西太后に侍して 紫禁城の二年間 の商品レビュー
フランス人の母と清朝外交官の父との間に生まれ、西太后に仕えた徳齢の書いた本。徳齢が女官を辞め西太后の死後、辛亥革命が起こった年に出版された。他より聞くところによれば事実誤認や実際には起こらなかったことも彼女の経験として書かれており相当程度割引て読まねばならないだろうがそれでも宮廷...
フランス人の母と清朝外交官の父との間に生まれ、西太后に仕えた徳齢の書いた本。徳齢が女官を辞め西太后の死後、辛亥革命が起こった年に出版された。他より聞くところによれば事実誤認や実際には起こらなかったことも彼女の経験として書かれており相当程度割引て読まねばならないだろうがそれでも宮廷内のことは外へ漏らさないという決まりを厳しく守らせていた中国にあって日々の西太后を描出したこの著作は貴重。 歴史上では三大悪女のうちに数えられる西太后であるが、日々の生活の中でよき主人であろうとしていた気持ちが端々から感じ取れ、また徳齢もそのことを知り慈禧太后を慕っている気持ちに全編が覆われ、それがこの書を優しいものにしていると感じる。
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著者の目を通して見た当時の清の宮廷や西太后の日常が描かれており、非常に興味深い反面読み物としては起伏に乏しく退屈。 終盤、書かれている言葉とは裏腹に西太后から心が離れていく著者の様子が何となく感じられる。
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上半期一番のノンフィクションにして読み物だった。 パリ帰りで西太后に仕えた令嬢の回顧録だが、当時の清朝廷の文化や風習が克明で、着るもの食べるものという私の好物も満ち満ち。150品の食事、一日何度もの着替えとその都度のアクセサリー選び、謎のしきたりに女同士、また宦官から受ける嫉妬…...
上半期一番のノンフィクションにして読み物だった。 パリ帰りで西太后に仕えた令嬢の回顧録だが、当時の清朝廷の文化や風習が克明で、着るもの食べるものという私の好物も満ち満ち。150品の食事、一日何度もの着替えとその都度のアクセサリー選び、謎のしきたりに女同士、また宦官から受ける嫉妬…。大奥だぜー。 かなりワガママで難しい西太后というばあさまに、忍耐と機知でもって接し、お気に入りの女官になった主人公・徳齢だが、2年ほどの職務の後はまた海外に出、この手記をものして自らプリンセスと名乗り豪奢な生涯を送ったそうで、心からのもののように描かれる西太后への慕情は果たして心からのものだったのか、などなど、後々まで考えて楽しめる。
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たまたま並行して読んだ「地図と拳」で中国三昧の読書になりました。 この本を読むまで、西太后という人がどんなに歴史に影響を及ぼした人が忘れていた。 大国である清の宮廷がどんなだったか興味を持ったのですが、筆者の徳齢と西太后そして清の皇帝やその人事を大変興味深く読みました。 日清戦...
たまたま並行して読んだ「地図と拳」で中国三昧の読書になりました。 この本を読むまで、西太后という人がどんなに歴史に影響を及ぼした人が忘れていた。 大国である清の宮廷がどんなだったか興味を持ったのですが、筆者の徳齢と西太后そして清の皇帝やその人事を大変興味深く読みました。 日清戦争で日本がなぜ勝利できたか、その賠償金で次に向かったこと、諸外国が中国との貿易で得たもの。史実とは異なった平和と共同で進む道はなかったのかと残念に思う。 それにしても戦争の予算よりも西太后の予算が多く優先順位も高いとは、どうかしているとしか思えない。ホントか嘘か妃殺しや、朝鮮の閔妃事件など、この大陸は賄賂と寝返りが染み付いているとしか思えない。
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