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惑う星 の商品レビュー

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22件のお客様レビュー

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    10

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/04/30

『黄金虫変奏曲』よりずいぶん読みやすい。メインの登場人物は皆知的レベルが高いのは同じだが、こちらはわかりやすい。 そしてトランプ(と書いてはいないが)政権批判の要素もある。 物語の大きな流れは本文中にも出てくる『アルジャーノンに花束を』に似ている。 名前は変えてあるがグレタ・ト...

『黄金虫変奏曲』よりずいぶん読みやすい。メインの登場人物は皆知的レベルが高いのは同じだが、こちらはわかりやすい。 そしてトランプ(と書いてはいないが)政権批判の要素もある。 物語の大きな流れは本文中にも出てくる『アルジャーノンに花束を』に似ている。 名前は変えてあるがグレタ・トゥーンベリやTEDトーク、TikTok、こんまりみたいなインフルエンサーなども出てきて、ここまで現代社会を取り入れて書くのかとちょっと驚いた。 個人的には、ロビンが可哀想。優秀でも9才は9才。世間を知らないし、純粋だ。これは大人が守ってあげないといけないのに、シーオは優秀な宇宙生物学者でありながら、(ロビン自身が望んだとはいえ)動画サイトに息子を出す。愚かだと思う。あの感覚はパワーズを読むようなアメリカ人は共感できるのかな。 間で挟まれる他の惑星の話は、父と子の人となり、二人の間柄がわかってよかった。

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2023/04/28

この著者の作品としては読みやすく、長さも適度。内容はまさに現代のアメリカン・リベラルの本流というか、「この人、トランプのことが大嫌いなんだろうな」という感じがヒシヒシと伝わってくる(それが本題ではないが)。

Posted byブクログ

2023/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話の中に出てくる惑星の描写がとても素敵 でも主人公の子育て方針には賛成できかねるので、読んでてつらかった 子供のためと言いながら、結局自分のためだよね 結末は予想通り

Posted byブクログ

2023/03/17

読み終えて、シーオとロビンの中で太陽系外惑星がワクワクする場所であったように、地球がそう思える場所である未来に向かっていけると諦めずにいたい。繊細で優しすぎるロビンには、困難な現実や有害と思われる存在はひどく心痛めるものだったであろう。それでも諦めることなく常に進み続けたロビンに...

読み終えて、シーオとロビンの中で太陽系外惑星がワクワクする場所であったように、地球がそう思える場所である未来に向かっていけると諦めずにいたい。繊細で優しすぎるロビンには、困難な現実や有害と思われる存在はひどく心痛めるものだったであろう。それでも諦めることなく常に進み続けたロビンにとって、せめてママのことをたくさん知れたことが救いになっていたら良いなと思う。 宇宙生物学者である父シーオ・バーン。亡き妻アリッサは弁護士で動物愛護家。9歳のロビンは精神が不安定だが絶滅危惧種を少しでも救いたいと心から願う。 脳科学研究はロビンにとって希望が持てる未来に繋がると思いたかったのだが、政治や感染症などの現実はとても大きな障害だった。現実は一方で守られる立場のものもいるのだろうが、バーン親子にとっては決してそうではなかったことがなかなかにやり切れなく感じる。科学が閉ざされてしまったシーオにもせめて何か救いが見つかって欲しいと思う。

Posted byブクログ

2023/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人と人が完全に分かり合うことは、宇宙人を見つけるくらい難しい。そんなに難しい事なら、やめてしまおうか… 人と人の分かり合えなさというテーマはよく見るけど、この切り口は新鮮だった。 そして、4歳児を子育て中の身としては、「子供との分かり合えなさ」というテーマが辛かった。 少し前までは、「息子の考えていることは全てお見通し」って感じで、そこが愛らしかった。ついこないだまで赤子だったし。最近は、少しずつ、想定外の言動が出てきたような…そして、間違いなく、今後はその割合が増えていくのだけど、そんな事には、できることなら目を向けたくない。「いつまでも、僕の目と手の届く範囲にいる赤子でいてほしい。」そんな思いに気づかされた。「子離れ」ってもっと大きくなってからのものだと思ってた。 とても悲しい話で、読後は帯の上田岳弘さんの「奇跡の惑星に生まれ、”奇跡”の意味をまだ知らない」という言葉が響いた。読後に眠れなくなった本はいつぶりだろう。 訳者解説にあったが、「惑う星」という邦題はめちゃ良い。 装丁も著者名馬鹿デカだけど、カッコよくて、示唆的で良い。 「完璧な人などいない」「でもね、私たちはみんな、完璧からの外れ方がすばらしいの。」

Posted byブクログ

2023/02/26

回りくどい表現や行間のわかりにくさにつまずき、惑星や物理などやや難解で遅読。ASDの子をもつシンパパの奮闘、自然や動物愛護、宇宙への焦がれ、脳科学への興味…いろいろ知識とトレンドをばら撒いているかんじ。愛する人の死や死者へのシンクロ前後など、感情の揺れや移りの表現を、宇宙の広さや...

回りくどい表現や行間のわかりにくさにつまずき、惑星や物理などやや難解で遅読。ASDの子をもつシンパパの奮闘、自然や動物愛護、宇宙への焦がれ、脳科学への興味…いろいろ知識とトレンドをばら撒いているかんじ。愛する人の死や死者へのシンクロ前後など、感情の揺れや移りの表現を、宇宙の広さや不確定さにもっと繋げるとか?期待していた。

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2023/02/07

宇宙生物学者の父シーオと、9歳の精神的に不安定な息子ロビンの物語。『アルジャーノンに花束を』を下地に置いているが、変わってゆく息子を見つめる父親視点で語られているのが特徴。生命や宇宙への敬虔な眼差しを、易しく情緒のある文体で綴ってゆく。

Posted byブクログ

2023/01/31
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1年に2冊リチャード・パワーズ読めるとは。 「黄金虫変奏曲」の方が前評判高かったけど、個人的にはこっちかな。とっつきやすさ、分量の手軽さもあるけど、子持ちには刺さるわ。いや、ウチ2人ともロビンより大きくなってるけど。 父親としては「もしロビンがウチの子だったら、嫁さんに先立たれてたから」って「自分ならどうする?」で読んじゃうからグサグサ来る。 恥ずかしながらと言うか食わず嫌いでアルジャーノン読んでへんけど、自分が退行してることがわかる知性って辛いんやろな。まだらボケ老人とか想像するだにゾッとする。いよいよリアルな年齢になって来たし。

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2023/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最愛の妻を亡くした宇宙生物学者・シーオは母親を失った子の父親でもあり、彼は情緒不安定で不登校の息子・ロビンにの対応に行き詰まる。息子に向精神薬を飲ませたくない彼は、亡くなる前に取った妻の感情データを息子に追体験させることにした。 ・彼自身の仕事の行き詰まり、機能不全になった政治、インターネットやSNSの功罪、自然保護、この作品では次世代に残せるものは何だろう、と様々な問題が私たちに投げかけられる。 ・父親と息子が様々な惑星を訪れる場面はまるで宇宙旅行、目の前に宇宙が見えてくる。 これらがとても印象に残りました…がやっぱりこの主人公の父親としての在り方がちょっと無理…(汗。 自閉症スペクトラムと診断されそうな息子の対応に行き詰まり 息子はまだ9歳で脳は発達過程にあるから向精神薬は飲ませたくない…分かる 「薬以外で、息子をおとなしくさせて、校長を黙らせる何らかの方法を知りたいだけだ」(P133)ので、脳の実験に参加させたい…なんで??? いやホントどうしてそうなった。

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2023/01/20

動物保護活動家の母を早くに亡くし、宇宙生物学者の父親と二人暮らしの発達障害を抱える少年。 自然を愛する一方で学校生活になじめない中で、両親の科学者同士のつてから新しい精神療法を試していくことになる。 動植物や宇宙の星々を瑞々しく描写しつつ、知性と半知性、人と自然という中で描かれ...

動物保護活動家の母を早くに亡くし、宇宙生物学者の父親と二人暮らしの発達障害を抱える少年。 自然を愛する一方で学校生活になじめない中で、両親の科学者同士のつてから新しい精神療法を試していくことになる。 動植物や宇宙の星々を瑞々しく描写しつつ、知性と半知性、人と自然という中で描かれる親子の姿は、さながら作中の機能的磁器共鳴装置のように読者の感情を引き付けていく。 “他の皆がどこにいるのか突き止めることのできなかった惑星がかつてあった。その惑星は孤独が原因で滅びた。”と著者は書いている。 たぶん、惑星も地球も、そして少年だけでなく、すべての人が少しずつ孤独なんだろう。 僕は思わずくしゃみをした。

Posted byブクログ