タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース の商品レビュー
昭和の東京オリンピックのときに建てられた古い団地で生まれ育った、15歳のみかげ。父親は病死、母親は男と出ていき、夜の仕事をする姉の七海と暮らしています。 読み終えた後、何事にも立ち向かう強さを得た成長を感じました。味方になってくれる人達と出会いと様々な出来事を通して、これからの...
昭和の東京オリンピックのときに建てられた古い団地で生まれ育った、15歳のみかげ。父親は病死、母親は男と出ていき、夜の仕事をする姉の七海と暮らしています。 読み終えた後、何事にも立ち向かう強さを得た成長を感じました。味方になってくれる人達と出会いと様々な出来事を通して、これからの未来に向けて大きく成長していく期待を感じる物語でした。 ぜんじろうさんから無理矢理、団地警備員にさせられたことが、みかげの大きな成長に繋がりました。そして、夜の学校で出会った素敵な友達二人。同じようにいじめにあっていたからか、さりげない気遣いとやさしさがありました。そして何よりも姉の七海の妹に対する責任感と思いやりに、胸がうたれました。 小説のなかでは、弱い立場の人たちに現実に起こっているつらい出来事が多く描かれていました。その張本人だけが悪いわけではないのに、起こってしまう出来事。全くの他人事として考えてはいけないと思いました。 さらに、弱い立場の人が同じような人のために頑張っていることが描かれていました。痛みを知るからこその優しさ、つまりぜんじろうさんの後悔が突き動かしたことが、お互いが生きることに繋がっていたことが印象的でした。 もう一つ、みかげが興味津々だった遺体への思いが、心を許せる人たちと出会ったことで、死は悲しいものだと気づけたことに安堵しました。 最後は、団地警備員の星のバッジをつけた3人の姿に、これからの未来を切り開いていく強さを感じることができました。ただかわいそうと思うだけではなく、色々なことを考えさせられた小説でした。
Posted by
みかげの成長を感じる一冊でよかった。 団地警備員も面白かったし団地の良さみたいなものが凝縮されてる感じがして興味深かった
Posted by
幼い頃に父を亡くし、母も家を出ていき、姉と二人だけで古い団地で暮らしている主人公。 ストーリーは主人公の一人称で、特に章区切りもなく、悪く言えば“だらだらと“語られている。でも、それが逆に主人公が自分で抱え切れないほどの思いが頭から溢れ出ているようで、どんどん引き込まれて一気に...
幼い頃に父を亡くし、母も家を出ていき、姉と二人だけで古い団地で暮らしている主人公。 ストーリーは主人公の一人称で、特に章区切りもなく、悪く言えば“だらだらと“語られている。でも、それが逆に主人公が自分で抱え切れないほどの思いが頭から溢れ出ているようで、どんどん引き込まれて一気に読んでしまった。 辛いシーンもあるけれど、姉妹がお互いを思い合う気持ちや、主人公の「夜の学校」の友達や団地の人たちとの関わりが温かくて、ホッとする。 私も団地に住んでいるので、「団地警備員」というものがあったら参加してみたいと思った。
Posted by
人はいつかみんな死ぬんだよなぁ。私も。建物も古くなれば建て替えが必要だし。だけど、新しい命も生まれてくる。生きている間、困った時は周りに助けてもらって、自分も誰かに手を差し伸べて、暖かい気持ちで過ごしたい。ちなみにこの団地のモデル、初台と新宿の間にあったのだと思う。
Posted by
宮崎夏次系さんの装画が主人公みかげにピッタリ。 タイトルにも惹かれる。 各々、事情をかかえて暮らしている団地の人々と関わりながら主人公が成長していく姿、姉妹の絆が丁寧に表現されていて良かった。しかも読みやすかった。 窪美澄さんは三冊目。 じっと手を見る、夜に星を放つ、とはまた違...
宮崎夏次系さんの装画が主人公みかげにピッタリ。 タイトルにも惹かれる。 各々、事情をかかえて暮らしている団地の人々と関わりながら主人公が成長していく姿、姉妹の絆が丁寧に表現されていて良かった。しかも読みやすかった。 窪美澄さんは三冊目。 じっと手を見る、夜に星を放つ、とはまた違う文体が読めて嬉しかった。 度々出てくる擬声語?が可愛らしくて、重くなりがちなシーンを柔らかく優しくしてくれた。 しっかり人の生き方について考えることのできる物語でした。
Posted by
両親に捨てられた姉妹が、辛い思いをしながらも古い団地でなんとか暮らしている。そんな中で夜間学校で友達ができたり、団地を警備するおじいさんと出会ったり、だんだんと世界が広がっていくようすに救われる。 主人公がひたすら素直で真面目ないい子なのが泣ける。
Posted by
辛い境遇の中で、本音での友情、人情に救われた。 近しい人との別れは本当に辛いけれど、健やかな気持ちで読み終えられてよかった。
Posted by
両親なしで乏しく子供姉妹生活する辛い環境が主人公の精神的な幼さが故辛く描かれていないところ含めて辛く感じた。その中でも夜間学校の友達と会う楽しみや団地警備員の経験が未来への希望を見出す主人公。自分が本当に好きな時間ってこうだったよなと思い出させられた。 でもそういった環境は実際は...
両親なしで乏しく子供姉妹生活する辛い環境が主人公の精神的な幼さが故辛く描かれていないところ含めて辛く感じた。その中でも夜間学校の友達と会う楽しみや団地警備員の経験が未来への希望を見出す主人公。自分が本当に好きな時間ってこうだったよなと思い出させられた。 でもそういった環境は実際は七海ちゃんのような年以上に考えが大人びてしまった子供を作るもので(体の弱い妹がいるのも相まって)七海視点になったら全く見え方が変わるだろうと思うし、物語が終わった後を考えても辛いことが待ちうけているだろうと思う。 けれどそれを感じさせずその時のみかげとしては希望的な終わり方をするのが自然で良い。
Posted by
窪さんのファンタジー感ありつつ 日常を描いてるんだけど、 比喩の使い方がすごい。 (自分の語彙力ゼロ) 感情が揺れ動く作品ではなかったけど のんびり読み込めた。
Posted by
かつて、この国では庶民の殆どは貧しかった。 貧富の差が激しくなってきたのはいつごろからだろうか。 父が亡くなり、母はまだ10代の娘二人を置いて家を出ていった。 体の弱い妹はパン屋のアルバイトをしているけれど、そんなにお金にならない。結局は姉の働きで生活している。 ある日、妹がお...
かつて、この国では庶民の殆どは貧しかった。 貧富の差が激しくなってきたのはいつごろからだろうか。 父が亡くなり、母はまだ10代の娘二人を置いて家を出ていった。 体の弱い妹はパン屋のアルバイトをしているけれど、そんなにお金にならない。結局は姉の働きで生活している。 ある日、妹がおじいさんに声をかけられて団地警備員になる。 二人で、団地に住んでいるお年寄りを見回るのだ。 やがて妹の二人の友人も団地警備員に加わる。 友人もそれぞれに訳ありだ。 一人は在日韓国人で、もう一人は吃音者。 おじいさんの存在が、彼らが今後生きていく上で大きな力になるだろうと思う。
Posted by
