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「自傷的自己愛」の精神分析 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2024/05/02

あなたが他者をむやみに否定しない倫理的理由があるのなら、全く同じ理由で自分自身も否定しないでほしい。 あなたに自分を否定させているのは、あなた自身の価値観というよりかは、世間的な価値観や同調圧力といった要素。 自分自身でありたい気持ちこそが自己愛。 本来1人の人間には無数の...

あなたが他者をむやみに否定しない倫理的理由があるのなら、全く同じ理由で自分自身も否定しないでほしい。 あなたに自分を否定させているのは、あなた自身の価値観というよりかは、世間的な価値観や同調圧力といった要素。 自分自身でありたい気持ちこそが自己愛。 本来1人の人間には無数の長所も短所も含まれていてそれを一気にイメージすることはできない。 あなたの尊厳はあなた自身が守るべきだ。 成長や成熟は、自分自身でありたい気持ち、自己愛を大切にすることからこそもたらされる。

Posted byブクログ

2024/07/08

大学の先生が書かれた本ということで拝読。 ✏こういう場合の「正解」は、いわゆる「アイ・メッセージ」、「あなたが自分を責めたい気持ちはわかったけれど、私は同意はできないよ」と言うことです。 ✏繰り返しますが彼らは、「自分がダメであることに関しては、誰よりも自信がある」ので、その...

大学の先生が書かれた本ということで拝読。 ✏こういう場合の「正解」は、いわゆる「アイ・メッセージ」、「あなたが自分を責めたい気持ちはわかったけれど、私は同意はできないよ」と言うことです。 ✏繰り返しますが彼らは、「自分がダメであることに関しては、誰よりも自信がある」ので、その自信までも否定され傷つけられたくないのです。こういった人々は、自己愛が弱いのではなく、むしろ自己愛が強いのではないか。つまりこれらの発言は、自己愛の発露としての自傷行為なのではないか。その根拠の一つとして、彼らが自分自身について、あるいは自分が周囲からどう思われるかについて、いつも考え続けているということが挙げられます。 ✏この社会には成熟によって避けられる苦痛がたくさんあるとは考えています。 ✏コフートによれば、自己愛の発達のもっとも望ましい条件は、青年期や成人期を通じて自己を支持してくれる対象が持続することです。特に青年期には、たとえ一人でも、無条件で支持してくれる人の存在が重要です。 ✏自傷的自己愛の一番わかりやすい構造は、この「高いプライドと低い自信」というギャップです ✏万能感はその本質からして開かれた幻想なので修正機会がありますが、無力感は徹底して閉じた幻想なので、修正がきわめて難しい。つまり自傷的自己愛は、徹底して閉じているという点で、もっとも完結した自己愛と考えることもできます。 ✏別にキャラいじりをされたわけでもいじめられたわけでもないのですが、「そう思われているだろうな」という思い込みだけで、その経験はトラウマ化するようです。 ✏「同一化」とは、簡単に言えば、母親が娘に「自分の人生の生き直し」を求めることです ✏健康な自己愛こそは親が子に与えうる最上のプレゼントではないかとすら思います。ここで私が「親」というのは、「子どもの身近にいる人」という意味なので、必ずしも母親であるとか肉親を意味するわけではありません。いかなる家庭環境でも健康な自己愛を与えることができますし、あえて言えば「コスパ」も最高です。成人してから自傷的自己愛の修復にかかるコストを考えるなら、健康な自己愛を育む価値はいくら強調してもしたりないほどです。 ✏ 母との関係に問題があると気付いた娘が、こうした母娘関係から自立するには、どうしたらいいのでしょうか。先述の著書で私が提案した解決策は、第一に「問題の存在に気付くこと」でした。私がほとんど極論のように「すべての母は毒母であり、すべての母娘関係は支配関係である」と主張しているのは、かなりどぎつい表現を用いないと、当事者にこの問題に気付いてもらえない、という危機感があるからです。 ✏問題の存在に気づいたら… ①母親の権威を相対化する。母親は娘のあなたにとって特別な存在だけど、その前に一人の不完全な人間であることを理解する。結婚前の話を聞くのもおすすめ。 ②両親の前で一回全部吐き出す。親の何が嫌だったか繰り返し語っていく。繰り返し口に出すことで思いが緩和され関係が修復されることがある。 ✏最も高度に達成された自己愛は透明化する、という考え方もあります。経済的にも養育的にも恵まれた環境の中で育った人の中には、そういう人がいます。自己愛の最も健全で望ましい形は、それが空気のように透明化することかもしれません。もはやいちいち「自分が好き」とすら思わないほど、安定した自意識の基盤になってしまうわけです。 ✏それに比べれば、常に「自分大好き」の人は、いくぶん不安定のように思います。常に内省的に自己愛を確認している人は、わずかな傷つきにも動揺しやすい。その意味で「自分が好き」であることが誰の目にもわかりやすい人は、その自己愛も案外盤石ではないのかもしれません。 ✏対話でなされているのは基本的に「主観と主観の交換」です。対話の相手がどんな主観の世界に住んでいるか教えてもらうわけです。その世界がどんなにおかしなもので、間違ってるように思えたとしても、いったんは受け入れます。反論や説得、批判はタブーです。 ✏もし社会がひきこもる自由を容認してくれたら、ひきこもりへの偏見は減少し、自分自身への偏見故にひきこもりをこじらせる人も減るでしょう。その意味で、ひきこもりの容認こそが、ひきこもり対策の究極の解とも考えられます。

Posted byブクログ

2024/03/24

面白かった! 健全な自己愛を育むことの何と困難なことか。 自分自身が本作で言う所の自傷的自己愛で長年悩み、根深い自己否定、嫌悪を抱えながら生きてきた。 だからこそ刺さる部分が多くあり、これからの人生では、少しずつでも健全な自己愛を育てていくことが出来るかもしれないという希望が...

面白かった! 健全な自己愛を育むことの何と困難なことか。 自分自身が本作で言う所の自傷的自己愛で長年悩み、根深い自己否定、嫌悪を抱えながら生きてきた。 だからこそ刺さる部分が多くあり、これからの人生では、少しずつでも健全な自己愛を育てていくことが出来るかもしれないという希望が持てた。  ''自己愛とは、自分が好きという感情ではなく、 自分が嫌い、自分がわからないという感情も含まれる。自分自身でありたいという欲望の事である。 成熟した自己愛を構成する要素には、自己肯定感のみならず、自己批判、自己嫌悪、プライド、自己処罰といった様々な否定的な要素までもが含まれる。"

Posted byブクログ

2024/02/12

自己愛って持っていてもいいんだ、無くすことはできないんだ。 刺さる言葉が沢山あって、メモ取った。 またしばらく経ったら読み返したい。

Posted byブクログ

2023/08/05

自分が良く落ち込む理由、「プライドが高いが自信が無い」について語られた(考察された)本だった。 病気では無いし、これを読んで治るとかそういう本では無い。しかし、自分の状態がラベリングされて、少し客観的に見られた。

Posted byブクログ

2023/07/23

すべて自分に当てはまると思って読んでいるわけでもなく、でも、自分に該当する側面はちらほらとあるので、読んでいて少し平静でいられないところある。周りのひとについても。 とくに、最終章の「健全な自己愛を育むために何ができるか」。病んだひとを多く見てきたひとならではの言葉。

Posted byブクログ

2023/07/17

著者の別の書籍を読んだことがあり、個人的に読みやすい文章だったことを思い出して購入。今回もどんどん先に読み進められた。 日頃から自分を卑下して止まない自分、あるいは知人のことも考えながら読み進めた。自分をこき下ろしながら、でも変わることをしない/できないのは、結局のところ自分を守...

著者の別の書籍を読んだことがあり、個人的に読みやすい文章だったことを思い出して購入。今回もどんどん先に読み進められた。 日頃から自分を卑下して止まない自分、あるいは知人のことも考えながら読み進めた。自分をこき下ろしながら、でも変わることをしない/できないのは、結局のところ自分を守るためである。らしくない行動はしたくない。自分らしくありたい。この書籍で言うところの「自己愛」は肯定的に使われていて、自分が精神的にざわざわと落ち着かなくなった時に書き散らす日記のようなものを見返して感じる、何だかんだ今の自分を肯定している、恐ろしくて行動に移れない時の自分を守るためなんだと言う言い訳をしている時の自分の在り方に名前をもらったように思った。

Posted byブクログ

2023/07/04

日本の全大学生が読むべき本 自分もそうだが,多くの人は,自分に卑屈になってしまう傾向がある。SNSが発達してきて,自分より上位種がSNSで散見されるからだ。学校では一番の成績だったとしても,Twitterを開けば,自分より遥か彼方の成績の人がいくらでもいる。容姿やスポーツなどの...

日本の全大学生が読むべき本 自分もそうだが,多くの人は,自分に卑屈になってしまう傾向がある。SNSが発達してきて,自分より上位種がSNSで散見されるからだ。学校では一番の成績だったとしても,Twitterを開けば,自分より遥か彼方の成績の人がいくらでもいる。容姿やスポーツなどの面をとっても格上はいくらでもSNSで見れるため,つい卑屈になってしまう。この本を読めばその問題が解決できるわけではないが,なぜ現在そのような状態に,社会がなってしまっているのか,どのようにしたら少しずつでも改善を図っていけるのか,その一助になるのがこの本書だと私は思う。

Posted byブクログ

2023/06/08

 一から十まで自分ごととして読みました。自分が自傷的自己愛なる心性を保持しているという自覚は当初から強くありましたが、本書の「キャラ」概念の導入によってその解像度がさらに増したと思います。  つまり、2000年前後の「解離の時代」以降、「承認の可視化・定量化」とともに人々の承認依...

 一から十まで自分ごととして読みました。自分が自傷的自己愛なる心性を保持しているという自覚は当初から強くありましたが、本書の「キャラ」概念の導入によってその解像度がさらに増したと思います。  つまり、2000年前後の「解離の時代」以降、「承認の可視化・定量化」とともに人々の承認依存=つながり依存の傾向が強まり、その中で「キャラとしての承認」が重要化し、そして「本来の自己」=身体と「キャラとしての自分」のずれこそが、自傷的自己愛のあり方を生んだのだということ。  個人的に、自分自身のことを「クズ」であると強く感じていましたが、このようなセルフスティグマに再帰的傾向があることも確信していました。つまり、自分は「クズ」であるが、自分を「クズ」と断定することにより、ある意味で自分の居場所を作り安心する。そのことが、また自らの「クズ」としての人格的特徴を再帰的に増幅する。このようなあり方を(モノローグ的に)「再帰的クズ」と呼称していましたが、本書を読み終わった今ならば、まさしくこの「再帰的クズ」こそが「キャラ化された自分」であるということに思い至ります。そして、「あるべき自分」の立場から、「キャラとしての自分」を徹底的に貶める(自傷)ことで、なんとか自己愛を保っていたのだと強く感じます。本書の言葉を借りるならば、「枯渇してしまった自信を高いプライドによって補い、必死に支えている」(p71)状態です。  著者も仰るように、自傷的自己愛は大変「閉じた」自己愛のあり方だと思います。自分について考えれば考えるほど、このモノローグ的思考から永遠に抜け出せなくなるのではないかという不安が募っていきます。本書を読んだことは、改めて自己を社会や他者との関係性の中で考え直す良いきっかけとなりました。「自傷的自己愛」という言葉を冠したこの新書を世に出していただいたことに、深く感謝したいと思います。

Posted byブクログ

2023/05/29

私はこの本を読むまでは、自分に自信がない人や 自分を否定する人には、根気よくその人を肯定し続けてあげれば良いと思っていた。 というのも、「これでもか!」というほどの肯定であり褒める言葉を欲しているための「わざと」の自己卑下だと考えていたからだ。けれどそんな単純なものではなく、もっ...

私はこの本を読むまでは、自分に自信がない人や 自分を否定する人には、根気よくその人を肯定し続けてあげれば良いと思っていた。 というのも、「これでもか!」というほどの肯定であり褒める言葉を欲しているための「わざと」の自己卑下だと考えていたからだ。けれどそんな単純なものではなく、もっと根の深いものだったのだなとこの本を読んで感じた。

Posted byブクログ