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日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2023/06/25

電気産業がうまくいかなくなった原因について述べられている。 傲慢さ、デジタルの捉え方が正しくできなかった。 投資すべき時に投資に目を向けることができなかった。 終身雇用でなくなることは、安心を失うが、自由を得られるという考え方。

Posted byブクログ

2023/05/28

実体験の部分が秀逸。 第1章、2章のあたりは著者の体験からくる結論は説得力がある。 体験の断片をつなぎ合わせていくともっと大きな提言 ができる可能性もあったと思うのに惜しい。 とはいえ、記載された失敗体験には価値がある 電機産業の衰退はここにある通り複数の要因があるとは思う。 ...

実体験の部分が秀逸。 第1章、2章のあたりは著者の体験からくる結論は説得力がある。 体験の断片をつなぎ合わせていくともっと大きな提言 ができる可能性もあったと思うのに惜しい。 とはいえ、記載された失敗体験には価値がある 電機産業の衰退はここにある通り複数の要因があるとは思う。 特に大きいのは1章のニーズとシーズを見誤り続けていることにある。 アナログからデジタルへの変換は、後発企業に圧倒的に有利であり、先発企業は イノベーションのジレンマの立場に追われることになる。 先発企業の先行者優位はデメリットとなり、人件費、設備費等は、重しとなる。 市場が何を欲しているかを正確に把握しながら、後発企業の動向を注視し、開発部門や経営層へのFBを即座に行わなければならなかったのだろう。 デジタルの時代の高付加価値は求められていないと分かっていながら、社内の事情を優先してしまったことは当時でも気づいていたはずである。 機能の簡素化をしてしまうことは、開発部門としては事業の縮小を意味し、営業部門は競合会社の差別化を失うことになり、経営部門は直近の売上の減少を意味する。 それぞれの部門が部門の事情で意思決定をできなかったということであろう。 プロダクトや製品サイクルの転化が迫られている場面では、歴史のある企業や大企業の関連会社は圧倒的に弱い。守るもののないスタートアップや正しい判断の下せるトップダウン企業の方が柔軟に対応できる。その違いが出たのではと考える。 仮にデジタル化を乗り切れたとしても、磁気媒体のライフサイクルから、業界特化してダウンサイジング、もしくはM&A ハードウェア、ソフトウェア問わず隣接部門への次の種を探すといったことをしなければ、事業自体は残っていけなかったと思うので、闇は深い。 昨今、地政学的リスクや円安から半導体工場を分散化させる施策が出されている。 今度は、日本がキャッチアップする立場になる。 台湾や韓国が電機メーカーから学んでいたように虚心坦懐、市場、先発企業から学ぶ事で復活のチャンスをものにしたい。

Posted byブクログ

2023/05/25

TDKを中心に語られてるが、日本の電機産業という括りで、考察されている。というより筆者の体験によるところが多い。まぁそれが説得力でもあり、偏ってるとも言える。とはいえ、日本企業に勤める者であれば、誰しも身に覚えがあるもので、確かに、と感じつつ、後から言うのであれば何とでも言えるよ...

TDKを中心に語られてるが、日本の電機産業という括りで、考察されている。というより筆者の体験によるところが多い。まぁそれが説得力でもあり、偏ってるとも言える。とはいえ、日本企業に勤める者であれば、誰しも身に覚えがあるもので、確かに、と感じつつ、後から言うのであれば何とでも言えるよね、っていう罪も書いている。

Posted byブクログ

2023/05/23

世界に冠たる日本の電機産業。その凋落の原因を探る、シャープ、TDK父子2代の体験から考察した日本企業の失敗の本質。 昭和から平成、日本の電機産業の衰退はあまりにも顕著。筆者とその父の体験に基づき本書は原因を五つの大罪にあるとする。誤認の罪、慢心の罪、困窮の罪、半端の罪、欠落の罪...

世界に冠たる日本の電機産業。その凋落の原因を探る、シャープ、TDK父子2代の体験から考察した日本企業の失敗の本質。 昭和から平成、日本の電機産業の衰退はあまりにも顕著。筆者とその父の体験に基づき本書は原因を五つの大罪にあるとする。誤認の罪、慢心の罪、困窮の罪、半端の罪、欠落の罪そして筆者の提言。 ビジネス書はほぼ成功談というのが勝手な印象だが、本書は筆者が振り返る今となってはのターニングポイントを語る。世代は異なるが同じ時期にリアルタイムに生きていた自分にも身につまされる。 直視したくない現実。日本はこの低迷から立ち上がる日は来るのだろうか。我々世代の大きな課題。

Posted byブクログ

2023/05/18

なぜ、急にモノを作らなくなったんだろう?という疑問があったが、人手が少なくてすむB2CからB2Bに行ったらしい。 新しい技術が成功しない、Blu-ray、3Dテレビ、 GAFAのようなことは考えもつかなかった。つまりハードの世界から出られなかった。

Posted byブクログ

2023/04/25

納得だらけの本だった。TDK の光ディスク事業の売却と終息を経験し、またシャープの経営を身近で見てきた筆者だからこそ語れるリアリティを感じた。特にバブル崩壊からインターネットへの乗り遅れ、その後の「選択と集中」は、私も学生〜社会人として知っていることであり、指摘の的確さに震えた。...

納得だらけの本だった。TDK の光ディスク事業の売却と終息を経験し、またシャープの経営を身近で見てきた筆者だからこそ語れるリアリティを感じた。特にバブル崩壊からインターネットへの乗り遅れ、その後の「選択と集中」は、私も学生〜社会人として知っていることであり、指摘の的確さに震えた。私が強く印象に残ったのは、ビジョンの力である。具体的なビジョンは賛否がつきまとうが、それであっても具体的な方が魅力的だし、組織は動く。肝に命じておく。

Posted byブクログ

2023/03/22

2023年3月読了。 ここ30年で電機産業が如何にして力をなくしていったかを元TDK子会社副社長経験者が書いたもの。 内容は「失敗の本質」に近いものを感じたので、いわゆる日本的な組織が陥りやすい誤謬は一定の普遍性があるのではないかと思う。 ということで国内の、日本人がマジョリテ...

2023年3月読了。 ここ30年で電機産業が如何にして力をなくしていったかを元TDK子会社副社長経験者が書いたもの。 内容は「失敗の本質」に近いものを感じたので、いわゆる日本的な組織が陥りやすい誤謬は一定の普遍性があるのではないかと思う。 ということで国内の、日本人がマジョリティの組織で仕事をしている人ならば、まるであるあるネタを読んでいるような気がするのではなかろうか。

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2023/03/12

TDKで記録メディア事業に携わり、その後、事業売却に伴てイメーションに移った著者。シャープの役員だった父の言葉を含め、日本の電機産業の凋落について検証する。 そういえば、TDKの「超硬」というDVDを買ったことがある。TDKだから、国産だから、性能が良さそうだから、という理由で買...

TDKで記録メディア事業に携わり、その後、事業売却に伴てイメーションに移った著者。シャープの役員だった父の言葉を含め、日本の電機産業の凋落について検証する。 そういえば、TDKの「超硬」というDVDを買ったことがある。TDKだから、国産だから、性能が良さそうだから、という理由で買ったけど、これを買ったのは日本人だけだったのか。製品もガラパゴス化していたのかもしれないが、日本のお客もガラパゴスだったのかもしれない。

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2023/03/02

著者の言っていることは、業界が異なる私の実感とも一致する。最後の提言もおおむね同意できるが、まず最初にやるべきは経営者の評価でそのあとにセーフティネットの整備、規制の緩和と続かないと、これまた都合よく骨抜きにされた仕組みができあがりそうなので、もっとそこを強調した方がいいのではな...

著者の言っていることは、業界が異なる私の実感とも一致する。最後の提言もおおむね同意できるが、まず最初にやるべきは経営者の評価でそのあとにセーフティネットの整備、規制の緩和と続かないと、これまた都合よく骨抜きにされた仕組みができあがりそうなので、もっとそこを強調した方がいいのではないかと思った。けっこう根源的なのは、日本人の議論の下手さなのではないだろうか。主張と人格を切り離すこと、(自分の考える)メリットとデメリットを挙げ、メリットが上回ると考える理由を提示すること、と、重要なのはこの二つだけなのではないか。そしてこれが出来ない故に、現実の評価と対応策の評価がまったく的を得ていないことが一番の問題なのではないか、と思う。

Posted byブクログ