ビューティフルからビューティフルへ の商品レビュー
ほんタメであかりんが紹介していて読了。うまい。ポップなんだけど文学。 「おまえは彼氏いない歴=年齢かもしれないけど、こっちは死にたい歴=年齢なんだよなめんな」 爽快。好きすぎる。
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アニメや漫画を用いた比喩やちりばめられた言葉遊びが面白かった。「死にたい」を抱えて生きるヤケクソ感が好きだった。「死にたさ」を重く捉えず綴った小説が珍しかったからすごく気に入った!! 笑顔は感情の終着点で希望はコートのように羽織るもので人生は死ぬための準備だという言葉に共感しつた...
アニメや漫画を用いた比喩やちりばめられた言葉遊びが面白かった。「死にたい」を抱えて生きるヤケクソ感が好きだった。「死にたさ」を重く捉えず綴った小説が珍しかったからすごく気に入った!! 笑顔は感情の終着点で希望はコートのように羽織るもので人生は死ぬための準備だという言葉に共感しつた。ナナが言っていた希死念慮には負けたことがないというのは私も同じだなと思った。 青春の裏側感にワクワクしながら読めた作品。
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いいところ。勢いとインパクトがすごい。 悪いところ。なんか共感性羞恥が起きる。 町田康さんや穂村弘さんに評価されて受賞したんだそうで…。 高校生で思春期真っ只中のナナと静とビルE視点のモノローグ。ナナと静はちょっとかぶるところがあってもうちょっと差別化できたらよかった。ビルEはな...
いいところ。勢いとインパクトがすごい。 悪いところ。なんか共感性羞恥が起きる。 町田康さんや穂村弘さんに評価されて受賞したんだそうで…。 高校生で思春期真っ只中のナナと静とビルE視点のモノローグ。ナナと静はちょっとかぶるところがあってもうちょっと差別化できたらよかった。ビルEはなかなかいいですね。ビルE以外の登場人物が可愛げがないので、あまり魅力的でなかった。 ことばぁのくだりは上手くなかったので、なくてもよかったと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
言葉に勢いがあり、独特で面白い小説だった。いろんな文学的技法が使われていそうだが、自分に知識がないのでうまく説明することができない。ただ、こういう表現をする小説は読んだことがなかった、とは言える。「絶望をドレスコードにして」とか、「性根の腐敗は、腐ったリンゴ方式で舌の根にまで及んでいた」とか、言葉遊び的な表現が最初から最後まで続く。間違いなくこれは自分には書けない文章なので、ただただ凄いと思う。ポンポン飛び出すフレーズのような言葉、それらを最初から最後まで盛り込んでいる。作者のコレコさんは自然とこういった文章を書ける人なんだと思うし、そういった意味ですでにご自身の作家としての個性を確立されているのかもしれない。 ではなぜ星3にしたのか。 ストーリーの展開があまりなく、表現は面白かったが自分には作者が何を伝えたいのかがちゃんと理解できなかったからだ。この『ビューティフルからビューティフル』は高校生3人の独白という形をとっている。3人の独白がテンポ良く切り替わるのと、軽快で詩的な表現のため、どこかポップな感じを受ける。『ビューティフルからビューティフルへ』を読んで、思春期の高校生ってこんな感じなのかもしれないと思った。でもそれだけだった、というしかない。 自分が物語から受け取りたいのは普遍的な哲学だったり思想だったりするのかもしれない。それなら哲学書読めよといわれそうだが、物語のなかに落とし込まれたものを読みたいのだ。『ビューティフルからビューティフルへ』には「ビューティフルからビューティフルへ」というタイトルそのままの言葉が出てくる。これは主人公三人に共通する考え方とでもいうべきもので、僕はよく理解できたわけではないが、もしかしたら美意識のことを言っているのかもしれない。多感な思春期、死にたい、疎外されたくない、自分の個性がないなどいろいろな悩みを抱える高校生たちにとって、唯一誰にも譲れない自分だけの美の感性、価値観、判断基準、これに最後にすがるということなのだろうか。ことばぁという老婆の家に3人は集まるのだが、老婆が言った言葉が、最後は「ビューティフル」で締めろというものだった。長年生きてきたことばぁが人生から得た教訓を若者に伝授したとも考えられる。だけれどもこの「ビューティフルからビューティフルへ」の哲学がいかんせん僕には、物語にとってつけたものにしか感じられなかった。ことばぁもそうだがその存在にもっと意味を持たせて、肉付けして、読者を納得させる必要があるのではと思った。もしくは僕の読者としての理解度の低さというか限界なのかもしれない。
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ストーリーはよくわかりませんでしたが高校生特有のエネルギーばかりがあふれている言葉ばかりがあふれていました。
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読み終えた感覚を音楽で例えるなら、スタジオレコーディングされた音源ではなくライブハウスでの一発録りライブ音源みたいな感覚だった。整った文体で書かれた追体験より、その場に参加しているような臨場感が強い、そんな感覚。再読したら各人物たちの人物像は深まるだろうが、1回読み切りで人生のラ...
読み終えた感覚を音楽で例えるなら、スタジオレコーディングされた音源ではなくライブハウスでの一発録りライブ音源みたいな感覚だった。整った文体で書かれた追体験より、その場に参加しているような臨場感が強い、そんな感覚。再読したら各人物たちの人物像は深まるだろうが、1回読み切りで人生のライブ感を感じるほうがより味わい深いように思えた。 家庭ではネグレクトを受け、小中学生時代いじめにあった過去からいじめる側のグループに所属するナナ。親が寝静まった後エロ漫画を盗み見ていた幼少期以降、性的なことに関心が強い静。学校は別だが、ことばぁという老婆の家に共に通う。「死にたい」と考える二人にとって、ことばぁの言葉が心の拠り所となっている。 ビルEと名乗る静のクラスメイトもあるきっかけからことばぁの家に行くことになるが、主にナナと静の視点で語られる。絶望を抱える高校生が一生懸命生きる日常を、独特な言葉選びで描く。読み始めは正直ちょっとしっくりきていなかったが、読み終えるころには先のような感覚になっていた。まるで高校生のサバイブ人生の熱量が、このライブの熱量であるかのように。 今回の作品は「中バコの対バン」みたいな「このハコで思いがけず見たがかなり良かった」ライブだったが、次は「オオバコのワンマン」で「この規模でフルでライブ味わうとサイコー」みたいな作品をぜひとも堪能したいと思う。
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ここに本物の絶望があるのに、読んでいて「死にたく」ならないテンポ感。 自分は恵まれていて悩みのない人間なんだと思った。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18歳の新星が放つ、一段飛ばしの言語感覚! 絶望をドレスコードに生きる高3の静とナナ。生と死の両極に振り切れ乱反射する...
ここに本物の絶望があるのに、読んでいて「死にたく」ならないテンポ感。 自分は恵まれていて悩みのない人間なんだと思った。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18歳の新星が放つ、一段飛ばしの言語感覚! 絶望をドレスコードに生きる高3の静とナナ。生と死の両極に振り切れ乱反射する、高校生たちのモノローグ。 第59回文藝賞受賞作。
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独特なテンポと文章で、全然読めず… 一応最後まで流し読んだけど、よくわからなかった… ぶっ飛んだ人のぶっ飛んだ頭の中を覗き見したような感じ。
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かなり面白かった。けど、作者の意図したことをどれだけ理解できているか自信がないのも確か。それでも溢れる比喩の波に気持ちよさを感じる。理解を超えた気持ちよさなのかも。賛否あって当然な作品。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ページ数と文字の大きさを見てさくっと読めるやつなのかなと思いきやそうでもなく、想像以上に読みにくく時間がかかった作品でした。強くて意味深で元ネタがあるんだろうなって思わせる言葉が渋滞していて、それがこの本の面白味でもありながら滑り止めのように目線を止めていたと感じます。(私が文章を頭の中で映像化しながら読むタイプだから余計に) その文体のあまりの独特さと強さに正直途中で読むのやめようかとも思いましたが3人のままならなさや集団に居るのに浮いている感じ、ゆっくり悲しい方に流れていく生活が作品の中でどういう終わりをするのか気になって最後まで読みきりました。 これからの不安、漠然とした絶望感を漂わせつつことばぁの決めたタイトルになっているフレーズで締め括る終わりはおしゃれで、悲しさと明るさがあって良いですね。個人的には3人の歩んできた人生を、未来を、美しいものだと思ってほしい優しさを感じました。 文章で読むからこそ楽しめる、文学の面白さを楽しむ作品だと思いました。
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