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リスキリングは経営課題 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2024/07/21

国際的にも「学ばない日本人」。その原因は企業において必要なスキルの「鋳型」を作り、工場のように人材をその鋳型にはめ込み、人手不足のポストに充てようという発想が限界に達しているからだという。個人においても受動態でもなく、能動態でもない「中動態」で愚痴を言いながらも、そこそこ真面目に...

国際的にも「学ばない日本人」。その原因は企業において必要なスキルの「鋳型」を作り、工場のように人材をその鋳型にはめ込み、人手不足のポストに充てようという発想が限界に達しているからだという。個人においても受動態でもなく、能動態でもない「中動態」で愚痴を言いながらも、そこそこ真面目に、そこそこ楽しく、平等主義の中で生きている個と組織のなれ合いの関係が、今の日本で働く人の環境を形作っている。非常に鋭い洞察だと思う。 <変化抑制意識>を防止し、<変化適応力>という心理的資本を蓄積するための内部(社内)労働市場の流動性の質を高めるような”仕組み”を企業は考えないと、「学ばなさ」と「変わらなさ」という根本的な問題は解決できないという筆者の主張はそのとおりだと思った。

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2024/03/21

「リスキリング」がなぜ必要と言われているか、それは日本企業の長期的な展望を持った内発的な危機感などの動機ではなく、「DX」とか「人的資本開示」とか、外部要請に対応するために体裁を整える必要性に駆られてのことであったということ。 その上で、データなどから見える日本人の特性に合わせて...

「リスキリング」がなぜ必要と言われているか、それは日本企業の長期的な展望を持った内発的な危機感などの動機ではなく、「DX」とか「人的資本開示」とか、外部要請に対応するために体裁を整える必要性に駆られてのことであったということ。 その上で、データなどから見える日本人の特性に合わせて、企業主導の学びを理由とした社会関係資本作りのハコを用意し、組織と個人をより豊かにするための機会提供を提言している。 学びの必要性について、もっと切羽詰まった理由があるのかと思っていたので、少し拍子抜けした。 このままではリスキリングがこれまでの女性活躍推進と同じような、形骸化した号令になってしまうのではと感じる。 自分の中でも反芻して考えたいと思った。

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2024/03/16

日本は世界一社会人が学ばない国 企業内大学など施策は色々あるけど リーダーがまず学ぶ姿を見せるのが大事

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2024/03/05

統計データからも、日本は社会人が世界一学ばない(意欲が低い)国らしいがマインドセットの問題というより、日本企業の働き方や中動態的(※)キャリア感といった「仕組み」面に問題があるため、とのこと。分析が面白い。ではその仕組みを変えるために何をすべきかというと…アンラーニング、ソーシャ...

統計データからも、日本は社会人が世界一学ばない(意欲が低い)国らしいがマインドセットの問題というより、日本企業の働き方や中動態的(※)キャリア感といった「仕組み」面に問題があるため、とのこと。分析が面白い。ではその仕組みを変えるために何をすべきかというと…アンラーニング、ソーシャルラーニング、ラーニングブリッジングこのラーニングを支援するための仕組みが変化創出モデル。変化報酬、変化共有、→コーポレートユニバーシティ。対話型ジョブマッチングにより内発的動機付け。最終的にはもっと人を信用しよう。人と社会と関わり合いながら学ぼう、という着地と理解。 ※完全に受動的でもないが、異動命令やジョブローテーションもなんだかんだ受け入れてしまい、置かれた場所で咲くのが合理的となってしまう能動/受動の中間状態

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2023/12/24

終身雇用が産んだ副作用の一つが継続的な学びをしないポンコツたち。 高校受験や大学進学時がピークでそこから全く能力が上がらない方々。本当に迷惑ですね。 この本はそんな人たちの手に渡って欲しいですが、そもそもそういう人には渡らないのが残念です。

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2023/07/14

世界一学ばない日本人 他人を信用しない 工場型のリスキリングではなく最終的には実務につながることが重要

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2023/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書は、「なぜ学ばないのか」「なぜ学んだことが発揮されないのか」について、前半では、日本人のもつ意識、企業慣行、および社会学の知見から分析しする。さらに、後半では、企業が学びを如何に促進するかについて、提案されている。 学び・発揮を個人に依存するのではなく、企業が構造化する方法に議論の焦点を当てていることが本書の特徴であると思う。 個人的に印象に残ったのは、「中動態的キャリア」や「学びのコミュニティ化」に関する論考である。これらは、リスキリングの射程に留まるものではなく、他の分野(例えば、政治やエンタメ)にも共通していると考える。

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2023/07/02

学ぶことが一部の意識高い人だけといった雰囲気である日本の特殊性についての考察はそれなりに納得できた。就社し、完全に受動的でもなくそれなりには主体的に満足しつつローテーションされることで、日本人のキャリア感は「中動態」であるという。中動態自体が悪いのではなく、現在の環境にあっていな...

学ぶことが一部の意識高い人だけといった雰囲気である日本の特殊性についての考察はそれなりに納得できた。就社し、完全に受動的でもなくそれなりには主体的に満足しつつローテーションされることで、日本人のキャリア感は「中動態」であるという。中動態自体が悪いのではなく、現在の環境にあっていない。中途半端に成果が出せてなんおなく満足できてしまうところに問題があるのだと。公募制などの仕組化で、環境そのものを変える必要はあるという点は理解できる。

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2023/04/22

中途半端な働き方でも一定の評価をされる日本において、学ぶことなんて積極的にするわけない。何もしなくても評価されちゃうのだから。 普通のキャリアが学ばない人々を生み出すという指摘に腹落ちした。 結局人と人のつながりからしかやる気は起きないし、学びもない。にも関わらず、日本だけではな...

中途半端な働き方でも一定の評価をされる日本において、学ぶことなんて積極的にするわけない。何もしなくても評価されちゃうのだから。 普通のキャリアが学ばない人々を生み出すという指摘に腹落ちした。 結局人と人のつながりからしかやる気は起きないし、学びもない。にも関わらず、日本だけではないけれどSNSや映像のサブスク等、今ではいくらでも社会との関わりがなくても生きていけてしまう。孤独は学びを遠ざける。 根深くて、本当に解決するためには時間のかかる問題だった。 自分は危機感を持って学び続けなければ。。

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2023/04/15

リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考 著:小林 祐児 リスキリングとは、業務上の技術や専門スキルを新しく獲得すること、そしてそれを企業が従業員に促進することである。DXと合わせて普及しつつあるこの言葉は、「生涯学習:「リカレント教育」などと同じく、広く大人の...

リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考 著:小林 祐児 リスキリングとは、業務上の技術や専門スキルを新しく獲得すること、そしてそれを企業が従業員に促進することである。DXと合わせて普及しつつあるこの言葉は、「生涯学習:「リカレント教育」などと同じく、広く大人の「学び直し」と捉えられる。 本書では、リスキリングに必要な「仕組み」を「行動変化」「学びのコミュニティ化」「意思の創発」の三つの提示及び以下の8章により説明している。 ①リスキリングの流行とその課題 ②学ばなさの根本を探る ③変わらなさの根本を探る ④リスキリングを支える「三つの学び」 ⑤工場から創発へ ⑥学びの共同体の仕組み ⑦学ぶ意思の発芽の仕組み ⑧これからの企業における学びの方向性 「リスキリング」しかり、確実にこの「学び」の大きなうねりをどう捉えていくかが、組織・個人にとって大きな正念場となる。一時的なブームとしてやり過ごすのではなく、各個人が危機感と期待を持ちながら自身の現状とわくわくする未来を想像しながら、学びを捉えなおす、そして学びを継続すること。その環境や風土と仕組みをどのように企業が整えていくかが重要となる。 学びは個人の責任下にあるという前提はあるものの、企業としての枠組みによりそのプロセスを含め結果に対しても大きな差となって表れてくる。 本書の納得性の高さの根源はなんといってもデータからの事象の提供である。リスキリングの黎明期と言われる今でもしっかりとデータを提示することで、提供する企業側として大きなミスリードは防ぐことができる。 学び直しは置かれた環境や個人によって、異なるものではあるが、根本的な考えや大きな仕組みの構築の考えは本書から学べることは多い。危機感が先行する中にも、楽しさを見いだしながら仕組みの構築を踏まえた考え方を学びから形として運用していきたい。

Posted byブクログ