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装飾古墳の謎 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/04/08

装飾古墳を初めて知ったのは、中学時代に読んだ大場弘道『銅鐸の謎』であったと思う。ここで大場氏は銅鐸に描かれた絵を絵文字として読み解き、その勢いで珍敷塚古墳の壁画をも絵文字として解読してしまうのである。当時はようやく装飾古墳が国民的関心を呼び始めた頃で、同年代の著者は高校時代に装飾...

装飾古墳を初めて知ったのは、中学時代に読んだ大場弘道『銅鐸の謎』であったと思う。ここで大場氏は銅鐸に描かれた絵を絵文字として読み解き、その勢いで珍敷塚古墳の壁画をも絵文字として解読してしまうのである。当時はようやく装飾古墳が国民的関心を呼び始めた頃で、同年代の著者は高校時代に装飾古墳に魅せられて考古学の道に足を踏み入れたという。そして世界の王墓・装飾墓についての研究を踏まえ、九州を中心とする装飾古墳が実は世界的な古代芸術であることを明らかにしようとする。装飾古墳の世界へのガイドブックであるとともに、装飾古墳が磐井の乱を契機に発達したという通説への批判、装飾古墳が近畿では発展しなかった原因の考察、日本の装飾古墳の世界的装飾墓の中での位置づけなど、新たな知的興奮を誘う内容になっている。装飾古墳の写真が口絵だけでなく本文中でも全てカラーであるのもうれしい。

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2023/03/22

最初装飾古墳と聞いて高松塚やキトラを連想したのだが、そちらは壁画古墳で装飾古墳とはまた別のカテゴリーとのこと。寡聞にして初耳であった装飾古墳に出会うことが出来たということがこの本を読んだ最大の収穫であったのだが、後半その装飾古墳を越えて世界中の装飾墓の紹介となったのは装飾古墳本体...

最初装飾古墳と聞いて高松塚やキトラを連想したのだが、そちらは壁画古墳で装飾古墳とはまた別のカテゴリーとのこと。寡聞にして初耳であった装飾古墳に出会うことが出来たということがこの本を読んだ最大の収穫であったのだが、後半その装飾古墳を越えて世界中の装飾墓の紹介となったのは装飾古墳本体との関係があまり感じられず少し残念な読後感であった。

Posted byブクログ

2023/03/04

装飾古墳とはどんなものか....壁画古墳との違いなどを最初は教えてくれる。 しかし、この本の内容はそのようなところには全くとどまっておらず世界の墳墓、古墳、王墓からショーヴェ壁画、 ラスコー、アルタミラなどにも解説が及ぶ。そのような観点から日本にある装飾古墳を捉えての解説。 かな...

装飾古墳とはどんなものか....壁画古墳との違いなどを最初は教えてくれる。 しかし、この本の内容はそのようなところには全くとどまっておらず世界の墳墓、古墳、王墓からショーヴェ壁画、 ラスコー、アルタミラなどにも解説が及ぶ。そのような観点から日本にある装飾古墳を捉えての解説。 かなり専門的な表現もありスマホ片手に知らない名称や用語を調べながら読んだ。 すこぶるおもしろい。しかし、ある程度の理解を得るにはもう二回ほど読む必要があるかも....

Posted byブクログ

2023/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<目次> 第1章  装飾古墳とは何か 第2章  研究の略史とデジタル・アーカイブ化 第3章  筑紫君磐井の乱の敗戦が装飾古墳を生んだのか? 第4章  なぜ古墳時代の中心地・近畿に少ないのか? 第5章  装飾古墳が九州に多いのは中国に近いからなのか? 第6章  装飾古墳への旅、日本から世界へ 第7章  近年、注目される装飾墓の調査 第8章  装飾古墳は洞窟壁画と関係があるのか? 第9章  装飾古墳・装飾墓と王墓 <内容> 前半は装飾古墳の話や研究史で面白かったが、後半の著者の研究部分は海外の装飾墓の話で、ついてこれなかった。知識がないことと興味がないこと。研究者としては、装飾古墳が九州と関東などが大半であることの疑問に対する答えが必要なのだが、ローカルな墓制でいい気がする。

Posted byブクログ

2023/02/03

装飾古墳と壁画古墳の違いなど、成る程と気づかせてくれる事がある。世界史との比較では、焦点が見えづらかったが、これからの進展を期待している。

Posted byブクログ

2022/12/14

【きみは装飾古墳を見たか?】石室が赤、緑、黒などで彩られている装飾古墳は、なぜ九州と関東の一部にしか存在しないのか? その謎に世界的な視座から取り組む。

Posted byブクログ