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老父よ、帰れ の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/11/08

矢部好太郎(やべ こうたろう)は、宗田道雄(そうだ みちお)医師の、認知症に関する講演に感銘を受け、施設に入れていた認知症の父を自宅で介護しようと思い立つ。 妻の泉(いずみ)は、なんでもすぐ信じてしまう夫の思いつきに反対したが、好太郎はあの手この手でなだめすかし、宗田医師までだし...

矢部好太郎(やべ こうたろう)は、宗田道雄(そうだ みちお)医師の、認知症に関する講演に感銘を受け、施設に入れていた認知症の父を自宅で介護しようと思い立つ。 妻の泉(いずみ)は、なんでもすぐ信じてしまう夫の思いつきに反対したが、好太郎はあの手この手でなだめすかし、宗田医師までだしに使って強引に自宅介護OKと言わせ、マンションに引き取った。 好太郎自身は60日の介護休暇をとった。 好太郎は、不惑の45歳にしては、「早合点、浅慮、子供っぽい」の三重苦ではないかと思う。 何事に関しても、自身の感情が優先される。 自宅介護を決意したのは「介護は恩返し」という宗田医師の影響が大で、即決してしまったが覚悟がついてきていない(と思う) 弄便(大便をいじくり回す)を始めたらどうしようと思い詰めたり、茂一が好太郎の名前だけ呼んでくれない、と焦って、無理やり言わせようと何度もせまるに至っては滑稽でもある。 しかし、好太郎の気持ちの根底にあるのはやはりなんと言っても、父親に対する愛情だろう。 その愛情が感じられることと、多少軽率とも言える彼の言動が、重いテーマを重くなりすぎずに読ませてくれる。 妻や弟夫婦との話し合い、認知症の老人を危険視するマンションの住人との対決なども、臨場感あふれる。 父親に対する恩と愛情→迷惑な行動に対する怒りと失望、その間を何度も行ったり来たりする日々。 認知症老人の気持ちを最優先して、やりたいようにさせるか、家族や周りの人間の生活を守るかという問題は難しく、どこまで行っても平行線であり、未来永劫に正解というものは出ないような気がする。

Posted byブクログ

2023/12/19

感謝の気持ちと敬意をもって接すれば、認知症でも穏やかになるということを聞き、自宅介護に踏み切った好太郎。持ち前の楽観主義があるとはいえ、この時点で尊敬に値するとまずは思った。現実はなかなか厳しいものがあり、なかでも排泄の問題は避けては通れないがゆえ、凄まじいと痛感した。一生懸命お...

感謝の気持ちと敬意をもって接すれば、認知症でも穏やかになるということを聞き、自宅介護に踏み切った好太郎。持ち前の楽観主義があるとはいえ、この時点で尊敬に値するとまずは思った。現実はなかなか厳しいものがあり、なかでも排泄の問題は避けては通れないがゆえ、凄まじいと痛感した。一生懸命お世話をしている人に必ずしも見返りがあるわけではないし、メンタル面の持続も大変だと思った。好太郎の家族や弟たちが、介護をする好太郎を、客観的にみて、的確な言葉をかけているのも印象的だった。当事者は懸命になりすぎて見えなくなることもあるということも参考になった。 それぞれの家の中で、介護に奔走する人たちがたくさんいる。きれいごとではすまないし、いつかは自分にも関わる問題なので、とても考えさせられた。

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2023/11/27

実体験がないと書けない話しです。 最後にお父さんが死んでおわるなかと思ったら 元気に回復して終わりました。 あらあら またまだ介護は続くやうです。 痴呆は人それそれ 主人の両親は見送りました。 自分の両親は 弟が主になって見送りました。 今度は私の番です。 どんな...

実体験がないと書けない話しです。 最後にお父さんが死んでおわるなかと思ったら 元気に回復して終わりました。 あらあら またまだ介護は続くやうです。 痴呆は人それそれ 主人の両親は見送りました。 自分の両親は 弟が主になって見送りました。 今度は私の番です。 どんな痴呆生活が待っているんでしょう? 母は明るく楽観的は人で そのようにボケました。 自分がどうなるかはわかりません。 子供がみるのが 正しいとも言えません。 明るく楽しい施設生活ができるといいですね! 介護は抱え込むと大変です。 この本では あまりふれていませんが 同居をOKした奥さんや娘さんも 大変だったと思います。 みんなが幸せに暮らすのは 難しいけど なんとかなるでしょう。 と思うことにしましょう。

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2023/11/06

ある医師の講演を聞き、認知症の父親を施設から自宅へ引き取ることにした好太郎。 好太郎は影響を受けやすいタイプだ。 良いと思ったら一直線。 そして、すぐに焦って先走るタイプでもある。 それが介護の中にも出ている。 それにしても、介護はやっぱり大変だと思わざるを得ない。 好太郎の性格...

ある医師の講演を聞き、認知症の父親を施設から自宅へ引き取ることにした好太郎。 好太郎は影響を受けやすいタイプだ。 良いと思ったら一直線。 そして、すぐに焦って先走るタイプでもある。 それが介護の中にも出ている。 それにしても、介護はやっぱり大変だと思わざるを得ない。 好太郎の性格や腹が立つけど個性的なマンションの住民たち。 それがまたリアルでユーモアもあるけど、笑えない。 家族だけでなく、地域からの冷たい対応… これから、高齢化社会になっていき、誰もが向き合うことになる可能性も高い認知症なのに、そんな風に扱われるの?と思わず顔がひきつる場面も。 ただ、介護するだけでなく、その先の最期まで、考えることはたくさんある。 好太郎にイライラしたが、きっと自分も似たようになるだろう… 2023.11.6

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2023/05/12

認知症の父を自宅で介護することにした好太郎。介護休業制度を利用してと言うがさてさて、、、 若干思い込んだら一直線な感じがするけど好太郎さんはよく頑張ってる。奥さんや娘さんも大事にしてね。 認知症の人は幼子の相手をするより手ごわいと思うけど… 話が通じないイライラは幼子相手より募...

認知症の父を自宅で介護することにした好太郎。介護休業制度を利用してと言うがさてさて、、、 若干思い込んだら一直線な感じがするけど好太郎さんはよく頑張ってる。奥さんや娘さんも大事にしてね。 認知症の人は幼子の相手をするより手ごわいと思うけど… 話が通じないイライラは幼子相手より募る気がする。

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2023/04/04

趣旨一貫して,老いや死という人の逃れられない切実な現実を小説という形にして読者に突きつける.現実の受入が早ければ早いほど選択肢は広がるが,最適な答えなどなく,個々の死生観に依存する.医療の発達による長寿命化は,果たして知的生命体としての幸せにつながるのか,という使い古されたテーマ...

趣旨一貫して,老いや死という人の逃れられない切実な現実を小説という形にして読者に突きつける.現実の受入が早ければ早いほど選択肢は広がるが,最適な答えなどなく,個々の死生観に依存する.医療の発達による長寿命化は,果たして知的生命体としての幸せにつながるのか,という使い古されたテーマに帰結する.

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2023/03/11

認知症の父親を施設から自宅マンションに引きとると決めた矢部好太郎。家族の協力を得て自宅介護を始めるも、食事に排泄の介助とままならぬことばかり。隣人からは過度に問題視され……。高齢者医療を知る医師でもある著者が介護をめぐる家族の悲喜劇を描く。

Posted byブクログ