コイコワレ の商品レビュー
螺旋プロジェクト6冊目。 「コイコワレ」というタイトルの意味が分からないまま読み始めた。読み終えると、このカタカナの5文字の意味が分かった気がした(正解は分からないけれど)。私もどうしても好きになれない人はいたことがある。でも気になって不器用にお互いが近づこうとしたこともあった。...
螺旋プロジェクト6冊目。 「コイコワレ」というタイトルの意味が分からないまま読み始めた。読み終えると、このカタカナの5文字の意味が分かった気がした(正解は分からないけれど)。私もどうしても好きになれない人はいたことがある。でも気になって不器用にお互いが近づこうとしたこともあった。でも結局本当に理解できない理由で去っていった。憎い相手にほど親切にしなさいという清子の母の教えは普段「全員に好かれる必要はないよ」と娘に声かけている私をハッとさせた。
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海と山というファンタジーはあるものの、現代にも通ずるところはあるのかなと思った。 嫌い、苦手な人というのは誰しも感じるものがあって、けれどそれを自分の中で戒め律するのが大切。攻撃はしてはいけない。今もSNSとかですぐ攻撃する世の中だから今一度自分を顧みて欲しいし、顧みたいと思う。
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今回は戦時中のお話。 決して交わらない海族と山族の2人の少女が本能的に憎み合いながらも、自制心を身に付けることでそれを乗り越えて成長するというストーリー。 海と山の対立はあくまで脇役に留めているところが他の作品と違うところで、螺旋プロジェクトシリーズの中にこういったテイストがあっ...
今回は戦時中のお話。 決して交わらない海族と山族の2人の少女が本能的に憎み合いながらも、自制心を身に付けることでそれを乗り越えて成長するというストーリー。 海と山の対立はあくまで脇役に留めているところが他の作品と違うところで、螺旋プロジェクトシリーズの中にこういったテイストがあっても良いなと思いました。
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螺旋プロで小生初、乾ルカさん。こんな温かい話が書ける方なんですね。昭和初期の女子小学生同士の海と山の戦い。苦手な人にどう接したら良いか、大人になって読んでも、ハッと気づかされました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
苦手な人とは距離を置く。挨拶と最低限の会話はするけれど、必要以上に近づかない。笑顔を見せない。それが最善だと思っていた。 物語の中で源助老人はリツをこう諭す。 「本当に強い者は、憎しみを相手さ向げね。その、自分の憎しみど戦う。」と。 清子の母親はこう語りかける。 「嫌いな相手には特に意識して、誰よりも丁寧に、親切になさい。」と。 この二人の言葉を肝に銘じたい。
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伊坂幸太郎さんの螺旋プロジェクトの一部な大戦末期が舞台の こちらの物語コイコワレ 文庫本です。 企画を持ってきたのは伊坂さんで 数名の作家さんの中の1人。乾ルカさん。 数人の作家さんが同じテーマと違う時代の山の民族と海の民族の対立ということだったので てっ...
伊坂幸太郎さんの螺旋プロジェクトの一部な大戦末期が舞台の こちらの物語コイコワレ 文庫本です。 企画を持ってきたのは伊坂さんで 数名の作家さんの中の1人。乾ルカさん。 数人の作家さんが同じテーマと違う時代の山の民族と海の民族の対立ということだったので てっきり 人も自然界の自然の一部に過ぎないぜ!的にまとめられてると思っていた(予測) 東京から疎開してきた子供達の中にいる蒼い目の少女 VS 山に捨てられた孤児の少女 互いに忌み嫌う一目で憎しみあい 殺意まで芽生える、その歴史たるは何なのか? その正体は?的に読んでいったんですが、 そんなことは、いっさいなく過ぎていきました。 少女たちが殺したいほどに憎しみ合う その時、その時で 周りの大人たちが起こした行動にのみ救いがありました。 この大人たちの行動が 現代に成り立つだろうかと思ったこと。 好きな相手には自然と思いやれるもの。 嫌いな相手にこそ親切にしろと言って東京空襲で死んでいった清子の母親。 子供にはそう言っていたけど 清子の母親が相手にとった行動は親切よいうより 敬意だったと思います。 本当に憎い相手とは ずっと接してはいられないので 一期一会のその時こそ背筋を伸ばし ゆっくりと敬意を表す。 接客業の技にもありますよね。 乱暴な相手にこそ わざと尊敬語をゆっくり話すと。 相手にひれ伏すとは、また違うやり方。 母親が娘に諭した その指導により 清子の聡明さが山の捨て子な彼女の生命力も伸ばしたという そういう話でした。 あんまりね 没頭できるような話ではないんですよ。 ずっと謎に憎しみ合うから共感できないし (虐められたとか好きな人を取られたとかでないから) 一目惚れみたいに一目で憎しみ殺意を抱くって 到底、納得できないでしょ。 だから山と海の話が続くか思ったら そうもいかないし 山の子供らや爺さん婆さんは おしん口調ですから読み辛いし。 でも今一度、自分の胸に問いかける問題提起としては 大事なことが書かれてありました。
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疎開先での清子とリツの対立と成長の物語。母と爺からの、憎しみの気持ちを相手に向けず自分に向けてそして勝て、というメッセージ…しっかり受け取りました。びっくり展開はないものの、吸い込まれるように読みました。
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太平洋戦争中、東京に食堂を営む父、母と暮らす蒼い目を持つ清子。 父は突然不慮の事故で死んでしまう。 食堂は母が一人で切り盛りする中、戦争が激化し清子の小学校は宮城に疎開する。 疎開先の寺で地元のリツという少女と出会う。リツは存在自体が清子をざわつかせる。リツも同様に清子の存在...
太平洋戦争中、東京に食堂を営む父、母と暮らす蒼い目を持つ清子。 父は突然不慮の事故で死んでしまう。 食堂は母が一人で切り盛りする中、戦争が激化し清子の小学校は宮城に疎開する。 疎開先の寺で地元のリツという少女と出会う。リツは存在自体が清子をざわつかせる。リツも同様に清子の存在を明らかに意識してしまう。
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私にとっての螺旋プロジェクト第一弾最後の作品!!! 長かった、実に長かった・・・ 伊坂幸太郎さんや朝井リョウさんの作品はサクッといけたのにその後少しテンポが悪くなり、今に至ります。(全部私の不徳の致すところです) 第二弾もあるようですが、もちろん其方も読みたいと思います!!...
私にとっての螺旋プロジェクト第一弾最後の作品!!! 長かった、実に長かった・・・ 伊坂幸太郎さんや朝井リョウさんの作品はサクッといけたのにその後少しテンポが悪くなり、今に至ります。(全部私の不徳の致すところです) 第二弾もあるようですが、もちろん其方も読みたいと思います!!! 実に、8巻は長かった!!! 時代は大戦末期! 東京から宮城の田舎へ疎開する事になった浜野清子は運命の相手、那須野りつと出会う・・・ 螺旋プロジェクト既読の人はわかると思いますが,この二人が今回の海と山! 今回はこの二人が物語のダブル主人公!! そんで、螺旋プロジェクト屈指の対立度合い!!! 偶々ですが、本作を螺旋プロジェクトの最後に読んで良かったと思えました!!!
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〈螺旋プロジェクト〉の一冊と知らずに読み始めました。明治後期〜昭和初期の話が個人的に好きなので、今回の設定もとても楽しかったです。 自分では環境を選べず、しんどいなかでもどうやって生きていくかを主人公のお母様の言葉から学びました! 後半にかけて主人公が自分なりに変わろうとし、...
〈螺旋プロジェクト〉の一冊と知らずに読み始めました。明治後期〜昭和初期の話が個人的に好きなので、今回の設定もとても楽しかったです。 自分では環境を選べず、しんどいなかでもどうやって生きていくかを主人公のお母様の言葉から学びました! 後半にかけて主人公が自分なりに変わろうとし、行動に移す姿が印象的でした。次は、『蒼色の大地』を読んでみようと思います。
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