サラゴサ手稿(下) の商品レビュー
うおー読み終わったけど上巻また読まなきゃ忘れちゃってる。。。下巻はそれまでと全然違った話者と内容で、これはもっと時間をかけて話されるべきなんじゃ?とも思う。アルハンブラ宮殿を知っててよかった。あれを読んだ時にスペインのイスラムとキリストの宗教に関係する話を齧ってたから、まだ読み進...
うおー読み終わったけど上巻また読まなきゃ忘れちゃってる。。。下巻はそれまでと全然違った話者と内容で、これはもっと時間をかけて話されるべきなんじゃ?とも思う。アルハンブラ宮殿を知っててよかった。あれを読んだ時にスペインのイスラムとキリストの宗教に関係する話を齧ってたから、まだ読み進められたものの、全然宗教に覚えが無かったら無理だったかも。
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ヤン・ポトツキの怪作。ようやく上中下3巻を読み終えました。語彙が足りないので、凄いとしか言いようがなく、不思議でとても面白い。フィクションとはこういうものかという驚きです。この入れ子になった物語構造をちゃんと設計して執筆しているのは、人間業とは思えません。
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ようやく読了。 現在のウクライナ生まれのポーランド人が、スイスで学んだフランス語で書いたスペインの話というだけでもややこしい。 キリスト教、イスラム教、数学、インクづくり、ヨーロッパ諸国の戦争と王室の逸話などなどの話題をそこら中にぶちまけ、登場人物・話題が行き来する入れ子の階層...
ようやく読了。 現在のウクライナ生まれのポーランド人が、スイスで学んだフランス語で書いたスペインの話というだけでもややこしい。 キリスト教、イスラム教、数学、インクづくり、ヨーロッパ諸国の戦争と王室の逸話などなどの話題をそこら中にぶちまけ、登場人物・話題が行き来する入れ子の階層構造。 ヨーロッパ(西、伊、白、墺…)、中南米、アフリカ、中東をめぐって海を渡り、城に入って、山に隠れて、地下に潜る縦横無尽の移動。 大量の資料を調べ、相当な時間をかけて作られたと思われるマニアックな訳注。 Excelシートで入れ子の階層と話題と場所を順にメモしなければ、全貌の把握は無理。 ぐははw
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ポーランドの大貴族ヤン・ポトツキ(1761-1815)が フランス語で執筆した幻想長編。 著者がサラゴサ包囲戦(1808年)にフランス軍将校として 参戦した折、人家に残された手稿を手に入れ、 スペイン人大尉に仏訳口述してもらって書き取った―― という設定で、スペイン、シエラ・モレ...
ポーランドの大貴族ヤン・ポトツキ(1761-1815)が フランス語で執筆した幻想長編。 著者がサラゴサ包囲戦(1808年)にフランス軍将校として 参戦した折、人家に残された手稿を手に入れ、 スペイン人大尉に仏訳口述してもらって書き取った―― という設定で、スペイン、シエラ・モレナ山中をさまよう 武人アルフォンソの61日間に渡る体験が綴られている。 彼が出会った人々の話を聞き、 その中の登場人物が更に身の上話を繰り出したり、 本の内容が開陳されたりするという 目くるめくマトリョーシカ小説。 下巻は第四十一日~第六十一日(結末)まで。 *** トレス・ロベラス侯爵となった、かつてのロンセト少年と 族長パンデソウナことホアン・アバドロの再会、 侯爵と同行していた メモ魔の幾何学者ペドロ・ベラスケスの身の上話、 族長の昔語り再開を経て、 アルフォンソは自分もその血を引くという ゴメレス一族の秘密に辿り着いた――。 これはどうやら勇猛な軍人になろうとする青年の 通過儀礼の物語だったらしい。 *** 細かい話は後日ブログにて。 https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/
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時間があったので読んでいたら終わってしまった。ここまで広がった大風呂敷をよくぞ大団円にまで持っていけたなと思う。もっとずっと読んでいたかったのだが、残念ながら終わってしまった。でもまあ、また読めばいいか。訳した人が、何度読んでも面白いと役者解説で述べているとおり、これは再読に値す...
時間があったので読んでいたら終わってしまった。ここまで広がった大風呂敷をよくぞ大団円にまで持っていけたなと思う。もっとずっと読んでいたかったのだが、残念ながら終わってしまった。でもまあ、また読めばいいか。訳した人が、何度読んでも面白いと役者解説で述べているとおり、これは再読に値する本だと思う。今回で一通り読んだので、次はもっとじっくり味わいながら読みたいと思う。 話の中で「さまよえるユダヤ人」というのを目にした気がした(見返してみてもなかなか見つからないけど)。この岩波文庫で訳されたバージョンの『サラゴサ手稿』には、もう一つのバージョンの中には含まれていたのだがオミットされた挿話があり、そのタイトルがたしか「さまよえるユダヤ人」というらしい。(中巻の「役者解説」)この話も、せっかくなら読んでみたかった。というか、もう一つのバージョンがやはり気になるので、なんらかの形で邦訳が出るといいなあ、なんて思う。 あと、作品紹介の「主人公アルフォンソが六十一日目に目にしたものは?」という煽りは、読んだ後に見ると的外れに思われた。もっといい煽りはなかったのか……
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サラゴサ手稿の完結。今まで語られていた話が一気に収束していき、まさに大団円を迎える。個々のエピソードもさることながら、この物語構造自体が味わうに値する。
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ここまでの展開で謎的に提示されたエピソードに、それなりの解決が付いて大団円を迎える。むろん今日の読者が「驚愕の真相」的に驚くようなものではないが、大量にあるらしいヴァリエーションも、広げすぎた大風呂敷を畳むための作者さんの苦闘の痕跡だと思うと、味わい深い。
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