流人道中記(下) の商品レビュー
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おぉっと、青山玄蕃、そうなのか!その生い立ちにびっくりしました。 けど、敵討がなしになったり、青山が家臣や家族諸共路頭に迷うことを承知の上で、上役の非道に黙って逆らわなかったり・・・。で、一体彼らの何が護られているのか、青山や石川みたいに器の大きくない私には、どうしたって釈然としない。
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読み始めは、正直玄蕃様を好きになれなかった。善人であるのは分かるけど、自分の中で「この人は破廉恥漢である」とレッテルがあったためだ。しかし、読み進めていくと本当は破廉恥漢で無く、「青山」という長年続いてきた武士の歴史を終わらせるために罪を被り、自ら贄となったと知った。私は胸の奥が痛く、レッテルを貼っていた自分を恥ずかしく思えた。 心に残ったフレーズは 「礼があり、それから法ができた」 好きなシーンは ①押送最終日、玄蕃が乙次郎の服を洗ってくれていた。 玄蕃「全く仕様のねえお与力様だの。ほれ、着替えろ。夜なべで洗うて火熨斗(ひのし)を当てておいたぞえ」 乙次郎「誰が。どうして、どうして」と袖を掴んだまま泣いているシーン ②観音様に願うシーン 玄蕃「何を願ったのだ」 乙次郎「あんたが無事に帰れますよう、南無観音様」 玄蕃「乙次郎。俺は勝手をしたか」 いや、と言いかけたが言葉にならなかった。僕は非を決したまま泣いた。父を送る子と同じように。 ③別れのシーン 玄蕃「ここでよい。苦労であった。」 立ち塞がるようにして玄蕃は言った。取り乱す僕を見兼ねたに違いない。 乙「いいえ、玄蕃様ー」 初めて名を呼んだ。僕にとってこの人は、決して流人では無い。立ちこめる霧を腹いっぱいに吸い込んでから、僕は陣屋に向かって進み出した。 「新御番士青山玄蕃頭様、ただいまご着到にござる。くれぐれも御無礼なきよう、御案内下されよ」 僕は踵を返して歩き出した。すれ違う一瞬、玄蕃はにっかりとほほえんだ。
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翌日の休みをいいことに遅くまでかかって読了。 これでは明日の瞼は腫れ上がっていることだろう。 下巻。 松前藩預かりの身の罪人、青山玄蕃との二人旅。 下巻も上巻同様に、運命に翻弄される人が登場する。 玄蕃は、関わりを積極的に持とうとする。 石川乙次郎は最初は理解できなかったが次...
翌日の休みをいいことに遅くまでかかって読了。 これでは明日の瞼は腫れ上がっていることだろう。 下巻。 松前藩預かりの身の罪人、青山玄蕃との二人旅。 下巻も上巻同様に、運命に翻弄される人が登場する。 玄蕃は、関わりを積極的に持とうとする。 石川乙次郎は最初は理解できなかったが次第に、その真意を理解しようと考えを深める。 玄蕃がのちに語るように、立派な武士が登場する。 外見ではなく、人をよく見、理解しようとする人格者だ。 最後は、玄蕃はことの真相を乙次郎に告げる。 作者は本来なら一気に語らせようとは、したくなかったのでは?だが長さにも色々事情が計られる。 武士たるものに疑問を持つ貧民出の玄蕃。 とても感動して涙を止められなかった私だが、冷静に振り返ると、少々力技の下巻であったように感じる。 あとがきの女優の杏さんの文章もいい。
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「武士とかクソだし、固執するのもクソだからとりあえず家つぶすわ」ってことでいいんだろうか? 私も乙次郎と同じで、もう少し他にやりようはなかったのか、と思うんだけど、300年ですっかり膠着してしまった世の中では無理か…となった。 玄蕃も気になるけど、乙次郎が江戸に帰ってどうするかが気になった。(というか玄蕃いなくてちゃんど江戸まで帰れるんだろうか…) あともう少しで幕末だ!頑張れ!とナゾのエールを送りたくなったw
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「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」。流人・青山玄蟇と押送人・石川乙次郎は欧州街道の終点、三厩を目指し歩みを進める。道中、様々な人々と出会い、ある思いが二人を包み込む。玄蟇の抱えた罪の真実。武士の鑑である男がなぜ、恥を晒してまで生きねばならなかったのか、その理由が此処に・・・。
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時代ものなので、読む前は勧善懲悪、痛快時代小説の類いかと思った。 しかし、なんとか知恵を働かせて、無実の子を救うのかという勝手な想像が見事に裏切られた時点で、そんな安易な内容でないことを思い知った。 時代小説の様相で、ヒトの懊悩を描いてくれていた。
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最後の場面で押送人石川乙次郎が流人青山玄蕃の名前を初めて呼ぶところでもう涙が止まらなくなってしまった。
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結局は身分、立場関係なくいつの時代もみんな悩みながら生きているという感じかな。 今と違うのが、そこに命が関わっている、というところ。 玄蕃はカッコいい。私の中ではずーっと「おでん様」で再生されてた笑 乙さんも最後にはちょっと成長した感じだし。 これから幕末→明治と2人はどうな...
結局は身分、立場関係なくいつの時代もみんな悩みながら生きているという感じかな。 今と違うのが、そこに命が関わっている、というところ。 玄蕃はカッコいい。私の中ではずーっと「おでん様」で再生されてた笑 乙さんも最後にはちょっと成長した感じだし。 これから幕末→明治と2人はどうなったのかな?そんな話しも読んでみたい。
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奥州街道を北へと歩む流人・玄蕃と押送人・乙次郎。旅路の果てで語られる玄蕃の罪の真実。武士の鑑である男はなぜ、恥を晒してまで生きたのか?〈解説〉杏
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