赤ずきんの森の少女たち の商品レビュー
学校 ★★☆ 大人読書 ★☆☆ ドイツ人だった祖母の十三回忌で、高校生のかりんと大学生の従兄の慧は伯父から遺品のドイツ語小説を渡される。 祖母が大切にしていたという本をかりんは読んでみたいと思い、ドイツ語が読める慧に翻訳を頼む。慧はその代わり祖母の思い出のケーキが食べたいとい...
学校 ★★☆ 大人読書 ★☆☆ ドイツ人だった祖母の十三回忌で、高校生のかりんと大学生の従兄の慧は伯父から遺品のドイツ語小説を渡される。 祖母が大切にしていたという本をかりんは読んでみたいと思い、ドイツ語が読める慧に翻訳を頼む。慧はその代わり祖母の思い出のケーキが食べたいといい、お菓子つくりの上手なかりんにそのケーキの再現を頼んだ。 ドイツ語小説の主人公はロッテ。 ドレスデンの郊外キルシュバウムの女学校に転校してきたロッテは、この地に伝わる謎に大きく関わることになる。 1つ目はキルシュバウムの森が赤ずきんの舞台であり、退治された狼の毛皮が月がきれいな夜に現れるという謎。 2つ目は女学校の昔の城主の肖像画を描いた画家ルンペルシュティルツヒェンは未来を知っていて、その未来を書いた月光文書が城のどこかに隠されているというもの。 女学校の大部屋で同室の少女たちを巻き込み、二つの謎は大きな事件へとつながっていく。 舞台の中心はドイツ語小説の世界だけれど、ドイツ人の祖母が切っ掛けとなっているので現代の話が途中で差し込まれる。世界観が違う二つの物語だ同時進行するので読みにくさを感じるかもしれないけれど、最後まで読むと納得できる。 青春・推理・ファンタジー・恋愛をちょっとずつブレンドしたようなお話で、縦横の物語の糸がからまっているので、じっくり読みたい派の人にはお勧め。
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楽しかった。 面白かった。 でもそれだけじゃない。最後の章を読むときは、涙腺ゆるみっぱなしでした。 何度も読み返して、一生付き合う本になりそうです。
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歴史ファンタジーにしてタイムファンタジーの傑作。ロッテの語るところ、本当にドイツ人が書いたと言われても信じちゃいそう。まさかまさかの展開と清々しいラスト。こういう一冊に出会えるからファンタジー読むのやめられない。
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ところどころ面白くはあったのだけれど、色んな要素を詰め込み過ぎた感は否めないし、伏線は回収されたのにモヤモヤが残る。ラストは結構強引に展開した気もするし… 登場人物が多いから仕方がない面もあるのだろうが、もう少し主人公たちが魅力的であって欲しかった。全体的に薄っぺらい印象。 ...
ところどころ面白くはあったのだけれど、色んな要素を詰め込み過ぎた感は否めないし、伏線は回収されたのにモヤモヤが残る。ラストは結構強引に展開した気もするし… 登場人物が多いから仕方がない面もあるのだろうが、もう少し主人公たちが魅力的であって欲しかった。全体的に薄っぺらい印象。 厚めのファンタジーだけれど、ラノベに近いのだろうか?期待し過ぎてしまったかな。
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プロローグ 三月 丘の上の女学校/お昼寝熊さんとひらひら狼 間奏 一 五月 ドッペル……?/消えた肖像画/階段の罠 間奏 二 六月 木苺の契約/月光文書とマイセンと 間奏 三 八月 神戸から来た人形/ドレスデン滅亡/もう一つの暗号 エピローグ...
プロローグ 三月 丘の上の女学校/お昼寝熊さんとひらひら狼 間奏 一 五月 ドッペル……?/消えた肖像画/階段の罠 間奏 二 六月 木苺の契約/月光文書とマイセンと 間奏 三 八月 神戸から来た人形/ドレスデン滅亡/もう一つの暗号 エピローグ 八月の終わり ファンタジーと思ったら結構リアル。不思議な出来事もあってなかなか良い世界でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
グリム童話をもとに描く神戸とドイツの不思議な絆の物語とのこと。 神戸に住む高校生・熊丸かりんの祖母の遺品に、大切にしていたらしいドイツ語の本があった。その本をかりんの従兄・栗原慧が翻訳するという形式。 十九世紀ドイツの寄宿舎や社会の雰囲気、女性の尊厳や自由の問題、そして色濃く漂う戦争の気配。 ファンタジーで、正統派ヒーローもいて、冒険譚でもあり、と筋を追うだけでも楽しいお話なのだけれど、ちょっと立ち止まると現代の危うさに気づかされる。失ってからでは、戻ってからでは遅いのだが。 Web東京創元社マガジン http://www.webmysteries.jp/archives/31945381.html
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