ショージ君、85歳。 老いてなお、ケシカランことばかり の商品レビュー
東海林さだおが過去さまざまな媒体で書いてきた「老い」に関連する文章を集めた随筆集。 怒りやすい老人の「怒りの対象」(犬猫、路傍の石、そしてパンツ)に対する考察や熱中症予防の「小まめに水分を取りましょう」の”小まめ”に対する愚痴。東海林の本領発揮とも言える葛湯やお節。そしてまさか...
東海林さだおが過去さまざまな媒体で書いてきた「老い」に関連する文章を集めた随筆集。 怒りやすい老人の「怒りの対象」(犬猫、路傍の石、そしてパンツ)に対する考察や熱中症予防の「小まめに水分を取りましょう」の”小まめ”に対する愚痴。東海林の本領発揮とも言える葛湯やお節。そしてまさかの「スーパーミリオンヘアー」への憧れと喜びまでを、いつもの軽快かつどんどん思考がディープにバウンドするあのスタイルで綴られる。 個人的に一番笑ったのは、かの書家・詩人”相田みつを”をイジり倒した、「相田みつを大研究」。 ソクラテスやケネディですら、名言を生みだしたのは片手に数える程なのに、相田みつをは数百・数千を生みだす職業「名言大量製造販売業」。あのにょろっとした書体とハンコによって相手の軽快を解き、心の隙間に入り混んでいく。そして東北弁の魔力…。 この、おもしろがりと対象への強い好奇心。そしてその裏にある底意地の悪さ、これこそ東海林さだおだなー。
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さくっと気軽に読める。 とはいえ、著者も御年85歳、パンツ(下着の)も立っては履けなくなり、座ってはくことにしてるそうな。 2025年問題、孤独問題をおもしろおかしくエッセイにしてるとこがショージ君なんだよね。 まだまだ好奇心は旺盛とのこと、また新刊待ってます。
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タイトルから、最近のエッセイかと思ったら76年から2021年までの寄せ集めだった。 85歳ってわざわざつけるのに、40年以上前のも入ってるって騙された感じ。 特に「明るい自殺」は、近所のスーパーで出会った老人の描写に違和感があったら、2000年の作品だった。この話こそ、齢85にな...
タイトルから、最近のエッセイかと思ったら76年から2021年までの寄せ集めだった。 85歳ってわざわざつけるのに、40年以上前のも入ってるって騙された感じ。 特に「明るい自殺」は、近所のスーパーで出会った老人の描写に違和感があったら、2000年の作品だった。この話こそ、齢85になったジョージ君に書いて欲しかった。 巻末のインタビューが楽しみだったが、うーん。 「昭和の蝿を懐かしむ」はおもしろかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
『85歳になったショージ君が考える、老い、死、日々のおもしろがり方のこと。日本のエッセイ界を引っ張り続ける東海林さだおが、ちょっと不便で情けないけど、楽しく好奇心のつきない老いの暮らしを綴った1冊。』というと面白そうですが、有名な「まるかじり」シリーズから一つのテーマで再構成したものが中心となっています。 でも東海林さだおさんも85歳なんですね。仕事がイヤということはないそうです。庶民の人物像を描かせたらこの人以上のものはない。平易でディテイルにこだわる文章の達人ぶりも余人なし。再構成でもありがたく読みます。
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