今日も町の隅で の商品レビュー
安定の小野寺さん。 短編集で、サッと読めて、読後感も爽やか。 みんな何かしらの挫折や壁に当たっているからこそ、共感しやすいし、その壁を前に主人公たちがどう乗り越えていくかを追いかけたくなります。 以下、好きな短編とフレーズ。たまに感想。 ◼️逆にタワー p54東京タワーに上れ...
安定の小野寺さん。 短編集で、サッと読めて、読後感も爽やか。 みんな何かしらの挫折や壁に当たっているからこそ、共感しやすいし、その壁を前に主人公たちがどう乗り越えていくかを追いかけたくなります。 以下、好きな短編とフレーズ。たまに感想。 ◼️逆にタワー p54東京タワーに上れたら楽しかったろうけど。わたし、上から見下ろすより、こうやって下から見上げる方が好き。そのほうが、何か、やってやろうって気になる。 「していい我慢」という言葉。しっくりきた。 ◼️冬の女子部長 p68やってもできないならしかたない。でもできるのにやらないのはダメだ。いざとなればやる。そういうつもりでいるのかもしれないけどな、そんないざはないんだよ。これは生徒に限ったことじゃない。大人だってそうだ。普段から力を出さない人間は、いざというときにも力を出せない。何でもない時に力を出せること。それ自体が人間の能力に含まれてるんだ。たとえば先生の歳ではもう遅い。でも森田の歳なら遅くない。持ってる力は出せ。出さない力は伸びないし、伸びないどころか、いずれ消えてなくなるもんだ。もうすでにない力をあると思ってる。そんな大人には、なりたくないだろ? 主人公がとにかくいい子。 女子部はともかく(笑) それはともかく、普段から力を出すことって大事だなーと先生のお言葉に感銘を受けた。 いざはない。良い言葉。 ◼️君を待つ p127那美には年上ぶったところがなかった。実際に年上なのに、なかった。年下の僕を、転校してきたクラスメイトでもあるかのように迎えてくれた。わからないことがあったらわたしに訊いてね、とは言わなかった。一緒にやっていこうね、と言う感じだった。 →わかる。那美さんが対等に見てくれてる感じに惹かれるってあると思う。
Posted by
既に単行本で読んでいましたが文庫本で再読。 小野寺作品で良く出てくるみつば市に住む、一般の人々の何気ない日常の風景です。 普通ならここからもう一波乱あるだろうという所から何も起こらないのが、なんとも小野寺さんっぽいなと。
Posted by
この小説を読み終わった後、別の本のフレーズを思い出しました。 ”「幸福は、状況の編集能力・解釈能力によって構成されるもの」と考えているの。” (by 愛は毒か 毒が愛か) まさにコレ、なのです! この小説に出てくるストーリーは、普通の人のほんのちょっとした日常生活なのです。...
この小説を読み終わった後、別の本のフレーズを思い出しました。 ”「幸福は、状況の編集能力・解釈能力によって構成されるもの」と考えているの。” (by 愛は毒か 毒が愛か) まさにコレ、なのです! この小説に出てくるストーリーは、普通の人のほんのちょっとした日常生活なのです。 (ほんのちょっととしたのは、普段の生活に毛が生えたくらいの出来事だからです) 日記に書くか書かないか、判断に迷うくらいのレベルと言えば伝わりやすいかなぁ。 が、しかし。 読んでみると、どれもこれも特別感があるんですよね~。 この特別感って何だろうと考えた時に、思い出したのが先のフレーズです。 大したことのない日常も編集能力・解釈能力次第でいかほどにも特別なモノになるって事なんじゃないかな、と気づきました。 なんで自分の人生ってこんなにもつまらないんだろう……、と思う時間があるのであれば、編集能力・解釈能力を身につけ、自分の人生に特別感を持たせる方に舵を切った方がお得感がありますね。(自分でコントロールしている感があるので、充実感もついてくるかもしれない) この小説に書かれているような「幸せ」は自らプロデュースして作っていくものなのかもしれません。 目の覚めるような何かが起きるわけではないので、心穏やかな状態のまま読めました。(たまにはいいね、こういうのも)
Posted by
282ページ 1700円 8月24日〜8月25日 みつば町で暮らす人々のちょっと心暖まる10の短編集。親が離婚することや引っ越しすることなどの共通項がどの話にもある。 短編集だから一つ一つが短くて読みやすい。文体も読みやすく、すーっと入ってきた。
Posted by
1つの町で生きる様々な人々の日常を描いた小説でした。まるでアジサイの花が小さな花々が集まって、大きなアジサイという花になる様に、人々が日常生活の中で、それぞれの小さな心の花を咲かせ、その集合体が「今日も町の隅で」というアジサイの花となって、私達読者を静かに楽しませてくれる…といっ...
1つの町で生きる様々な人々の日常を描いた小説でした。まるでアジサイの花が小さな花々が集まって、大きなアジサイという花になる様に、人々が日常生活の中で、それぞれの小さな心の花を咲かせ、その集合体が「今日も町の隅で」というアジサイの花となって、私達読者を静かに楽しませてくれる…といった感じの印象を受ける穏やかな小説でした。
Posted by
小野寺さんは本当に日常を切り取るのが上手いなぁ。 端から見たら何の変哲もない日常なのに、小野寺さんの手にかかれば、たちまち味わいのある誰かの日常へと変化する。 そんな風に思わせてくれる短編集でした。 お気に入りは、 *冬の女子部長 *君を待つ *ハグは十五秒 *カートおじさん ...
小野寺さんは本当に日常を切り取るのが上手いなぁ。 端から見たら何の変哲もない日常なのに、小野寺さんの手にかかれば、たちまち味わいのある誰かの日常へと変化する。 そんな風に思わせてくれる短編集でした。 お気に入りは、 *冬の女子部長 *君を待つ *ハグは十五秒 *カートおじさん 小さなものから大きなものまで、日常的に幾度となく迫られる選択の数々。その大小に関わらず感情は揺れ動くもの。 そんな登場人物たちの様子が描かれていました。 転校生に翻弄される小学生から妻の浮気を疑う夫…と、世代もシチュエーションも様々でそっと見守るような気持ちで読み終えました。 軽い読み心地で隙間時間にもピッタリ! ちょこちょこ楽しみました。
Posted by
10篇の短編集。共通しているのは「みつば」という町が舞台であること。そしてそれぞれのお話は11歳から42歳と幅広い男女が主人公だけど、大きな事件が起きるわけではないので、気付いたら1つのお話が終わっていた!という印象です。なのでこれまで読んだ小野寺作品と比べると少し物足りなさを感...
10篇の短編集。共通しているのは「みつば」という町が舞台であること。そしてそれぞれのお話は11歳から42歳と幅広い男女が主人公だけど、大きな事件が起きるわけではないので、気付いたら1つのお話が終わっていた!という印象です。なのでこれまで読んだ小野寺作品と比べると少し物足りなさを感じてしまいました。でも『君を待つ』は良かったです。電車に乗り遅れてツイてないと思ったのも束の間、事故を逃れた上に、その後偶然の出会いが待っているなんて…。私もツイてないと思っても、イヤイヤこれはツイてるのかも?と前向きに考えよう!
Posted by
短編集なので感情移入する前に終わってしまいましたがその分さらりと読めました。 逆にタワーとハグは十五秒が良かったです。
Posted by
短編集。 大きな事件は起きないけど、近くでありそうなお話ばかりです。 隣の芝生は青いというけど、きっとみんないろいろあるけどなんとかやってるんだなぁと思いました。 私も町の隅でひっそり生きていこう笑笑
Posted by
ある町の日常を描いた短編集。 何か事件が起きるわけでもなく、一冊読み終わる頃にはどんなお話があったのか忘れてしまう程、日常。 だが、面白い。 ここに登場する人達は皆、大小何かしらの悩みを抱えながら日々を過ごし、それぞれ何かのきっかけで人と触れ合い、前を向く。さぁ、頑張ろう、と思え...
ある町の日常を描いた短編集。 何か事件が起きるわけでもなく、一冊読み終わる頃にはどんなお話があったのか忘れてしまう程、日常。 だが、面白い。 ここに登場する人達は皆、大小何かしらの悩みを抱えながら日々を過ごし、それぞれ何かのきっかけで人と触れ合い、前を向く。さぁ、頑張ろう、と思える。 選択すること。 人生は選択の連続だというが、自分では意識しないまでも、選択しているのだなぁというのが分かる。 まさしく「日常」を描いていて、人というのは面白いなぁと改めて思った。
Posted by
- 1
- 2