海よ光れ! の商品レビュー
5.6年。2024読書感想文高学年。 岩手県にある大沢小学校では、毎年受け継がれていることがある。それは、全校表現劇の海よ光れと、小中学校新聞コンクールの海よ光れだ。津波の災害を乗り越えた地域の力を表す劇と、子供達の丁寧に熱い想いを映した新聞が、あの東日本大震災の後、子ども達なり...
5.6年。2024読書感想文高学年。 岩手県にある大沢小学校では、毎年受け継がれていることがある。それは、全校表現劇の海よ光れと、小中学校新聞コンクールの海よ光れだ。津波の災害を乗り越えた地域の力を表す劇と、子供達の丁寧に熱い想いを映した新聞が、あの東日本大震災の後、子ども達なりにできることを一生懸命に取り組む姿勢に繋がり、被災者を支える強い力になったお話。 大人は大人の、子どもは子どものパワーを持ち、お互いに励まし合えるそんな姿が描かれる。
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2024年読書感想文コンクール課題図書 高学年 https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html 東日本大震災の避難所となった岩手県山田町の大沢小学校を追ったドキュメンタリー。 まずは大沢小学校で行われている二つの「海よ光れ」という取り組み...
2024年読書感想文コンクール課題図書 高学年 https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html 東日本大震災の避難所となった岩手県山田町の大沢小学校を追ったドキュメンタリー。 まずは大沢小学校で行われている二つの「海よ光れ」という取り組みが紹介される。 一つは、一年生から六年生まで全員参加で毎年同じ脚本で演じる全体劇「海よ光れ」。山田町の歴史や代々語り継いだメッセージが含まれ、江戸時代の津波のことも題材となっている。 もう一つは、学校新聞の題名が「海よ光れ」で、毎年全国学校新聞コンクールで受賞している。 そして震災の日。 高台にあった大沢小学校の児童は全員無事だったが、その高台から海辺の家が流される様子を目にして、そして漁師の父や叔父さんたちの無事も分からず児童たちは不安がる。 そこで先生は湧き水で顔を洗い(水道は止まっているが、湧き水は出ている)、校庭で体操をすることから児童が閉じこもってしまうことを防ぐ。 学校の先生って本当に尊敬します。 それから先生たちは児童に「自分に何ができるのか」を考えるように提案する。そこで子供たちは学校新聞「海よ光れ」を作り、学校だけでなく復興に歩みだした町にも貼ることにした。 新聞の内容は、まずは避難所で炊事掃除など自分ができることをやる人への紹介や感謝を伝えること。この避難所はお互いに炊事や掃除や縫い物などできることを助け合って運用していったが、その頑張りを新聞で伝えることにより「自分のことをわかってくれた」「みんなもがんばっている」ことが伝わる。 そして日本全国から届いた励ましの手紙を紹介すること。情報が限られる被災地で、日本全国からの声を町に紹介することで町の元気に役立っていった。 実際に当時作った新聞の写真も載っているが、子供たちによる「がんばろう大沢」の文字が強い意志を感じる。 本当に素晴らしい本だった。 子ども目線で「自分に何ができるのか」として「人に感謝すること、元気にすること」を挙げて、新聞によりそれを広めていく。 人間の力、そして言葉の力、大勢に伝えることができる新聞というものの力を感じた。 残念ながら大沢小学校は児童減少により2019年に閉校となり、二つの「海よ光れ」も終わってしまった。 この本の刊行に際して特別に集まった当時の児童たちによる「海よ光れ 特別号」も付いています。
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2024年度課題図書 高学年の部 あのときのことを思いだすのがしんどかった。わたしは当事者なので。 でも、いまの小学生は、東日本大震災を知らないのだ。子どもたちに伝えていくというのは、大事なことなんだろう。 あのときの辛かったこと、不安だったこと、そんななかでも、助け合って、立...
2024年度課題図書 高学年の部 あのときのことを思いだすのがしんどかった。わたしは当事者なので。 でも、いまの小学生は、東日本大震災を知らないのだ。子どもたちに伝えていくというのは、大事なことなんだろう。 あのときの辛かったこと、不安だったこと、そんななかでも、助け合って、立ち上がったこと。とてもよく伝わる良い作品でした。
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体験した人にしか分からない混乱と不安の中で、自分たちに出来ることを探した子どもたちの姿は大人たちを励ます。
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『温故知新3.11 #8(最終) ノンフィクション』 ー田沢五月さん『海よ光れ! 3.11被災者を励ました学校新聞』ー 本シリーズ最終は、ナント新刊本! それも児童向けノンフィクションです。 皆さん! ぜひぜひぜひ読んでみてください! 大沢小の子...
『温故知新3.11 #8(最終) ノンフィクション』 ー田沢五月さん『海よ光れ! 3.11被災者を励ました学校新聞』ー 本シリーズ最終は、ナント新刊本! それも児童向けノンフィクションです。 皆さん! ぜひぜひぜひ読んでみてください! 大沢小の子どもたちの、なんと〝めんこい〟こと〝めんこい〟こと! 余りにめんこくて絶対に涙がちょちょぎれます! 本書の表題にもなっている「海よ光れ」は、大沢小の二つの大きな伝統の象徴でもあります。 一つは全校表現劇の名称、もう一つが児童会執行部がつくる学校新聞の名称です。 子どもたちの取り組みの詳細は、ぜひ本書を読んで確認し、感心しながら感動を味わってください。 この二つが地域に浸透し、学校と地域が互いに支え合う良好な関係が築かれているのが伺えます。 残念ながら少子化の煽りを受け、大沢小は2020年3月に閉校しました。巻末にはコロナ禍で作られた最後の学校新聞「海よ光れ」が載っています。 さらに、本書に三つ折りの挟み込みで入っている「号外 海よ光れ」。内容は、震災当時5・6年生だっ子たちが今23・24歳となり、彼らからのメッセージです! その「号外 海よ光れ 三陸で育った大沢の子から読者の皆様へ」から伝わる大人になった彼らの言葉に、また胸熱で目にゴミがいっぱい入りました(;_;) まさしく、大沢小は地域に根ざした学校の理想ともいえる姿でした。ずーっと語り継がれるべき内容でした。全国的に進む学校の統廃合による画一化へ大きな提言にもなり得る気がします。こうした学校がなくなっていくのは全く寂しい限りです。 「温故知新」のシリーズ最終本に相応しい一冊だったと、自画自賛しながら企画を閉じます。ありがとうございました。 (閉じたのに余談です) 実は、2012年毎日新聞社発行の『震災日記 津波に負けない 大沢の子どもたちが綴った3・11からの一年間』を数年前に読了し、痛く感銘を受けていました。 小学生とは思えないほど視野が広く、(憐れみなどではなく)言葉が深く読み手に伝わりました。 今にして思えば、低学年から個人新聞に取り組んだり、日記や全校劇による表現活動が、大沢小の子どもたちの〝言葉の力〟を育んだのでしょうね。
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擦れ切った大人の雑な関心で読んだんですが、子供たちが立派になった様子を明かす最新の新聞は感涙ものだったし、10年たった今だから書けるもの、今でも書けないものも感じる内容でよかったです。当時取材が殺到したという話は特に背後にある書けないものを感じた。
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