1,800円以上の注文で送料無料

池上彰の教養のススメ の商品レビュー

4

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんで今までこんなにも教養を疎かにしてきたんだろう!もっと学んでおけばよかった!ととても思いました。 一人の大人として、広がる多様性の一部として、 自分ならではの価値が出せるように、 また自分のなかでさまざまな視野を持てるように、 教養を学んで深い洞察を手に入れたいです。 〜〜〜 教養は、「人間の根っこ」を作る 高度経済成長頃から、実学重視の教育が主となった。「大学を出たらすぐに役に立つ」専門的な科目を勉強することが是とされている風潮があり、教養(たとえば人文学や宗教学、生物学など)は疎かにされてきた。 しかし、"最先端"の知識は、すぐに古びる。すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなる。だからこそ、その新しい知が生み出されるに至った、根底の考え方やさまざまな背景知識(=教養)を学ぶ方が、本質的。 本来教養は無駄なものでありすぐに役に立たないものである。それを十分に分かった上で、自分たちの見識や人生を豊かにするためにはなくてはならないものであるとも理解できた。 また、社会システム上で「強い」人や合理主義である人というのは、裏返せば現代の社会システムに大いに依存しているといえる。家庭を顧みず働いて経済力がある人が偉いとされても、会社を失ったその人は行き場を失う。単線的ではなく複線的な人生であれば、一方で転んでももう一方で救われることができる。宗教に対して、ただ知らないだけなのにアレルギー反応を起こすのはもったいない。合理主義を信じきっていること自体もある意味洗脳と言えるのに。 文系的・右脳的・イメージ的な説明と、理系的・左脳的・論理的な説明は、それぞれ別の言語。得意な言語だけで会話をしようとすると噛み合わず、理解されない。わかりやすい説明は、この両方に触れること。 プレゼンテーションで大切なのは、エートス(本質)、パトス(情熱)、ロゴス(論理)。そのどれも欠けてはいけない。コミュ障ボキャ貧なのは、伝え方を学んでこなかったから。

Posted byブクログ

2024/08/15

教養の大切さを、本書では哲学、宗教学、生物学、そしてMIT、ハーバード、ウェルズリーで実践されている教育を元に学ぶことができました。 「すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなる」 私は情報を専攻しているので特にそれが顕著に現れます。(ChatGPTが出たかと思ったらGemini...

教養の大切さを、本書では哲学、宗教学、生物学、そしてMIT、ハーバード、ウェルズリーで実践されている教育を元に学ぶことができました。 「すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなる」 私は情報を専攻しているので特にそれが顕著に現れます。(ChatGPTが出たかと思ったらGeminiが出て…生成系AIも次の段階に行くのはすぐなのかも) 教養を得る大切さは知っているつもりでしたが、なぜ必要なのか?という動機が自分にはなかったため、つい本を読むことを先延ばしにしてしまいましたが、今は変わった気がします。 教養を得ることで知見を広げることができる。本書では、池上氏が出した国民総幸福に関する質問でもあった、そもそも問いが合っているのか?と疑う姿勢について。この考えは世間を知っていないとできません。例えば情報を学んで何か便利なものを作ったとしても、環境問題や社会問題の観点からすると必ずしも最適とは言えない場合がある。(かなり抽象的ですが…) もちろん、徹底的に一分野を学んだ人は必要な存在です。ですが、その一分野だけにとどまらず、あらゆることに大して視野を広げるように心がけることが大切なのだと思いました。 長々と書きましたが、まとめると「実学と教養のバランス」がこれからの社会をつくる私たちに必要なのだと感じました。 もし、ここまで読んでくださった方がいらしたら、大変感謝いたします。ありがとうございました。

Posted byブクログ

2024/05/01

すぐ役立つものは、すぐ役に立たなくなる。 教養とは、高度な社会性を身につけること。 正義とは何か、平等とは何か、人は何のために生きているのか。異なる背景を持った他者を理解するとは、どういうことなのか。 ハウツー本のような小手先だけの技術を身に付けるのではなく、自ら思考して、そ...

すぐ役立つものは、すぐ役に立たなくなる。 教養とは、高度な社会性を身につけること。 正義とは何か、平等とは何か、人は何のために生きているのか。異なる背景を持った他者を理解するとは、どういうことなのか。 ハウツー本のような小手先だけの技術を身に付けるのではなく、自ら思考して、そこに至るまでの手法を身につけられるような教養土台を身につけなければいけないのだな、と感じた。 今後、AIが発展していくなかで、暗記だけの専門知識は意味がなくなってくると思う。 知識を応用できる力、新しいものを創造できる力、さまざまな生物と共存していくための倫理観がより求められる時代になる。

Posted byブクログ

2024/04/27

教養・リベラルアーツとは,それを身につけた人自身の人生や,また社会と関わっていく上で,それらが"よりよい"ものへと歩みを遂げるために欠かすことのできない,土台や足腰として支えになるもののことであり,それそのものがすぐには役に立つことはないが,生涯に亘ってじわじ...

教養・リベラルアーツとは,それを身につけた人自身の人生や,また社会と関わっていく上で,それらが"よりよい"ものへと歩みを遂げるために欠かすことのできない,土台や足腰として支えになるもののことであり,それそのものがすぐには役に立つことはないが,生涯に亘ってじわじわと力を発揮することになる。 反対に専門的分野の実学的志向が強い最新技術などはすぐに役には立つのだが,頻繁に刷新されていってしまうために,すぐに役にも立たなくなる。 だからこそグローバリゼーションや多様性が重視されていくことで,変化が激しくなるこれから先の世の中を生き抜いていくためには,下支えとなる教養・リベラルアーツを身につけておいた方が,様々なことへ柔軟に対応できるし,新しいアイディアや気付きを得られる可能性が高まる。 哲学による社会的合意形成のパートでは,よりよい人間関係を築くこと,そのために必要なコミュニケーションの在り方を知ることができた。 人が意見を持つにあたっては,必ず何らしかの理由があり,その理由も含めた背景にある様々な事情を知ろうとする姿勢を持つことの大切さの話が身に沁みた。 文化人類学・宗教のパートでは,オウム真理教事件などを通して,日本における古典的宗教の凋落,存在感の希薄化が,個人におけるアイデンティティ・クライシスを引き起こしていること,現代病ともいえる"生き辛さ"を抱える人の増加の一因となっていることを学んだ。 生物学のパートでは,人は「幻想」とでもいうべき目には見えない理想や理論にとらわれすぎてしまっていて,現実に実際に起きている現象を疎かにしがちであること。 もっと現実をしっかりと見据えていくことによって,新たな気づきや問題に対する打開策が見つかることもあるということが学べた。 修学旅行と題したアメリカのトップ大学における教養教育の見学では,実際に社会に出て有用な存在として力を発揮するために採られている施策の数々に圧倒された。 日本とは真逆ともいえる理念の掲揚を前に打ちのめされる思いだった。 そりゃ日本は失われた30年へと顛落したまま,なかなか抜け出しそうな希望を実感として抱けないわけだ。 とまあ,このように,全体的にはとても良い本なのだけれども,5限目に登場する生物学者の本川達雄氏の物言いが,だいぶ言葉強めで上から目線に感じてしまうところが鼻についてしまった。 特に自分自身が(西洋)哲学専攻者であるために,プラトンのイデア論や,デカルトの心身二元論による物理的な実体と心的実体を切り分けて,心的実体の方をより高位に配したことに対するこき下ろし具合は酷い言い様で,それこそ逆に自然科学的な物の見方しかできていないようで,教養が無い振る舞いのように感じられてしまった。 もちろん昔の哲学には誤りが多いことは事実ではあるけれども,そもそも哲学とはそのような誤りを検討し論じあうことによって,よりよい考えや観点を導き出して,歩みを進めていくその総体に意味がある学問なのだ。 それを一時点における考えを持ち出して,自説のための叩き台として批判して貶す本川氏の振る舞いが,教養を推奨する本の中で見られるものとして果たして本当に適切なものであったのかどうかは,もう少し考慮していただきたかったなと思う。

Posted byブクログ

2023/12/20

最近「教養」についての本を読んでいるが、著者は違えど、定義的には同じようなことが書かれてあるかな。 ただ池上彰さんは、東工大出身かつ東工大で教えているようで、学生を対象に述べている内容が多いが、その文脈で、なぜ日本の企業が冴えないのか、なぜ政治が劣化しているのか を述べているの...

最近「教養」についての本を読んでいるが、著者は違えど、定義的には同じようなことが書かれてあるかな。 ただ池上彰さんは、東工大出身かつ東工大で教えているようで、学生を対象に述べている内容が多いが、その文脈で、なぜ日本の企業が冴えないのか、なぜ政治が劣化しているのか を述べているのが、興味をひく。 また、宗教と科学の関係性についても、対談を通じて考察を述べているが、面白い切り口だなと感じた。 大学4年間で学ぶべきは、知識を暗記すること以上に、学ぶ姿勢であり、学び方である。 社会に出たら自ら学ばなければそこで成長は止まってしまう。社会に通用しないだけでなく、つまらない人間になってしまう。日本の大学教育には、そもそもこの「学ぶ姿勢」を教えるという側面が弱い。 これにも納得だ。

Posted byブクログ

2023/08/31

「教養力」不足が「考える力」「伝える力」等を若者の力を衰えさせていると言う、本書。因みに「スマホ・コンピュータ無しの生活」は無能者の如く何も出来ない人間なる可能性が高いとも言える。それは老人の痴呆症のような状態かも知れない。「教養」の重要なことは「知りたい・知る力」の養成になる。...

「教養力」不足が「考える力」「伝える力」等を若者の力を衰えさせていると言う、本書。因みに「スマホ・コンピュータ無しの生活」は無能者の如く何も出来ない人間なる可能性が高いとも言える。それは老人の痴呆症のような状態かも知れない。「教養」の重要なことは「知りたい・知る力」の養成になる。それからの行動は「考える力」「伝える力」「疑問力」「創造力」が重要だと言う事だ。

Posted byブクログ

2023/02/21

「実践!○○」「役立つ○○」を読んでも、今ある枠組みの中でしか使えない。 新しいものを作り出したり、根本的な解決に導くヒントは違う分野からやってくるのだというところが腑に落ちた。 教養は、物知りになることではない、人間の根っこをつくること。 すぐ実を結ばなかったり死ぬまで役に立...

「実践!○○」「役立つ○○」を読んでも、今ある枠組みの中でしか使えない。 新しいものを作り出したり、根本的な解決に導くヒントは違う分野からやってくるのだというところが腑に落ちた。 教養は、物知りになることではない、人間の根っこをつくること。 すぐ実を結ばなかったり死ぬまで役に立たなかったりが前提だけど、インプットを続けたいと思った。特に今まで見向きもしなかった分野で。そんな積み重ねで、初対面の人ともバックグラウンドが違う人ともコミュニケーション取れるような教養のある人間になりたい。

Posted byブクログ

2023/02/01

専門的な言葉も多かったけど、対談形式でおもしろく読める1冊でした。 大学時代にかなり教養科目があって、当時はなんでこんなに専門と関係ない科目があるんだと思ってたけど、今考えたら私の出身大学はリベラルアーツにも力を入れてたんだなあと。。。 不真面目に受けてた科目もあって本当に今考え...

専門的な言葉も多かったけど、対談形式でおもしろく読める1冊でした。 大学時代にかなり教養科目があって、当時はなんでこんなに専門と関係ない科目があるんだと思ってたけど、今考えたら私の出身大学はリベラルアーツにも力を入れてたんだなあと。。。 不真面目に受けてた科目もあって本当に今考えたら申し訳ないしもったいないのですが← 教養科目があったからこそ専門分野に生きてるなあとか、自分の人生に生きてるなあってことが結構最近になって実感することが多くて。 今の私だからこそ興味深くおもしろく読めたのかなーとおもう! 大学時代、文化人類学大好きだったんだよな〜 上田先生のダライ・ラマ先生との本、これ読んでたら読みたくなって買っちゃいました。笑 スリランカの悪魔祓いも読みたいけどプレミア本と化してて手に入らない!!!!!

Posted byブクログ