祝宴 の商品レビュー
台湾、日本、中国の取り巻く環境がぎゅっと絡まっていて、それに加えて結婚、同性愛、子どもを持つということも折り重なっている。それらをゆっくりゆっくりほどいていきながら読んでいた。ここまで積み重ねていくと重たい雰囲気になりそうなところ、全くそうではない。最後の方は涙を湛えて読んでいた...
台湾、日本、中国の取り巻く環境がぎゅっと絡まっていて、それに加えて結婚、同性愛、子どもを持つということも折り重なっている。それらをゆっくりゆっくりほどいていきながら読んでいた。ここまで積み重ねていくと重たい雰囲気になりそうなところ、全くそうではない。最後の方は涙を湛えて読んでいた。
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家族を大事に大切に思っているが故の様々な葛藤。似ているからこそ、踏み込めず互いに避けてしまう父・明虎と長女・瑜瑜。戦争によって引き裂かれた家族、近いようで遠い国境、幼かった娘が成長につれ、自身のアイデンティティについて悩んでいく様子など心を打たれる部分も多かったです。
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台湾人の明虎(ミンフー)と妻の玉伶(イーリン)は日本で生活し、台湾や上海を行き来しており、長女瑜瑜(ユユ)と次女喜喜(キキ)がいる.キキが結婚する場面から話が始まるが、台湾の人たちの付き合い方が濃厚で昔の日本を見るような感じだった.キキは普通の結婚で寧寧(ネネ)と名付けた女の子を...
台湾人の明虎(ミンフー)と妻の玉伶(イーリン)は日本で生活し、台湾や上海を行き来しており、長女瑜瑜(ユユ)と次女喜喜(キキ)がいる.キキが結婚する場面から話が始まるが、台湾の人たちの付き合い方が濃厚で昔の日本を見るような感じだった.キキは普通の結婚で寧寧(ネネ)と名付けた女の子を出産する.親戚が多く集まってお祝いをするが、これも華やかだ.中国本土との複雑な関係も随所に現れているが、日本人には理解しにくい部分も多かった.ユユはミンフーからすると正常でなく、ユキという女性との生活を始めている.ミンフーの葛藤がうまく表現されていた.
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長女・瑜瑜が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。。小籠包からたちのぼる湯気が、あらゆる差異を包み込む感動長篇。(e-honより)
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温又柔さんの作品を久しぶりに読んだ。 著者の生い立ちを想起させるお話で、アイデンティティを確立できず悩む瑜瑜の様子は他の作品の登場人物でも見たことがあった。著者の過去の苦しみを追体験しているようで苦しかった。心がチクチクした。 娘について、理解できない父の言動の描写が、とてもリ...
温又柔さんの作品を久しぶりに読んだ。 著者の生い立ちを想起させるお話で、アイデンティティを確立できず悩む瑜瑜の様子は他の作品の登場人物でも見たことがあった。著者の過去の苦しみを追体験しているようで苦しかった。心がチクチクした。 娘について、理解できない父の言動の描写が、とてもリアルというか、わかるなぁという気持ちになった。お互いを尊重しあえる未来を感じさせるラストの描写にほっとした。 国民党とともに、中国から台湾に来た人々の当時の市中での立場や、その後の運命など、歴史的にも興味がある記述もあり勉強になった。 20230528
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どこで生まれ、育ったか。 どんな人を好きになるか。 子供を産むことは当たり前のことなのか。 父と娘、家族の思いが交錯してわかりあっていく。 おいしそうな小籠包を食べて、明日も楽しく過ごしてほしい家族の物語。
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中国から台湾に渡り、現地で結婚 主人公は出世して、半導体の会社の副社長 日本で暮らし 今は上海、台北、東京など忙しい 二人の娘は日本人のように育ち 台湾人でも日本人でも、ましてや中国人でもない 妹は日本人と結婚 その日に、姉は自分は同性の恋人がいると告白 父親はその事を受け入れら...
中国から台湾に渡り、現地で結婚 主人公は出世して、半導体の会社の副社長 日本で暮らし 今は上海、台北、東京など忙しい 二人の娘は日本人のように育ち 台湾人でも日本人でも、ましてや中国人でもない 妹は日本人と結婚 その日に、姉は自分は同性の恋人がいると告白 父親はその事を受け入れられず 悩む 自分に良く似た娘のことだから そして、向き合おうとする
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主人公の明虎は、台湾出身の初老の実業家で、仕事の関係で妻子を連れて日本に移り住み、彼は日本と海外を飛び回るビジネスマン、そのほかの家族は日本で生活をしている。 彼には2つ悩みがある。 ひとつめは、次女が長女より先にお嫁にいったこと ふたつめは、長女の好きになる対象が同姓であるこ...
主人公の明虎は、台湾出身の初老の実業家で、仕事の関係で妻子を連れて日本に移り住み、彼は日本と海外を飛び回るビジネスマン、そのほかの家族は日本で生活をしている。 彼には2つ悩みがある。 ひとつめは、次女が長女より先にお嫁にいったこと ふたつめは、長女の好きになる対象が同姓であること というおおまかにいうとこの2つの葛藤の話だが、作者が「両親ともに台湾人、台北生まれの東京育ち」という生い立ちだからか、国際色豊かに描かれている。
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国際的にビジネスをする男性が、娘が性的少数者であることがわかったことで自身のルーツを見つめ直す話。 男性は自身が受けたような差別意識を娘にも向けてしまうのだが、その考え方の描き方がとても自然でわかりやすく、自分もそのようなことを知らず知らずのうちにやっているのだろうと考えずには...
国際的にビジネスをする男性が、娘が性的少数者であることがわかったことで自身のルーツを見つめ直す話。 男性は自身が受けたような差別意識を娘にも向けてしまうのだが、その考え方の描き方がとても自然でわかりやすく、自分もそのようなことを知らず知らずのうちにやっているのだろうと考えずにはいられなかった。 また、性的少数者の議論では「子どもを作るか作らないか」という議論がセットされることが多いがそこへの言及もされていた。 女性が感じる「子どもを作らなければならない」というプレッシャーはすさまじく、またその価値観を内面化は自身を傷つけるほどのものなのだろう。 自身の価値観を放棄して人(自分他人問わず)をありのまま受け入れる・幸せを願い行動することの難しさについて考えさせられる話であったが、「性的少数者は気持ち悪い」と言った総理補佐官が読んだらどのような感想を持つのだろうか。
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耳がなくとも尻尾がなくとも虎は虎だけど、自分は一体何者なのかは簡単に答えが出ない。台湾人、中国人、日本人、LGBTで彷徨う物語は胸を打つ。正常か非正常かわからないなかで苦しむ人たちに寄り添う言葉は簡単じゃない。
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