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一睡の夢 家康と淀殿 の商品レビュー

4.3

11件のお客様レビュー

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    4

  2. 4つ

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2024/01/11

大阪の陣を家康と淀殿の両方の視点から描いた作品。クライマックスはスピード感があり、あっという間に読了した。人の器量とは、役割とはに考えさせられた。

Posted byブクログ

2023/10/07

豊臣家の滅亡を描く歴史小説。 前作の関ヶ原の戦いを描いた「天下大乱」(自分は週刊誌連載で読了)が毛利輝元と徳川家康の視点で描いたのと同じ構造で、本作は淀君と家康の視点で描かれています。 物語自体は史実に沿ったもので意外な展開はないが、淀君の視点での回想がいいアクセントになってい...

豊臣家の滅亡を描く歴史小説。 前作の関ヶ原の戦いを描いた「天下大乱」(自分は週刊誌連載で読了)が毛利輝元と徳川家康の視点で描いたのと同じ構造で、本作は淀君と家康の視点で描かれています。 物語自体は史実に沿ったもので意外な展開はないが、淀君の視点での回想がいいアクセントになっていると思います。 淀君が最後まで大坂城を離れなかった理由には一応納得しました。

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2023/07/31
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大坂 冬の陣夏の陣を時を遡りながら描いた小説。 家康と淀君は並び書かれている本はこれまであまりなかったけれどこういう視点もあり。 充実した読書タイム。 大河ドラマの面々の顔が浮かぶけれど、ふ~む。 違うなぁやっぱり。

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2023/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家康は信長・秀吉が無しえなかった権力の継承を 願い、あらゆる知恵を注いできた(´・ω・`) 本書では親の想い・子の束縛を逃れたい考えなど 随所に差込まれ、私のしらない淀殿の清々しさも あいまって新鮮な印象の本となった タイトルどおり家康と淀殿の揺れ動く感情を時々 の立場を踏まえた丁寧な描き方である 日本人なら知り尽くしている時代背景もあるので 細かく挟み込まれる過去の情景も、心情描写に役 立っている・・・オリジナル小説なら煩雑で複雑 怪奇となり読者は現在地を見失うだろう(´・ω・`)

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2023/04/11

史実を元にしたフィクションということだろうが、非常に丁寧でわかりやすい。この種の歴史小説の中では大変レベルが高いものとして評価されるのではないだろうか。これまでの他の小説や教科書で取り上げられる史実が縦糸であるなら、この作品は横糸で、双方を読むことで歴史がリアルに立体的に浮かび上...

史実を元にしたフィクションということだろうが、非常に丁寧でわかりやすい。この種の歴史小説の中では大変レベルが高いものとして評価されるのではないだろうか。これまでの他の小説や教科書で取り上げられる史実が縦糸であるなら、この作品は横糸で、双方を読むことで歴史がリアルに立体的に浮かび上がってくるというイメージがある。あくまでもフィクションではあるにしても。 また日本の歴史に興味が出てきた。

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2023/01/19

幾つもの新作を愉しんでいる作者が、また新しい作品を上梓したと知って本を入手した。紐解き始めると、読んだ部分の続きが気に掛り、何か「停められない…」という具合で、細かい時間を設けてドンドン読み進め、素早く読了に至った。そして読後の余韻に些か浸っている。 少し前に同じ作者による『天下...

幾つもの新作を愉しんでいる作者が、また新しい作品を上梓したと知って本を入手した。紐解き始めると、読んだ部分の続きが気に掛り、何か「停められない…」という具合で、細かい時間を設けてドンドン読み進め、素早く読了に至った。そして読後の余韻に些か浸っている。 少し前に同じ作者による『天下大乱』を読了している。『天下大乱』は関ヶ原合戦を描く物語であった。本作はその『天下大乱』の少し後の時代を背景とする物語だ。大坂城で豊臣家が滅びてしまう「大坂の陣」を背景としている。 『天下大乱』では毛利輝元と徳川家康が主要視点人物とされて物語が展開した。本作は、その『天下大乱』で描かれた関ヶ原合戦を戦った徳川家康の「その後?」という雰囲気も少し滲む。本作では徳川家康が一方の主要視点人物となり、大阪城の側で淀殿、または御袋様こと茶々が他方の主要視点人物となっている。徳川家康側の挿話、淀殿側の挿話と交互に現れて物語が進んでいる。 本作の物語は1606年頃から起こる。将軍の座を後継者の徳川秀忠に譲った徳川家康が在り、自身の来し方を振り返りながらも息子の豊臣秀頼が後継者となっている豊臣家の行く末を想う淀殿が在るという情況だ。本作は“前史”というような辺りから「大坂の陣」の様相を説くような物語になっている。 小説や映像作品に登場する“史上の人物”は、結局は「“史上の人物”に着想を得た“劇中人物”」ということになるのだとは思う。が、その“劇中人物”が醸し出すモノによって、“史上の人物”について「こういうような感じ…」という「幅広く人々が抱く感じ」が形成される側面も在るかもしれない。 「大坂の陣」の「攻める側」ということになる徳川家康と、「攻め滅ぼされる側」ということになる淀殿に関しては、実に多くの小説や映像作品に登場している。故に“劇中人物”として「幅広く人々が抱く感じ」が或る程度拡がって、何となく「公約数的なモノ」が在るのかもしれない。 しかし本作では、そういう「公約数的なモノ」が排されていると思う。徳川家康も淀殿の各々に「擁している後継者を見守り、自身の来し方を振り返りながら、次代に想いを巡らせ、動く“事態”に臨む、または動かそうとする」というように造形されていると思う。 本作は「合戦絵巻」的に「大坂の陣」が描写されるというのでもない感じだ。「合戦絵巻」的な感もする物語は、別な作者の作品を比較的最近も何作か読んだが、それらとは明らかに異なる。「大坂の陣」へ至ってしまうまでの、2人の主要人物達の想いの遍歴、そして戦いの真只中での彼らの想いという辺りが主題だと思う。それ故に「長き人生を振り返って…」とでもいうような問いに対する回答例の一つのような「一睡の夢」という語句が題名になったのかもしれない。 更に本作は、織田信長、豊臣秀吉という「天下人」達と徳川家康との「大きな差異」を解き明かすような感も強いかもしれない。「大きな差異」とは「築き上げたモノを後代へ受継いで行く」という事への意識の向け方と活動ということになるであろう。 加えて本作では「“政”?」というようなことを強く感じさせる部分も在ったと思う。徳川陣営の部内の様々な動きや、目的に合わせて事態を動かすというのか、起こった事態に応じて目的を鮮明化することを図るというのか、或いはこういうのは「時代を超えている」という現象かもしれないと思った。 徳川家康による部分と、淀殿による部分とが交互に現れる本作だが、自身の好みとしては「来し方」の部分がより多いような淀殿の部分がより好きかもしれない。少女時代以来、「落城」の中に3回も身を置くこととなった淀殿の波乱の生涯は余りにも劇的だ。 「擁している後継者を見守り、自身の来し方を振り返りながら、次代に想いを巡らせ、動く“事態”に臨む、または動かそうとする」という2人の主要人物による物語なのだが、何か「仄かに現代が投影?」というような気がしないでもない。そういう余韻が深いと思う。広く御薦めしたい作品だ。

Posted byブクログ

2023/01/19

『一睡の夢 家康と淀殿』(著・伊東 潤)読了。 今年の大河ドラマの主人公が徳川家康ということで、昨年末から読み進めていました。 本書のテーマの一つは、親から子への想いの継承かなと個人的には考えました。 家康→秀忠、市→淀殿→秀頼といった具合に。 前者は正直で素直ながらも駆引きに...

『一睡の夢 家康と淀殿』(著・伊東 潤)読了。 今年の大河ドラマの主人公が徳川家康ということで、昨年末から読み進めていました。 本書のテーマの一つは、親から子への想いの継承かなと個人的には考えました。 家康→秀忠、市→淀殿→秀頼といった具合に。 前者は正直で素直ながらも駆引きには不向きな息子への、将軍としてのあり方。 後者は名家としての誇り。 現代とは時代が違いますが、子育ての難しさを実感させられました。 もう一つ印象的だったのは、新たな家康像の描写です。 豊臣方を挑発して開戦の口実を構築していく場面においては、他の歴史小説と違って罪悪感を感じている家康が描かれていました。 晩年の家康には憎たらしい悪狸というイメージがあっただけに、本作を読むと人間臭さのようなものを感じることができました。 物語終盤では、将軍として覚醒した秀忠に対し、自分の役目が終わりに近づきつつあることを悟る家康。 『そなたは将軍だ。わしを超えていけ』。 子の成長ほど、親として嬉しいことはないでしょう。

Posted byブクログ

2023/01/16

歴史小説は史実に基づく妄想をどこまで上手く料理できるかにかかっているが、本作の家康と茶々を対比しながら、時を行ったり来たりしながらの、あったであろう会話や解釈の妙味は流石。家康と秀忠、淀殿と秀頼の関係性がすんなり腹落ちする内容は十分楽しめる。

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2023/01/15

副題の通り、家康と淀殿が交互に語られる。 時間の経過と共に、湧き上がる感情や揺れ動く感情。家康と淀殿だけでなく、秀頼や秀忠など、周囲の人々も鮮やかに描かれる。 静謐、誇り。子孫を思う親の気持ち、死に場所を求める思い、など。何を大事にして生きるのかは、人それぞれ違う。

Posted byブクログ

2023/01/03

本書を読む前にどうする家康を読んだ。どうするの方は若かりし頃竹千代から家康の名そして徳川の姓になるまで、本書は年老いての家康の世を静謐ならしめる豊臣家との戦いの今までにあまり語られていない話しだ。淀殿や茶々を入れて4人姉妹の血縁関係も含まれ、昔の浪曲を聴いている様だった。良かった...

本書を読む前にどうする家康を読んだ。どうするの方は若かりし頃竹千代から家康の名そして徳川の姓になるまで、本書は年老いての家康の世を静謐ならしめる豊臣家との戦いの今までにあまり語られていない話しだ。淀殿や茶々を入れて4人姉妹の血縁関係も含まれ、昔の浪曲を聴いている様だった。良かった!

Posted byブクログ