の感想を読む...

教育社会学の入門としても読めるし、東大生の実態への野次馬根的な本としても読める。本書内で学生が、知ることと実践することには乖離がありつつも、知ること自体に意味を見出しているのが素晴らしいと感じる。 自分が東大卒なので、学生の感想や議論には違和感を持たなかったが、他の人の感想を読むとそうではないようで、難しい。

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2023/06/13

男子は上半身裸で体育、黒髪最高、生まれながらの犯罪者はいない。 今も昔も変わらない問題を生徒が考えるのに意義があります。 経済だけでなく教育も30年変わらないのかと涙出ました。私たちの責任ですね。

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2023/06/02

ぼんやりと感じていた教育格差について深く考えるきっかけになった。同世代の人の意見を元に話が展開していくが、共感する意見も、ハッとさせられる意見もあっていろいろな気づきが得られた。 対話形式なのでスルスルと読める。

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2023/05/19

特別SESが高い家庭ではなかったが、親が教育熱心だったお陰で(隠れた意図的養育)学業に困ってこなかった。一方で、大学進学、就職と周囲の環境が変わるにつれて、周囲に優秀な人が増え、自分の家庭との経済格差を感じるようになった。塾に行くこと、浪人すること、幼少期の種々の習い事等に制限の...

特別SESが高い家庭ではなかったが、親が教育熱心だったお陰で(隠れた意図的養育)学業に困ってこなかった。一方で、大学進学、就職と周囲の環境が変わるにつれて、周囲に優秀な人が増え、自分の家庭との経済格差を感じるようになった。塾に行くこと、浪人すること、幼少期の種々の習い事等に制限のあった自分と裕福な家庭の子を比較して卑下することがあったが、この本を読んですこしそのもやもやが解消された。

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2023/04/20

松岡さんの教育格差の本を読んで違和感を持っていた。なんだか「大学に進学するのが幸せである」というのが大前提で話が進んでいるような気がしたからである。本書では東大生による議論が中心なので、同じような流れになるのかとは思ったが、1章ずついろいろな所属の先生方がファシリテータになってい...

松岡さんの教育格差の本を読んで違和感を持っていた。なんだか「大学に進学するのが幸せである」というのが大前提で話が進んでいるような気がしたからである。本書では東大生による議論が中心なので、同じような流れになるのかとは思ったが、1章ずついろいろな所属の先生方がファシリテータになっているのでちょっと期待して読んでみた。なかには「こいつバカか」(失礼)と思ってしまうような東大生の発言もあったが、それでも「東大に入るよりも田舎で農業でもしていた方が幸せだったかもしれない」といった発言を読んでちょっとほっとした。そう、いろいろな幸せがあって良いと思う。そして、部活の章での山本さんの発言を読んで、自分の中のもやもやがすっきりした。「文化資本や経済資本って、幸福を得るための直接効果があまり強くない・・・幸福にとって一番大事な資本は社会関係資本だというのが定説」やっぱりそうなんだ。将来のために一生懸命努力して、つらい思いもして東大に入り、超一流企業に就職し、高給を取っていたとしても、ブルシットジョブばかりさせられて、それで人は幸せと感じられるのだろうか。まあ、その人にとってそれが最も合理的な生き方であれば、他人がとやかく言うことではないのかもしれないが。いま自分にとって一番切実な問題は、中2の男子数名が授業をまともに聞こうとしないことだ。映画を観るのと同じくらいの時間単価を支払っているのに(もちろん親が払っている)。いまの気持ち優先で生きるのか、未来のことを考えて生きるのか、どちらかだけではなく、どちらもだけれど、その配分をどちらよりに考えるのか。未来よりにシフトさせたいけれど、それは、その子のためを思って言っているのか、それとも自分の授業のしやすさを意識しているのか、うーん、悩ましい。本書を読んでそれぞれの立場で、それぞれの思いを語れる場があると良いと思う。僕自身は、それほど高いSESの家庭で育ったわけではないが、お金に困ったという記憶はないし、留学もさせてもらったし、ありがたいことではある。自分の子育てについては、経済的に余裕があったわけではないが、文化資本には気を配ったつもりだ。それが良い影響をもたらしたかどうかは別として。そして、いま幸せかどうかと言えば、うーん、不満がないわけではないが、まあ幸せな方がまさっていると思う。

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2023/04/10

学生の感想パートを通読すると、何とはなく、いかにも東大生だったらこう答えるよな、という臭みが目立つような気がする。といっても、きれいに視点や論点を敷きならべているので、標準的な教材としての価値はあるのだろう。 中学校、高校の部活動は、教科学習以外の軸で生徒の自己実現のチャンスを用...

学生の感想パートを通読すると、何とはなく、いかにも東大生だったらこう答えるよな、という臭みが目立つような気がする。といっても、きれいに視点や論点を敷きならべているので、標準的な教材としての価値はあるのだろう。 中学校、高校の部活動は、教科学習以外の軸で生徒の自己実現のチャンスを用意するとか、生きていれば避けて通ることができない社会の「決まり事」を体得するための複線教育という意味合いは、たぶんあるかもしれない。しかし、パワハラ、いじめを、根っこのところで大なり小なり肯定するような、体育会系の気質を再生産し続けている元凶でないか、そしてその毒素を現実のオトナ世界に投射し続けているのではないのか、というのは腑に落ちるお話。

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