孤独という病 の商品レビュー

池田清彦(著者)

2024/06/20

日本をはじめとする各国で問題視される孤独の問題。
精神的な意味だけでなく健康面からも孤独がもたらす弊害は大きく、喫煙よりも寿命が短くなるのに寄与しているなんていう結果もある。
そして日本は少子高齢化の進行により、ますます多くの人が孤独に苦しむようになる。。

という孤独だが、そもそもなぜ我々人類は孤独をそこまで恐れるのだろう？他の生物は孤独をどのように扱っているのだろう？

という疑問を元に生物学者が様々な生物の社会的生態や人類の太古の歴史を紐解いていく話。

途中の日本社会に対する批判はちょっと本誌で書くことではないのでは？と思ったりしたマイナスポイントはあるものの、小さな社会に囚われがちな私たちを生物学というもっともっと高次な所から見る見方は興味深かった。

最後のメッセージにあるように、そもそも生きていることに意味はないので、社会の役に立たなくてもいいという話は生物学者らしくていいなと思った。

2024/03/09

天才を殺し、社会からはみ出た人を排除する日本の集団主義教育が精神的な孤独を作っている
「みんなのために、みんなと仲良くする」という気持ちは良いことだと思っていましたが、私もそういう教育を受けてきたから感じることなんだとわかってちょっとドキっとしました。
みんなのために行動すると言う考え自体は悪くないことだとは思いますが、その考えが歪んだ利他主義を生んだり、自分が蔑ろにされて孤独を感じてしまうのは本末転倒だなぁと感じました。

2023/12/10

自分は役に立っているんだろうかという不安。
最初から役に立とうと思わなければいい。

なんのために、人生の意味。そんなものを考えるから不安になる。そもそも意味なんてないと考えれば楽になる。

2023/06/30

　犬は孤独を嫌う生き物の代表格、一方で、孤独にめっぽう強い生き物の代表が猫。我々人類は明らかに犬と同じく集団型の動物。池田清彦「孤独という病」、2022.12発行。さて、人間の孤独対策としては：　①自分を他人と比べない　②自然との対話　③TVでなく読書を　④ペットと過ごす　⑤一緒にいて楽しい人と過ごす　など。

2023/03/02

孤独の状態では脳が壊れてしまう。
これがなにより驚きでした。

人生の意味など考える前に、脳への刺激を入れつつ、あるがままを素直に楽しんでいきたいと思います。

2023/02/14

「人生に意味などない」「社会の役に立とうと思わない」と開き直るのが孤独対策という結論。孤独そのものにアプローチするというよりは、孤独をテーマとして社会批評を行うというテイストで、自民政治批判が展開されるところが好き嫌いの分かれるところか。
確かに孤独は多種多様なので政策的にどうこうできる部分は少ないように思われるし、そもそも8歳までのシナプスで孤独への耐性が決まってしまうようなら、幼児教育からどうにかしないとイケナイという結論になる。
それにしても、「フレデリック大王の実験」とか「ジーニーちゃんの悲劇」という残酷な事例は知らなかったので、とても衝撃的。