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国商 最後のフィクサー 葛西敬之 の商品レビュー

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27件のお客様レビュー

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2024/06/05

名前しか知らなかったけど、すごい人だった。国の行方もこんな人たちが仕掛けていくんだろうなー。労働問題も改めて根が深い事がわかった。事実は、ニュースだけでは、わからない。

Posted byブクログ

2024/04/01

森功氏、安定のルポルタージュ。 国鉄民営化を成し遂げた伝説的経営者、葛西敬之氏の評伝。 国鉄と言えば最悪の赤字体質と頑強で極左組織と繋がった労働組合の印象が強い。実際本書の前半は新幹線建設をきっかけに雪だるま式に借金が増えた過程と、盗聴スパイなんでもありの壮絶な組合の抵抗に紙幅...

森功氏、安定のルポルタージュ。 国鉄民営化を成し遂げた伝説的経営者、葛西敬之氏の評伝。 国鉄と言えば最悪の赤字体質と頑強で極左組織と繋がった労働組合の印象が強い。実際本書の前半は新幹線建設をきっかけに雪だるま式に借金が増えた過程と、盗聴スパイなんでもありの壮絶な組合の抵抗に紙幅が割かれる。 この経験から葛西が警察官僚を天下りで積極的に迎え入れ、そこから公安とのつながり強め、その保守的な政治思想から安倍政権との距離が縮まり、ついには外部の諮問委員でありながらNHKの人事にまで介入するフィクサーぶりへと話が広がっていく。 天下国家を語ること、マスコミの敵視、アジアの大国としてのプライド(リニアへの執着)。ある意味無敵の「昭和エリート」。 しかし決して体制側だけとは言えない。なにしろあの国鉄を民営化まで引っ張って行ったのだから。 著者も単なる権力の亡者でもなく、清廉な改革派経営者でもない、この独特の人物の全体像把握には相当苦労した様子が伝わる。 悲願のリニアの完成を待たずに本人は世を去る。そして安倍元首相が亡くなったのはその数ヶ月後。 あまりにも「ひとつの時代の終わり」感が強すぎる偶然の連鎖なのである。

Posted byブクログ

2024/02/10

国鉄改革3人組の末弟にして一番の曲者、葛西敬之の評伝。 …のはずだが、葛西敬之研究本としては浅薄。まず生い立ちや国鉄入社経緯は豪快にカット。葛西が国労や動労の間でうまく立ち回り、国鉄解体を実現する序盤は読み応えがあるが中盤以降は読むのが辛い。著者が憎む安倍首相との癒着やNHK人事...

国鉄改革3人組の末弟にして一番の曲者、葛西敬之の評伝。 …のはずだが、葛西敬之研究本としては浅薄。まず生い立ちや国鉄入社経緯は豪快にカット。葛西が国労や動労の間でうまく立ち回り、国鉄解体を実現する序盤は読み応えがあるが中盤以降は読むのが辛い。著者が憎む安倍首相との癒着やNHK人事介入の話は、JR東海や葛西本人が得た利益が不明確だし、リニア新幹線批判も坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという印象で説得力に欠ける。逆に語るべき新幹線保有機構との対決はまたしてもカット。 本書は著者のライフワークであるアンチ安倍政権の扇動が目的で、葛西敬之を知るための本ではないのだろう。

Posted byブクログ

2024/01/07

葛西敬之の人生の一部を知ることができるだけでなく、今目の前に起きているリニア静岡問題の片鱗にも触れることができる。一端の企業人ではなく国さえも動かしていく。それが国商なのだろう。 国鉄分割民営化、第2次安倍内閣、官僚やNHK人事などの背景を知りたい人におすすめ

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2023/11/27

ノンフィクション作家が、葛西敬之氏について書いた本。関係者に取材をし、人から聞いた話を主体に話を構成している。全体的に葛西氏に関する調査・研究が浅く、内容に説得力がない。なぜそういう結論になるのか疑問な箇所が多々あった。国鉄の分割民営化から時系列に書かれているが、それを取り巻く政...

ノンフィクション作家が、葛西敬之氏について書いた本。関係者に取材をし、人から聞いた話を主体に話を構成している。全体的に葛西氏に関する調査・研究が浅く、内容に説得力がない。なぜそういう結論になるのか疑問な箇所が多々あった。国鉄の分割民営化から時系列に書かれているが、それを取り巻く政治や労働組合との闘争、また、政治家や官僚、JRなどの人事に関する争いなどが中心に描かれており、肝心の葛西氏に焦点が当たっていないので、葛西氏の人物像が描けていない。あたかもタブロイド紙のコラムの寄せ集めといった感じの内容になっている。内容に興味がわかず、残念ながら勉強にならなかった。 「(教育再生会議にて)「桃李もの言わざれども、下自(したおの)ずから蹊(みち)を成す」桃やすももの樹は意図して自らの魅力を触れまわれるわけではないが、木の下には自然と人が集まり、雑草が踏まれて小道ができる(優れた教師を学校に登用して環境が整えば、意欲ある生徒が集まり質の高い教育を実現できる)」p14 「社外取締役は企業の内情に通じているわけではない。したがって企業経営において社外取締役は細かい指示を出すのではなく、大きな方針を打ち出すだけにとどめるべきだ。教育現場に対しての教育委員会も同じだ(葛西)」p21 「(宇宙政策委員会にて)財政が厳しくなってくると、もっと民間の活力を、とか何とか言う。しかしあれは『大和魂があれば、戦争に勝てる』というのと似たようなものです。私は民間企業に宇宙開発するようなゆとりはそうはないだろうと思います。どうするのだというのを、誰かが決めなければ、日本は進まない」p26 「(国鉄分割民営化反対論者)国体護持派の強力な後ろ盾が、田中角栄や加藤六月たち自民党運輸族議員だった」p62 「葛西は国鉄改革で国労を潰すために動労を利用した」p89 「中国へも新幹線を輸出していますが、それは川崎重工が中心にやったんです。川崎重工が新幹線技術をブラックボックスにしないまま中国に提供してしまったと葛西さんは考えています。葛西流に言わせれば、『その結果、中国が新幹線技術を盗んだ』となるんでしょうね。葛西さんは『JR東海はもはや川崎重工とは契約しない』と切っちゃった。川重に代わり、日本車輌という会社を子会社にして、技術革新を図っているんです」p149 「(葛西)これまでの言動が単なる会社の経営者と異なり、常に日本の前途を意識していた」p196

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2023/11/02

人の名前ばかり出てきて、誰が誰と、の話にしかなってないように感じた。 「夢のためには権力を手放してはならない」 そうですか…

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2023/10/24

「国商」葛西敬之を余すところなく描く。流石森功の面目躍如の一冊。上っ面を知っているつもりでいたが、知らなかったことばかりで滅茶苦茶面白かった。西岡研介氏の労作「マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」で松崎明を知るともっと読書に深みが出るはず。

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2023/10/15

立ちいかなくなっている北海道と四国の会社。福知山線の脱線事故。革マル系組合が歪ませた経営。国鉄分割民営化は成功だったとはいえない。国労が悪者になったがそもそもの赤字の元凶は政治が押し付けた無理な新幹線整備。抱かされていた幻想…水枯れ、残土処理、需要減...。立ち止まり再考すべきリ...

立ちいかなくなっている北海道と四国の会社。福知山線の脱線事故。革マル系組合が歪ませた経営。国鉄分割民営化は成功だったとはいえない。国労が悪者になったがそもそもの赤字の元凶は政治が押し付けた無理な新幹線整備。抱かされていた幻想…水枯れ、残土処理、需要減...。立ち止まり再考すべきリニア計画。寧ろ後押しした安倍政権。その政権は葛西氏が影で操っていたといわれる。2人はもうこの世にはいない。その死がきっかけに何かが変わるのだったらそれはそれで虚しい。主権在民。生きていても変えるべきものは民の力で変わるべきである。

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2023/10/08

日本の産業史を振り返るときに国鉄という巨大組織の民営化はその功罪も含めて語られる必要のある一大トピックであるが、その国鉄改革を率いた3人組の一人であり、JR東海の総帥、そして安倍晋三を支えた政界のフィクサーとしての顔を持ち合わせた葛西敬之の実像に迫ったルポルタージュ。 国鉄から...

日本の産業史を振り返るときに国鉄という巨大組織の民営化はその功罪も含めて語られる必要のある一大トピックであるが、その国鉄改革を率いた3人組の一人であり、JR東海の総帥、そして安倍晋三を支えた政界のフィクサーとしての顔を持ち合わせた葛西敬之の実像に迫ったルポルタージュ。 国鉄からJRへの民営化、即ち国鉄改革の本質とは極論すれば労働組合をいかに権謀術数を用いて弱体化させるかという闘争であった、というのが本件について記した優れた幾つかのルポルタージュから私が学んだ点である。葛西敬之がJR民営化以降にどのように政治権力の中枢に影響力を持つように至ったかというメカニズムにおいて、おそらくこの闘争での勝利は原体験として大きな意味を持ち、それこそが彼の主要な行動原理の一つであったというのは言い過ぎではないはずである。 私自身は葛西敬之という人間の政治思想には全く賛同するものではないが、そうした権力闘争の経験がどのように一人の人間に影響を与えるのか、というドキュメントとして、本書は非常に面白い読み物であった。

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2023/09/28

国鉄の話ばかりで、あんまし面白くない。しかも説明が不足してて、わかりにくい。90年に入ってもそんなことやってたんだ。葛西さんが西校東大って出てこない?見落とした。ちょこっとあったわ。葛西さんの周りの出来事を書いてるだけで、縦も横もつながりがないので、全然わからない。渡辺さんは左翼...

国鉄の話ばかりで、あんまし面白くない。しかも説明が不足してて、わかりにくい。90年に入ってもそんなことやってたんだ。葛西さんが西校東大って出てこない?見落とした。ちょこっとあったわ。葛西さんの周りの出来事を書いてるだけで、縦も横もつながりがないので、全然わからない。渡辺さんは左翼?のセクトに乗り込んでったけど、そういうのも無さそうだし。結局何が書きたかったのか?葛西さんほとんど登場しないけど。

Posted byブクログ