さいはての家 の商品レビュー
色々な事に行き詰まった人達が何故か住み着く古い借家。理由があり逃げてここに来るのだ。不思議な少し暗い連作の短編集。それぞれ違う内容だが、何かから逃げている。この借家にひと時を過ごし又、去って行く。不思議なストーリー。
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※このレビューにはネタバレを含みます
全て同じ老人ホームに隣接した家の話で、さらにそれぞれ何かから逃げてきた住人の話。 最初の話は哲学的な導入であったのだが、そのまま進んでいくのかと思いきや徐々に不穏な空気でフェイドアウトしていく。そしてその不穏な空気感がどこか癖になってしまう、彩瀬まるワールドとも言うべき世界観。その後の話も、どこか不穏な空気をはらみつつ、最終的には住人の色々な感情、狂気・悲哀・絶望・ほんのわずかな希望をその家に置いて、住人たちは去っていく。 実に不思議な世界観であったが、あっという間に読み終わっていた。 これを読んでいる最中は、ずっとショパンの「雨だれ」が頭の中に流れていた。穏やかな日常に、時々訪れる不穏な空気や恐怖がリンクしていてBGMとしては大変よかった。
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ひとつの家を舞台にした、少しホラー強めの短編集。なかでも、はねつきは暴力性とホラーと美しさとが同居していて、のめり込んだ。
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軽い気持ちで読み始めたら、想像以上に重い雰囲気が漂う作品でした。動植物や老いゆく人々の描写も、なんだか不気味さを孕んでいます。人間の中におちる影がテーマでしょうか、、光が恋しくなる本でした。
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わけあり5つの人生それぞれに、暗さがつきまとうが、先を読みたくなってしまう。 最後の「かざあな」を読んで希望を見出すことができた。 人生、きれいごとだけではいかないので、色々と考えさせられた。
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私は単純な人間なので、 そんな私は、やっぱりハッピーエンド、というか、この先に、何かしらの希望が期待できるような話が好きなのかもしれない。 この短編のなかでは、唯一、姉妹の話だけが私にはそう感じられて。 他の話は、このあとはあまりいい未来が待っているようには感じられなくて、読んで...
私は単純な人間なので、 そんな私は、やっぱりハッピーエンド、というか、この先に、何かしらの希望が期待できるような話が好きなのかもしれない。 この短編のなかでは、唯一、姉妹の話だけが私にはそう感じられて。 他の話は、このあとはあまりいい未来が待っているようには感じられなくて、読んでいてあまり楽しくなかった。
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人生が谷間に落ちた人達がたまたま出会うのがこの家で、山まで這い蹲るきっかけを与えてくれるのもこの家なんだな 私も逃げたくなった時の居場所が欲しい
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初読み作家。5話連作短篇集。 古い借家には、安住の地を求め、ワケありの人たちが移り住んでくる。 家庭がある年上の常連客と駆け落ちした女。新興宗教の元教祖など。 話始めは明るい兆しを感じるが、読み進めると胸がざわつき、落ち着かなくなってくる。 その家には、今までフタをして直視し...
初読み作家。5話連作短篇集。 古い借家には、安住の地を求め、ワケありの人たちが移り住んでくる。 家庭がある年上の常連客と駆け落ちした女。新興宗教の元教祖など。 話始めは明るい兆しを感じるが、読み進めると胸がざわつき、落ち着かなくなってくる。 その家には、今までフタをして直視してこなかった本来の自分を、浮き彫りにする魔物が住んでいるのかも⁈ 大家さんや、隣の高齢者ホーム、不動産屋の真っ当さと明朗さとの対比がおもしろい。南向きの明るい庭が、逃げてきた現実と向き合う光となっているように感じた。『ままごと』が1番好み♡
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綾瀨まる先生らしい,雰囲気のある5編からなる短編集.すべてハッピーエンドとはならないモヤっとした終わり方だけど,そこがいい. はねつき:結局.ずるい男だったというお話. ゆすらうめ:後日談を想像してしまう.清吾はどう感じたのだろう. ひかり:そんな便利な能力があればいいのだろう...
綾瀨まる先生らしい,雰囲気のある5編からなる短編集.すべてハッピーエンドとはならないモヤっとした終わり方だけど,そこがいい. はねつき:結局.ずるい男だったというお話. ゆすらうめ:後日談を想像してしまう.清吾はどう感じたのだろう. ひかり:そんな便利な能力があればいいのだろうけど,すべては老女の勘違い・思い込みだったのだろうか. ままごと:朔ちゃんはまだ大学生なのだから,悲観することはない.これからだんだん見分けられるようになっていくよ. かざあな:「背中で~泣いてる~,お~とこの~美~学」なんてものを勘違いしていると病気になるという話(ちょっとちがうか?). 「ゆすらうめ」と「かざあな」が好きかな.
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何かに行き詰まった人が流れ着いてくるある家が舞台の連作短編集。 終わりの空気感を描くのが本当にうまい作家さんだなぁ。誰もが持つ自分の内側の暗い部分が丁寧に描かれてざわざわした。 あと、たびたび出てくる場面の庭からの光が入ってきたときの描写がすごい。頭に映像として浮かぶのは文章力が...
何かに行き詰まった人が流れ着いてくるある家が舞台の連作短編集。 終わりの空気感を描くのが本当にうまい作家さんだなぁ。誰もが持つ自分の内側の暗い部分が丁寧に描かれてざわざわした。 あと、たびたび出てくる場面の庭からの光が入ってきたときの描写がすごい。頭に映像として浮かぶのは文章力がすごいからなんだろうな。 時系列に並んでると思ったらそうじゃなかった。 「ままごと」が一番すき。
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