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生きづらさについて考える の商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

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2024/05/23

 内田さんの書かれたものを読むと、どこかで同じようなことを言われていたなあと思うことが多いのだが、でも読んでいて面白い。  本書では時事ネタが多く取り上げられているが、それらについて書かれた文章は、ともすると後になって読むと古いと感じることも多いのだが、そんなことはない。ある出...

 内田さんの書かれたものを読むと、どこかで同じようなことを言われていたなあと思うことが多いのだが、でも読んでいて面白い。  本書では時事ネタが多く取り上げられているが、それらについて書かれた文章は、ともすると後になって読むと古いと感じることも多いのだが、そんなことはない。ある出来事や事象の奥にある真の問題点にまで内田さんの考えが届いている上に、それを納得させる文章術の妙があるからこそ、今でも興味深く読ませるのだと思う。  また、これは不幸なことではあるのだが、本書のタイトルの「生きづらさ」が、今も大きくは変わっていないことにも拠るのだろう。例えば、本書では安倍政治への批判的文章がある。その安倍さんは亡くなった。しかし、いわゆる安倍政治的な政治は、今の自民党政権下変わらず続いている。それが問題だ、変えようという動きも、政界からも国民からも大きくは出てきていない、例えばそんな状況。  あるいは、公共的なものがどんどん減って、至るところどれだけ儲かるで考えるようになってしまっている状況(都市の再開発はもとより、教育、医療の分野まで)。     グチばかり言っていても仕方がない。自分のできることを、少しずつでもやっていくしかない。.

Posted byブクログ

2024/03/20

政治について語る時、悪い面ばかりが語られるけど、結局政治をしてるのも人間なので、半分くらい無視してあげてもいいんじゃないかなと最近は思います。今の日本で若者が生きづらいのと同じように、政治家も政治しづらいんじゃないかな そうは言っても、内田樹さんの言っていることは結構好きで、私...

政治について語る時、悪い面ばかりが語られるけど、結局政治をしてるのも人間なので、半分くらい無視してあげてもいいんじゃないかなと最近は思います。今の日本で若者が生きづらいのと同じように、政治家も政治しづらいんじゃないかな そうは言っても、内田樹さんの言っていることは結構好きで、私も社会的共通資本は株式会社化せずに、みんなで運営している感じを出した方がいいと思っています。 とは言っても、自分ごとにして運営するのって、無くならないと多分わからなくて、今当たり前に享受できてるものに主体的に関わる、もしくは感じるって、普通はできないかなって思います。 だから、小さなコミュニティ、自分ごとにしやすい範囲ってのが大事かなと思うと、政府がやることって自ずと決まってきたりしないかな、と妄想するも、私もまだ深くは考えられておりません。 あと、インフラコストを下げるためのコンパクトシティ化は、コストとサービスの充実とかを考えると分かるけど、日本全体をどうしたいって考えた時にコンパクトシティってどうなの、って思うので、内田樹さんが本書で言っていた、結局、都市部に流れてくるしかない、という話は放置できないなって思いました。 公共を自分たちで作る この考えでコミュニティを考えていきたいと改めて思いました。 あと、韓国の教育が民主化されている話も興味深かったです。教育という社会的共通資本は民営化して株式会社的に効率を求めない方がいいけど、韓国は民意主導で教育改革を進めていて、なんか日本より自主性を重んじている教育になってそうな気がしました。やっぱ教育って、専門的な知見もあるんだろうけど、人間としての直感的な正しさみたいなものもみんな持ち合わせているのかな。 最近、おやこ劇場というサークルに入ったのですが、1970年くらいから続いてるみたいで、教育の根底ってやっぱりあまり変わらないのかもしれないなって思いました。 自分の頭で考えて、自分の人生を歩める人になる。他者に振り回されない。私の人生を歩む。 アドラー心理学で教えてもらいました。 私はなーんにも考えずに、社会のステータスばかり考えて生きてきてしまったな

Posted byブクログ

2024/02/04

取り扱うテーマは、先行き真っ暗な日本の現状なんだけど、語り口が軽快で、面白く読める。 内田節で語る日本人の国民性も、 そうかもとちょっと納得させられる。 度重なる不祥事は、壊滅するまで止められないのは日本人の特徴から。 日本教育が量産した上位下達のイエスマン。 自民党が国...

取り扱うテーマは、先行き真っ暗な日本の現状なんだけど、語り口が軽快で、面白く読める。 内田節で語る日本人の国民性も、 そうかもとちょっと納得させられる。 度重なる不祥事は、壊滅するまで止められないのは日本人の特徴から。 日本教育が量産した上位下達のイエスマン。 自民党が国民の政治無関心を意図的に築き上げたという自説。 教育投資少なすぎて、論文出稿数も先進国最下位、これに叱咤してるのは、日本じゃなくて、アメリカや英国だとか、、

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2023/10/02

内田樹先生の本をやっと初めて読んだ!納得いくものが多かったし、何よりあとがきが良かった!  他の本も読んでみたい。

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2023/08/02

本書は現代社会に蔓延する「生きづらさ」を緩和するために、政治や教育における最善の選択肢を提示し、想定されうる暗い未来について思考が停止する日本の国民性については批判的に書かれている。本書では「生きづらさ」を、自分の機嫌が損なわれる場所にいることで起こる心身の不一致と定義している。...

本書は現代社会に蔓延する「生きづらさ」を緩和するために、政治や教育における最善の選択肢を提示し、想定されうる暗い未来について思考が停止する日本の国民性については批判的に書かれている。本書では「生きづらさ」を、自分の機嫌が損なわれる場所にいることで起こる心身の不一致と定義している。本書では「生きやすさ」について直接語られることはない。なぜなら文中で列挙されていた「生きづらさ」やその要因を再考し、解消していくことで、心身のズレが修正され、自由度が増し、その結果生きやすくなるという筆者のメッセージだからである。そして我々は後の世代へ「生きづらさ」を残してはいけない。

Posted byブクログ

2023/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

めちゃめちゃ面白かった。 時事系のエッセイを読むのは初めてな上、トピックは2018年ごろのものが多く若干古かったが、どの章も楽しんで読むことができた。 筆者の語り口がとてもロジカルで冷静であることが特に印象的だった。全体的に内容は暗く、日本に対する警鐘を鳴らすものが多かったが、特に筆者が悲観的な見方をしてるわけではなかったので、日本の将来に正しく危機感が持てたと思う。 他の著作も読んでみたいととても思った! 【余談】『トップガン』を見て、(1986年、戦後40年しか経ってない時期によくこの映画が日本で流行ったな…)と思ったことがあるが、この本のあとがきを読んで、その理由が分かった。

Posted byブクログ

2023/05/24

学生時代、政治社会学やガバナンス、政治思想哲学だとかに関心があって、内田先生の『ためらいの倫理学』を読んだ。 その本が面白かったのと、本書の帯の紹介文にそそられて買った一冊。 自己啓発本は苦手だけど、「風」なタイトルなだけで、実際の内容は現代政治思想史に近いかなと思った。 雑誌...

学生時代、政治社会学やガバナンス、政治思想哲学だとかに関心があって、内田先生の『ためらいの倫理学』を読んだ。 その本が面白かったのと、本書の帯の紹介文にそそられて買った一冊。 自己啓発本は苦手だけど、「風」なタイトルなだけで、実際の内容は現代政治思想史に近いかなと思った。 雑誌や新聞への寄稿を集めて一冊の本にしているもので、明確な起承転結があるわけではない。 気に入った文をまとめておく。 P222-223 〈生き延びる方途は皆さんが自分で見つけるか、創り出すなりするしかない。 (中略) そして、その選択の成否については自分で責任を取るしかない。誰も皆さんに代わって「人生の選択を誤った」ことの責任は取ってはくれません。〉 p260-261 〈人は誰も平等であるべきですけど、その理想を実現するためには「自分には他の人よりも多くの責務がある」という自覚を持つ人間が要る。貴賤の差のない世界を実現するためには「ノブレス・オブリージュ(高貴であることの責務)」を感じる人が要る。自分には他の人より多くの責務があると感じる人がいなければ、この社会を住みやすいものにすることはできません。〉 p280-282 〈人間が「落ち目」になるのは、単に金がないとか、健康状態が悪いというような理由からではない。これからどう生きればよいかわからなくなったときに、人間は毒性の強い脱力感に囚われる。 ・・(中略) ・・ 日本が「落ち目」になったのは個人の努力と国力の向上を結び付ける回路が失われてしまったからである。 ・・(中略) ・・ 日本が「落ち目」だということについての国民的合意が形成され、なぜそうなってしまったのか、そこからの回復の方位はありうるかについての自由闊達な議論が始まらない限り、この転落に歯止めはない。〉 p285-286 〈日本人にとって、気が楽になるとか、心持ちが落ち着くとか、肩の荷が下りた気がするとかいうのは「自由を達成した」からではないんです。すべての外的な干渉を退けて、自分の思いの通りのことを実践するということを日本人はほんとうは望んでいない。それよりは、ほっとしたい、気楽でいたい。 集団のなかにいると、さまざまな相互に矛盾したり対立したりする要請を調整しなければならないということがあります。それがうまく折り合って、「落としどころ」に話が落ち着いたときに、日本人は解放感と達成感を覚えます。 (中略) もろもろの干渉が相互に相殺さらて、一種の「ニュートラル」状態を達成したときに、日本人はなぜか深い満足感を覚える。これはどう考えても、ヨーロッパ的な「自由」とは似ても似つかぬものです。〉 p289-290 〈「相容れない立場をなんとか折り合わせる能力」こそが列島住民が生き延びるために優先的に開発してきた資質なんですから。列島民たちはそういう生存戦略で2000年くらいやってきたわけで、いまさら変えろといわれても無理ですよ。 (中略) 日本人は「調和」のうちに安らぐことを、ヨーロッパ人が「自由」のうちに安らぐことを求めるのと同じくらいに切実に求めているのであって、それはそれで一つの「種族の文化」だと僕は思っているのです。〉 なにかを悲観するにしても楽観するにしても 自分自身が立つ場所の背景や特性を理解した上で、思い至りたい。 そう強く思った一冊。よかった。

Posted byブクログ

2023/03/20

心に刺さる言葉が散りばめられている本。生きづらい(このままでは嫌な)社会だと思っているが、なぜ日本がそのようになってしまったのか、生きづらさの正体とは何なのかが、納得させられる文章で説明されていた。わたしが抱いている違和感は、こういうことだったのか、そしてこの違和感を感じているの...

心に刺さる言葉が散りばめられている本。生きづらい(このままでは嫌な)社会だと思っているが、なぜ日本がそのようになってしまったのか、生きづらさの正体とは何なのかが、納得させられる文章で説明されていた。わたしが抱いている違和感は、こういうことだったのか、そしてこの違和感を感じているのは私がいけないのではななかったんだと思わせてもらった。本を読むことは世の中を知ることにつながり、視野が広がることを実感した。もっともっと沢山の本を読もうと思えた。

Posted byブクログ

2023/02/24

サンデー毎日の政治に関する連載のまとめ。政治に関するコラムなので、時事的には少し古いものもあるし、情勢予想として外しているものもあるのだけれど、根本にある日本政治の問題点に関する指摘は今でも通じる。 大して変革もせずに古い制度にしがみつき、かつジリ貧になるなかで、少しでも得しよう...

サンデー毎日の政治に関する連載のまとめ。政治に関するコラムなので、時事的には少し古いものもあるし、情勢予想として外しているものもあるのだけれど、根本にある日本政治の問題点に関する指摘は今でも通じる。 大して変革もせずに古い制度にしがみつき、かつジリ貧になるなかで、少しでも得しようという感覚に溢れた現代社会。株式会社化が社会の全面に渡って展開され、学校、大学、行政、地域社会が効率を重視して運営されている。結果として日本の基礎体力を奪い続けている。日本はストックで食べているところが大きいと思うけど、そろそろそのストックも尽きてしまう。 何とかしなければいけないのだけれど、簡単な解決策に飛びつかず、一歩ずつやっていくしかないんだけど。 最後にミス・マープルが家から出ずに自分の記憶や周囲の人間関係からのアナロジーから行う推理方法こそが新たな発見のためのキーという話は面白い。一見関係ないところに関係をつくることで知的衝撃が走る。意識して考えてみたいと思う。

Posted byブクログ

2023/02/15

2019年に発刊された単行本の文庫化本。特に三年前という感覚を持たずに読めた。 生きていく上で、究極は利己的なんだろうな感じているが、それではいけないなぁと思った。残りの生き方を真剣に考えてみよう。

Posted byブクログ