コイコワレ の商品レビュー
タイトルの『コイコワレ』。 読み始める前脳内変換した漢字と、読了後脳内変換した漢字が変わってしまうのに気づいた時、ある意味で凄いと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
清子がえらすぎる。この年で、理屈ではなく嫌悪してしまう相手に対し、自分から挨拶し声をかけるとは。 リツもやったことはとんでもないけど、お詫びであれ感謝のためであれ、憎む相手のため自分を律して効き目のあるお守りを作れるとは。 二人ともえらいよ。 リツのお守りの効果ってそういう効き方なのね…ツラい。
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文庫が出た順番の関係もあり、螺旋シリーズの最後がこの本になりました。時代順に読んで、「天使も怪物も眠る夜」で終わるのも良い選択だと思いますが、この本で終わるのも私は良かったと思います。良い作家に出会えて幸せです。
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※評価はすべて3にしています 螺旋プロジェクト。私が読んだ中では4冊目。 身分制度が形式的になくなった後、強調されるのは差別。そこにさらに集団心理が強調された。 物語の構図が対立から学びに変わる過程はあまりに見事。 ストーリーではないが、方言を文字ですんなりと読める表現にも...
※評価はすべて3にしています 螺旋プロジェクト。私が読んだ中では4冊目。 身分制度が形式的になくなった後、強調されるのは差別。そこにさらに集団心理が強調された。 物語の構図が対立から学びに変わる過程はあまりに見事。 ストーリーではないが、方言を文字ですんなりと読める表現にも驚く。 特に宮城や山形あたりに縁があるからかもしれないが。 もちろん螺旋プロジェクトの次の時代を読まなければならない。
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螺旋プロジェクト8冊目。昭和前半編(戦時中)。 海族と山族の対立する人物は小学校高学年のふたりの少女。都会と田舎、利発と直情、勉強好きと運動好き、と対照的な設定。そして、出会いが二人を変えていく。 小学校高学年は背伸びをしだす年頃だったように思う。よく分からないまま洋楽を聴いた...
螺旋プロジェクト8冊目。昭和前半編(戦時中)。 海族と山族の対立する人物は小学校高学年のふたりの少女。都会と田舎、利発と直情、勉強好きと運動好き、と対照的な設定。そして、出会いが二人を変えていく。 小学校高学年は背伸びをしだす年頃だったように思う。よく分からないまま洋楽を聴いたり、ゲームセンターに行ってみたり、異性を意識したり、着飾ってみたり、人と違うことをやってみたり、やらなくなったり。そして、友だちがただ遊ぶだけの対象じゃなくなって、相談したり、趣味の話をしたりっていう対象に変わっていく。家族といる自分と、外にいる自分とを使い分けられるようになっていく。 この作品のテーマの一つは「勇気を出して自らが変わる」こと。憎くても自制する、人を思いやることを形や態度にする、拙くてもコミュニケーションを取る・・・そうやってちゃんとした大人になってく。自分がその大事さに気づいたのは、もういい歳になってから。変わらなくたって僕が僕であれば平気だなんて強がってた。「僕が僕であるために」勝ち続けるのじゃなく、変わり続けなきゃいけない。二人の少女のように、ピュアな心で変わることはできないと思うけど、自分を諦めずに変われるように生きていこう。ブレてもいいから。 そんな勇気をくれた作品でした。
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螺旋プロジェクトの自分の中での最後の一冊。 子供が主人公だからか、他の作品よりも憎しみが強烈で、抑えきれない様も凄かった。 清子は強いなぁ 見守り役が他の作品よりも、ちゃんと見守り役だった気がする。 第二弾始動、楽しみ
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Amazonの紹介より 大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たち...
Amazonの紹介より 大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たちが願う、美しき未来とは――。 「螺旋プロジェクト」の昭和前期編でしたが、ファンタジー要素を入れつつ、相反する2人のバトルが小学生なのに凄まじかったです。特に相手を愛するがゆえの恨みへの反動が文章からでも滲み出ていました。 蒼い目や尖った耳、蝸牛など他の作品での共通アイテムを知っていると、楽しめるのですが、単体で読むと、疑問に思う点もあるかもしれません。あくまでも「螺旋プロジェクト」の中の一つとして考えると、より楽しめるかと思います。 戦争の真っ只中で起きる疎開先での出来事に愛憎劇や戦争における悲惨さも伺えたのですが、ペンダントが光って・・・といったどこかのアニメで見たようなファンタジー要素が入ると、どことなく冷めたような気持ちになってしまいました。 重要な要素であることはわかるのですが、今まで思っていた「色」から別の「色」に変わったことによるちょっとしたがっかり感がありました。 その反面、ファンタジー要素があることにより、読みやすさもあるので、どっちかというと若い人向きかなという印象もありました。 小学生同士ですが、2人の愛憎劇が中心ですが、その他にも戦争における人々の心情、戦争に送り出される男達を通じて「戦う」とは何か?を読者に突きつけられたように感じました。 大切なものや人を失った時、どんな気持ちになるのか?心理描写が強烈でしたが、相反する2人の運命に戦争の悲惨さが絡み合って、物語の世界観に引き込まれていました。 単行本とは違い、文庫オリジナルの続編もあるため、その後の2人がどう成長したのかが描かれています。絶妙な距離感がありながらも、2人の成長にホッとした気持ちになりました。 時には歪み合い、時には引き合う関係性にプロジェクトの魅力が引き出されていて、楽しめました。
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螺旋プロジェクト、昭和前期編。 太平洋戦争末期、舞台は東京と仙台。 蒼い目を持つ聡明な小学生、清子は、その目の為に周囲から奇異な者として扱われ悲しい思いをしてきた。空襲を避け、仙台の山村に疎開。そこで、犬の様な耳を持つ、寺の養い子リツと出会ってしまう。 彼女らは、お互いの存在を認...
螺旋プロジェクト、昭和前期編。 太平洋戦争末期、舞台は東京と仙台。 蒼い目を持つ聡明な小学生、清子は、その目の為に周囲から奇異な者として扱われ悲しい思いをしてきた。空襲を避け、仙台の山村に疎開。そこで、犬の様な耳を持つ、寺の養い子リツと出会ってしまう。 彼女らは、お互いの存在を認めた瞬間から憎悪か、それ以上の感情を持つ。二人は決して相入れないことを認識する。海族の清子、山族のリツ。今回は、お守りが螺旋アイテムとして描かれる。 古代から近世の対立が大きめだったので、戦争の中の少女達と随分身近になった感じ。 清子の母親の強い者は憎しみを相手ではなく、自分の憎しみと戦うという言葉に 二人の少女達はその相入れない関係を乗り越えようとしていく。 プロジェクトの一冊とはいえ、独立した小説として期待して読むので、大変だなぁと思います。
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日本の敗色濃厚な第二次大戦末期。相剋するふたりの少女が、目覚め、祈るとき……。新しい世界の物語が始まる。特別書き下ろし短篇収録。解説・瀧井朝世
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