ネット右翼になった父 の商品レビュー
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生前に叶わなかった親子のコミュニケーションについて詳しく考察されていた。 著者がここまで父親の言動を検証することになった理由の一つは、自分の父が晩年ネット右翼になってしまったという趣旨の記事をWebメディアに寄稿したことにあると思う。 その後もしかしたらそれは違っていたのではと考えはじめると、あの寄稿をそのままにしておけなかったのではないか。 威圧的な親と繊細な子供の組み合わせというのはやっぱり相性悪いと思った。 もしこの父親にタフなタイプの子供だったらまぁまぁ上手くいったかもしれない。 でも大人として、その子の必要とするものを与えられなかったという点は父親に責任がある。 必要としているものに結構な個人差がある所が難しいんだろうなぁ。 あと、何がどの位傷付くかという部分も個人差が激しそう。
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自分が何色の眼鏡をかけているのかよく理解したほうがいい。理解できる機会をできるだけ増やした方がいい。
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友人に勧められて読んだ一冊。私的には新書大賞。 本作は「ネット右翼になった父」に拒否反応を抱えながら看取ったルポライターが、父の死後、父は「ネット右翼だったのか?なぜそうなったのか?」を丁寧に紐解いていくそのプロセスが描かれている。 まず最初に一言書くとすると、「これ私じゃん」とめちゃくちゃ思って、共感の嵐だったことが、大きい。 父は存命で、ネット右翼でもなさそうなのだが、まさに「父親とコミュニケーションが取れない、何を話せばいいのかわからないといった問題」に直面している。 その一部は、父親の価値観というものが、私にとって許容できないものである場合、作者と同じく、その皮下に何があるかを紐解く前に、アナフィラキシーを起こしているということが言語化されて分かった。 本当に作者の言葉がこんなにも刺さること、なかなかなく、「わかる…」となっていた。 特に最後の章の「邂逅」内にて記されている、「触れているか」「染まっているか」を見極める、「相手がネット右翼化したと感じられる原動を調査」、そうして「分断の解消は相手が生きているうちに」というのがいやそうだよな…となるし、そのプロセスを提示してくれているのは、再現性という意味でとてもありがたい。 折を見て読み直したい一冊、折を見て人に勧めたい一冊
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新書大賞に名前が挙がっていたので手に取ってみた タイトルからネット右翼を分析・批判した本なのかなと思っていたが、読んでみると全く違った。 年老いて、ファビョるやパヨクといったネット右翼的言動が増えた父に対して生理的嫌悪感を抱き、心を閉ざしてしまった著者。 父の死後、父と改めて向きあう中でネット右翼から家族の在り方まで問い直すハートフル?な一冊だった。 ネット右翼に関する本は読んだことがなかったので、初めて知る内容も多くおもしろかった。各世代で見てきた時代が違い、それによって感じ方や考え方が変わる。言われてみれば当然のことなのだが、なるほどと思わされた。 一方で、父はネット右翼でないことを願う気持ちが先行している感は否めないと感じた。さすがにベッドで桜チャンネルエンドレスはアウトな気がするのだけれど...。これも認知バイアスかかってるのか? 著者が行っていた嫌悪感をきっかけとして認知バイアスをあぶり出す、ひいては自己を分析をするというのはとても共感できた。 実は少し前から、私と思想が正反対の人の本を読むことが気に入っている。本を読んでいて何言ってんだこいつと思うと少し嫌な気分になる。そこにはある種の嫌悪感や怒りがあって、決して心穏やかではない。しかし、相手は本なのでケンカにはならない。言い返すこともできず著者の思想を浴び続ける。その中で内省すると譲れない、自分の思想のコアとでもいうようなものを見つけることができる。本著の大筋とは離れるが、私に似た方法を著者の手で文章化することで、私にとっては大きな学びとなった。 もう数年実家と連絡とってないけど、お父さんに会いに行くか悩むね。
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友人の友人からのおススメで読んでみました。 予備知識なしで手に取りましたが、タイトルから「父親がネット右翼になって、電脳世界で暴れた話」と想像しましたが、違いました。 著者(息子)は、会うたびに右翼が使う言葉を連発する父親に怒りを爆発させるものの、父親は病死で他界。 ...
友人の友人からのおススメで読んでみました。 予備知識なしで手に取りましたが、タイトルから「父親がネット右翼になって、電脳世界で暴れた話」と想像しましたが、違いました。 著者(息子)は、会うたびに右翼が使う言葉を連発する父親に怒りを爆発させるものの、父親は病死で他界。 以前はしっかりしていた父親だったのに、と思うやるせない著者は、どうして父親が右傾化していったのかを探っていくという話でした。 父親を切り捨てた息子が、父の死後、ようやく彼を理解する、という、親子の絆の話を軸に展開していきます。 私は、右とか左とかがよくわかっていなかったのですが、商業右翼コンテンツなどを改めて示されて、「あ、アレか」とわかりました。 また、なるほど! と思ったことは、年代と世代の違い。 難しい文章が読みにくくなり、新しい考えが入ってこないのに、世の中はどんどん変わっていく。新しい情報を取り入れて理解する機能が低下するのが「年代」。 私の父親は80に近いのですが、たぶん、価値観のブラッシュアップが難しい年代。 昭和時代の「男は強く、女を守る」的な騎士道精神の古いタイプのフェミニストや、パンアジア観をもつのが「世代」。 「女はつつましくあれ」という、いまならNGのジェンダーを信じているのが世代となります。 ロールモデルも違う若い世代から見たら、シニアたちは右傾化していると見えるかもしれない。 でも、シニアたちは、それで教育受けてるからね。 いろいろ参考になりました。 こういう情報に触れたことがなかったので、勉強になりました。 読了後、右翼とは、左翼とは、が、おぼろげながらわかるようになりました。
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タイトル自体に心惹きつけられるものもあったけれど、途中ダレてしまった所も。不必要な所もあった気がした。
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ここ最近、自分にとって良い本との出会いが続いている。本書もそうだ。私は、いわゆる「ネトウヨ」的な発言を嫌悪している。女性差別、外国人差別、障害者差別など、ありとあらゆる差別を繰り返すこうした人間はクズだと思っている。 なので、本書に関しても、報道等で目にすることが多くなった、実家に帰ってみたら父親が差別的なスラングやヘイト発言をするようになっていた!的なルポルタージュかと思って読み始めたのだが、そんな底の浅い内容ではなかった。 著者の鈴木大介さんは、私と同年代。この中で出てくる時代的なエピソードやカルチャーは、そうそう!と共感できるものばかり。父親を憎悪するに至った過程も、そのひとつとして、「世代の違い」を挙げているが、そこも頷ける。 そして、本書の特徴は、あくまでも著者の家族の物語として書かれている点にあると思う。新書にありがちがな、入門的な概説や、知識や情報をまとめた内容ではない。なので、私は新書を読んで泣くという初めての経験をした。 ネトウヨが発するあらゆる発言や行為への嫌悪に変わりはないが、この著者の父親がネット右翼的な言動をするようになった理由を、時系列的に著者と辿っていくことによって、私自身がネトウヨ的な偶像を創り上げ、その人自身を見ていなかったことに気付かされた。 こう書くと、ネトウヨにもいろんな人がいるのだから、固定観念に縛られず、彼らの声を多様性として捉える必要があるよね。と言っているように聞こえるかもしれないが、そうではない。クズな発言や行動は、止めさせるべきだ。 ただ、著者がいうように「解消不可能な分断と、可能な分断。」(p.222)があるということを、私は本書で学び、自分の中の憎悪や嫌悪と向き合うことができたという点において、良い本に出会えたと思ったのです。
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父の中には、自立に向かう思春期以降の子どもたちに対して、穏やかに軽口を交わしながら、それでいて本音を語り合い過ごすための「お茶の間のペルソナ」が存在しなかったし、あとから作ろうとしても、そこには子どもである僕側の問題もあって、失敗してしまった。父に対してコミュ障だったのは僕自身も...
父の中には、自立に向かう思春期以降の子どもたちに対して、穏やかに軽口を交わしながら、それでいて本音を語り合い過ごすための「お茶の間のペルソナ」が存在しなかったし、あとから作ろうとしても、そこには子どもである僕側の問題もあって、失敗してしまった。父に対してコミュ障だったのは僕自身も同じだ。 ノスタルジー的軽い認知症気味の父の絶対右翼嫌悪の息子とコミュ障親子の話。
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ルポというか物語みたいだった。 読みものとしては面白いし、読みごたえもあったけど、実際に自分の周囲にあるお話としたら、誰の立場としてもしんどいなぁと思う。 ペルソナなんてどんなに円満に見える環境にいる人だって持ってるだろうし、心の中の醜い部分を全く持っていないという人もいないと思...
ルポというか物語みたいだった。 読みものとしては面白いし、読みごたえもあったけど、実際に自分の周囲にあるお話としたら、誰の立場としてもしんどいなぁと思う。 ペルソナなんてどんなに円満に見える環境にいる人だって持ってるだろうし、心の中の醜い部分を全く持っていないという人もいないと思うし。
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この本のコンセプトがすごいなぁと思いました。 ここまでなくなった父親に対して、真摯な態度で検証できる人はなかなかいないと思います。
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