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沖縄戦火の放送局 の商品レビュー

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2024/04/29

沖縄放送局の戦時のルポ。多くの資料、手記、証言を基に書かれている。沖縄でみたひめゆりの塔の戦死した女学生たちの顔が思い出された。サイパン、パラオ・ペリリュー、硫黄島、インパール、フィリピンと沖縄に近づく戦争の影。岩崎局長の手記が迫る空気を如実に語っている。岩崎が煩悶と何度も書いて...

沖縄放送局の戦時のルポ。多くの資料、手記、証言を基に書かれている。沖縄でみたひめゆりの塔の戦死した女学生たちの顔が思い出された。サイパン、パラオ・ペリリュー、硫黄島、インパール、フィリピンと沖縄に近づく戦争の影。岩崎局長の手記が迫る空気を如実に語っている。岩崎が煩悶と何度も書いているが、放送人としての使命感が軍部の力に抑え込まれていく。著者がエピローグで強調している「権力が暴力に変わる前に、それを押しとどめる空気を作るのがメディアに関わる人間の仕事である。権力が牙をむき、戦争が始まってからでは遅いのである。」今のメディアがそんな使命感を持っているのか残念ながら疑問だ。

Posted byブクログ