禁断領域 イックンジュッキの棲む森 の商品レビュー
少しずつ謎が深まり、高まり切ったところからはバイオレンスな展開へ。 ドキドキ、ハラハラしながら一気に読み切った。
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まるで映画を見ているような、ワクワク感がずっと続いたお話だった 霊長類学にはまったく詳しくなかったが、研究の地方フィールドワークを少しでも感じる事が出来たし、まだまだ世界には未確認の生物がいるかもしれない、という可能性を感じた 冒険小説のような感じもあり、学術書とまでは行かないが専門的な所もあり。しかし結構バトルも激しく、グロ体制ない場合は注意 そして、主人公の大学院生季華の性格が、かなりぶっ飛んでてサル愛というか、霊長類への探究心は凄まじく、まったく共感できないが、そこが良い 研究者とはあそこまで突き抜けていないと、出来ないんだろうな ただ、解説を読むに主人公の性格に修正が入ったようで、タダでさえマッドだったのに、そしたら修正入る前はどんなだったんだろうと気になりました とにかく個人的には面白かった
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途中まではおもしろかった ジャングルやサルの知識も興味深く学術書のように感じた ただ、もう少し怖い展開を期待していた
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プロローグから惨劇があり、どんな展開になるのか興味を唆られる。テンポよく進んでいき物語に入り込めると思っていたのだが、どうにも個人的に主人公の父堂季華に拒否反応を感じてしまう。いや、専門の霊長類学に対する熱意と想いは尊敬に値するのだが、性格的にというか人としてというか、物語なのだ...
プロローグから惨劇があり、どんな展開になるのか興味を唆られる。テンポよく進んでいき物語に入り込めると思っていたのだが、どうにも個人的に主人公の父堂季華に拒否反応を感じてしまう。いや、専門の霊長類学に対する熱意と想いは尊敬に値するのだが、性格的にというか人としてというか、物語なのだからそこは楽しめば良いのだが、なんとも没入し切れない感じがずっとあった。ただ、物語としてはとても引き込まれるもので、人と動物の違いは何なのか、人間以外の霊長類の生態はどんなものなのか、など意識させられながら読み進めた。そして、読み終えた後に季華に対する感情はまるで変わっていた。没入し切れないと思っていたが、まんまんとハマっていたということだろう。ちょっと最後はでき過ぎた感があるようにも思えるが、それも含めて大いに楽しめた。 ジャングルの生態系の描写や、人が踏み入ることとはどういうことかなどの描写が、非常に魅力的に感じた。現在のテクノロジーも重要なファクターで、森の奥地との対比が絶妙に現実感を感じさせる。サバイバル的な要素やパニック的な要素が満載なのかと思っていたのだが、現地民の暮らしや狩猟の問題、開発による利便性とそれによる弊害、ヒトとサルの違いや人間と獣の境界、こういったことを意識せずに読むことができなかった。かといって問題提起ばかりではなく、謎が解明されていくまでに予想外の展開などもありハラハラドキドキさせられる。季華以外の人物もなかなかにくせ者ばかりだが、読み終えてみるとこれがいい塩梅だったのかもしれない。今後の作品も読んでみたい。
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天使の囀り系かと思ったらしっかりしたサルの話し。 モンスターパニック系にしてはグロさが弱いしで宙ぶらりん。
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コンゴでの開発計画に先立って環境アセスとして行われる「森の人」ボノボの生態調査。そのメンバーに加わることになった大学院生、父堂季華の一行は、現地で未知の霊長類に襲われる。 ヒトと同様の知性と、ヒトを圧倒するパワーとを併せ持つ相手との絶望的な戦いの中、季華の観察眼が彼らの行動の理...
コンゴでの開発計画に先立って環境アセスとして行われる「森の人」ボノボの生態調査。そのメンバーに加わることになった大学院生、父堂季華の一行は、現地で未知の霊長類に襲われる。 ヒトと同様の知性と、ヒトを圧倒するパワーとを併せ持つ相手との絶望的な戦いの中、季華の観察眼が彼らの行動の理由を解き明かして行く。 ヒトとサルはどちらが「人間」なのか?
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メインテーマとはずれた伏線と、ハッピーエンド、登場人物の理由のよくわからない性格の変化があまり好みではなかった。 学者たちの研究対象への愛の様や、研究の臨場感は面白かった
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主人公、勉強はできるんだろうけど言動が獣並… うまく言えないけど、面白い話しなのに読んでいてモヤモヤモヤモヤする。敢えてなのかもしれないけど、登場人物の言動が、同じ人のもの?って思うくらいブレがある気がするからかも。 サル関連だったらAnk:かな。
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面白かった! 『幻獣ムベンベを追え』を読み終えたばかりだったので、つい、話を重ねてしまった。同じコンゴ流域で、日本から研究者として参加して、幻獣を探す。あれ?高野秀行氏のは、実際に行った話の筈なのに。 日本猿はこわい。ウチの庭にも来て、チューリップの球根やら百合根やらほ...
面白かった! 『幻獣ムベンベを追え』を読み終えたばかりだったので、つい、話を重ねてしまった。同じコンゴ流域で、日本から研究者として参加して、幻獣を探す。あれ?高野秀行氏のは、実際に行った話の筈なのに。 日本猿はこわい。ウチの庭にも来て、チューリップの球根やら百合根やらほじくり返して食べてゆく。こわいので、家庭菜園や果樹はない。近所では、家の中にまで入られて、カボチャを持って行かれただの引っ掻かれただの、聞く。網戸を開けて入ってくるという。 研究者の苦労は理解できるが、コンゴに行ってまで怖い猿と対峙する勇気は、私にはない。それも、日本猿の倍はありそうなイックンジュッキ(という架空の霊長類)。 生物学のフィールドワークって大変そう。『バッタを倒しにアフリカへ』を読んだ際にも感じたが、衛生観念とか文明の利器とか、「なにそれおいしいの」という世界。絶対無理。 などと、途中まではのほほんと読んでいたのに、後半、バトル。いや、あの撃退の仕方は、共感したら辛すぎる。これだけぶっ飛んだ主人公の性格を文庫化するために読みやすく修正したって、元はどれだけのキャラ造形だったのか。 読み始めたら止まらなくなって、今夜中の2時半。もし、読もうと思うなら、時間のある日をオススメする。
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面白かった! もっとも優しい類人猿、ボノボの研究のため、コンゴの奥地にやってきた研究者たち。 しかし、そこには恐ろしい生物が住んでいて……。 と聞けば、普通のパニックサスペンスと感じるかもしれない。しかし、本作はこのミス大賞受賞作。 それだけでは終わらない面白さがあった。 ボノボ...
面白かった! もっとも優しい類人猿、ボノボの研究のため、コンゴの奥地にやってきた研究者たち。 しかし、そこには恐ろしい生物が住んでいて……。 と聞けば、普通のパニックサスペンスと感じるかもしれない。しかし、本作はこのミス大賞受賞作。 それだけでは終わらない面白さがあった。 ボノボに似た大型の猿、イックンジュッキの正体は? イックンジュッキが人間を襲う理由とは? イックンジュッキに襲われた時に、助かる方法はあるのか? さりげなく読み飛ばしたところに伏線がはってあり、真相を知ってもなお、続きを読みたくなる。 何も考えず、パニックサスペンスとして物語を楽しむのも良し。 自らの持つ多少の哺乳類の知識を総動員し、イックンジュッキの謎を解くも良し。 たとえ動物学の知識がなくとも、主人公たちの見聞きしたことから、イックンジュッキから逃れる方法を探すも良し(イックンジュッキが人間を襲う理由は、物語をしっかり読み込めば推測できる様になっている)。 ミステリとは、犯罪が起こり、それを解決するという一連の流れだけをいうのではなく、たとえ犯罪ではなくとも、謎と解決があればミステリとしてなりたつんだなって感じた作品だった。
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