ここでは誰もが嘘をつく の商品レビュー
自分の仕事と少し通じるところがあった。 誰かがやらないといけないけど必要とされてないのってしんどい。 謎解きよりもお仕事小説のつもりで読んでしまった。
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医療系社会派ミステリーではあるが、お仕事小説でもある。 出所した人の再犯はよく聞く話だけど、それで被害者になったら刑務所の医師などを憎むようになる気持ちも分かる。本当どうしようもない悪人が存在し年を取って認知症になった受刑者に手厚い介護と看護があることを思うと、世の中は不公平だと...
医療系社会派ミステリーではあるが、お仕事小説でもある。 出所した人の再犯はよく聞く話だけど、それで被害者になったら刑務所の医師などを憎むようになる気持ちも分かる。本当どうしようもない悪人が存在し年を取って認知症になった受刑者に手厚い介護と看護があることを思うと、世の中は不公平だと知りながらやはり割り切れない気持ちになる。主人公たちも悩んでいるが読む側も考えさせられた。
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ドキュメンタリー小説のようでした。初めて知った、矯正医療機関というものの話。重たい現実とやり切れなさと。
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医療刑務所に勤める金子由衣は、2年目の矯正医官。 患者である受刑者のが平均年齢も高くなり、認知症の者もいる。 凶悪な犯罪者であっても基礎疾患を抱えて、医師の助けを必要としている。 由衣が、当直の晩に糖尿病を患っていた受刑者が亡くなった。 突然のことに疑惑がわき、誰かが嘘をついてい...
医療刑務所に勤める金子由衣は、2年目の矯正医官。 患者である受刑者のが平均年齢も高くなり、認知症の者もいる。 凶悪な犯罪者であっても基礎疾患を抱えて、医師の助けを必要としている。 由衣が、当直の晩に糖尿病を患っていた受刑者が亡くなった。 突然のことに疑惑がわき、誰かが嘘をついているように思う。 誰かがやらなければならない仕事。 医師だから命は救わなければならないと思う。 それが犯罪者であっても…だ。 葛藤の中で悩みは尽きない。 病院であって病院じゃない、刑務所であって刑務所ではない。特殊な職場。 何一つとして正解がない。 光はどこにあるのかと考えながら仕事するのだろう。 誰も進んでやりたがるところではないのだろうが、必要としている。 なかなか知ることのできない医療刑務所だが、分け隔てなく医師として勤めることに尊敬する。 いろんな事実を知り、少しずつ成長している由衣に最後は頑張ってほしいと思った。
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函館の医療刑務所分院に勤務する2年目の矯正医官金子由衣。患者である受刑者の平均年齢は高く、基礎疾患を抱えた凶悪犯もいる中で苦悩が続く。そんな中、収監中の暴力団員が糖尿病治療のインスリン注射後死亡、病死か事故か殺人か…、疑いを持つ由衣は…。様々な場所で様々な対応が必要とされる現実を...
函館の医療刑務所分院に勤務する2年目の矯正医官金子由衣。患者である受刑者の平均年齢は高く、基礎疾患を抱えた凶悪犯もいる中で苦悩が続く。そんな中、収監中の暴力団員が糖尿病治療のインスリン注射後死亡、病死か事故か殺人か…、疑いを持つ由衣は…。様々な場所で様々な対応が必要とされる現実を改めて実感。
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静かな日常 平凡な生活 普通の人生 何事もなく生きていると思う傍らには それを支えてくれている仕事がある 加害者も被害者も命はみな平等というたてまえを唱えているがそうなのか 奨学金を刑務所の医療に3年勤めれば返金しなくていいという条件があること自体 平等ではないと認めている 受刑...
静かな日常 平凡な生活 普通の人生 何事もなく生きていると思う傍らには それを支えてくれている仕事がある 加害者も被害者も命はみな平等というたてまえを唱えているがそうなのか 奨学金を刑務所の医療に3年勤めれば返金しなくていいという条件があること自体 平等ではないと認めている 受刑者への医療をどうするのか現場で携わる個人が考え判断する 答えが出ていないのに判断は即時 重い責任の仕事を担うある医師の日常を ミステリーを絡めて読者の目の前に置く 本を閉じても捨てられない思いをもらった
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読み終えてみて、墓まで持っていく秘密を共有させられたような、とても自分ひとりでは抱えきれない真実を知った気分になった。割り切ることも考え続けることもどちらもが心を壊しかねないような現実に身を置いて、とてもじゃないが嘘をつかずにいられる自信はない。かといって、嘘をついて続ける自信も...
読み終えてみて、墓まで持っていく秘密を共有させられたような、とても自分ひとりでは抱えきれない真実を知った気分になった。割り切ることも考え続けることもどちらもが心を壊しかねないような現実に身を置いて、とてもじゃないが嘘をつかずにいられる自信はない。かといって、嘘をついて続ける自信もない。そんな感想を持ち、きっとこの先もこの作品を思い出す度に、答えの見つからない自分なりの納得いく気持ちを探すのだと思う。 舞台は函館の医療刑務所分署。患者は受刑者であり、透析治療が必要だったり認知症の患者などもいる。主人公の金子由衣は勤務2年目の矯正医官。由衣の当直の晩に、糖尿病を患っていた前科四犯の受刑者が亡くなる。 医療刑務所のことや受刑者の実態なども詳細に記されており、初めて知ることばかりであった。罪を犯したから受刑者となっている。しかし、医者の助け無くては生きていけない。被害者の遺族や加害者の家族の気持ち、医療刑務所に勤める医者や看護師、刑務官の心持ちなど読み進めるほどに色々な感情に翻弄される。現実の社会の厳しさ、仕事としての必要性、どの立場に置かれるかによって感情も変わるし、どの立場にもなり得る。最後の真実を知った時、感じた気持ちは恐らく社会的には賛成されないだろうけど、時間が経って読み返しても気持ちは変わらないかもしれない。答えを探し、ひとつの答えかもしれない件が描かれた箇所は心に刻まれた。
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函館にある医療刑務所分院で受刑者が死んだ。新人医師の金子はその死に違和感を感じた…。 罪を犯したものを治療する。 刑務を逃れたくて嘘をつく受刑者。 犯した罪を認知症で忘れていく受刑者 でも誰かはやらなくてはならない仕事。 医療刑務所を知る機会となる一冊。
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医療刑務所である囚人が突然亡くなったことをきっかけに物語が始まります。 最後には、何が正しくて、何が悪いことなのかよくわからなくなってしまうくらい、当事者たちの気持ちがよくわかりました。正解のない世界で、もがいてもがいて、納得できる言動ができたらそれでいいんだと思います。 日本で...
医療刑務所である囚人が突然亡くなったことをきっかけに物語が始まります。 最後には、何が正しくて、何が悪いことなのかよくわからなくなってしまうくらい、当事者たちの気持ちがよくわかりました。正解のない世界で、もがいてもがいて、納得できる言動ができたらそれでいいんだと思います。 日本で透析してる人は350人に一人、受刑者一人あたりの収容費用は年間300万円等、数多くの刑務所ウンチクも知れる作品でした。
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いつも聴いてるPodcastで紹介されたので読んだ。途中刑務所内で死亡事件が起こるので、「あれれ、ミステリーなの?」と思ったけど、骨太の社会派な話だった。矯正できないような人は実際にいる訳で、そこで働いている人たちは苦悩の日々なんだろうなぁ。ちなみに、題名に「嘘」がついていると、...
いつも聴いてるPodcastで紹介されたので読んだ。途中刑務所内で死亡事件が起こるので、「あれれ、ミステリーなの?」と思ったけど、骨太の社会派な話だった。矯正できないような人は実際にいる訳で、そこで働いている人たちは苦悩の日々なんだろうなぁ。ちなみに、題名に「嘘」がついていると、めっちゃ読みたくなるのなんでだろ(「6人の嘘つきな大学生」とか「嘘つきな二人」とか)
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