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「気の持ちよう」の脳科学 の商品レビュー

4.4

10件のお客様レビュー

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2025/02/02

「心の病は、心の弱さのせいではない。脳という臓器の疾患だ。これが本書を通して僕が一番伝えたいことだ。」 この本の一番最初に書いてあるこれがすべてです。 精神疾患に対する「気の持ちようだよ」に、脳科学者・神経科学者である著者がはっきりとNOをつきつけてます。 脳内物質や神経の固...

「心の病は、心の弱さのせいではない。脳という臓器の疾患だ。これが本書を通して僕が一番伝えたいことだ。」 この本の一番最初に書いてあるこれがすべてです。 精神疾患に対する「気の持ちようだよ」に、脳科学者・神経科学者である著者がはっきりとNOをつきつけてます。 脳内物質や神経の固有名詞が出てくる章では、「ニューロン」やら「シナプス」やら「アセチルコリン」やらの解説が暗号のように思えてギョッと焦りますが、落ち着いて読めば、ちゃんと易しく書いてくれているとすぐわかります。(高卒の私にも、ギリギリ理解できました。) 全章を通して、人間のさまざまな感情や認知機能、行動などにはすべて脳のはたらきが関係しているということを丁寧に解説してくれていました。 しかし、「関係している側面があるだけ」であるということにも触れています。 ーー「たとえば、脳を構成する脳細胞であるニューロンやグリア細胞、血管などをただ漫然と集めても脳にはならないし、心を生まない。心のはたらきは、これらのパーツの相互作用の結果として生まれるものだ。」 (「第8章 わたしってなんだろう」より) つらいことがあったときや思い出してしまったときは、つい自己嫌悪ループに入りがちです。 知識がないと、そこでいとも簡単に「自分は怠惰でみっともない最悪な人間である」というひどく単純な決めつけに陥ります(本文で言うところの「過度な一般化」)。 しかし、それはいわば傲慢な自責思考であり、思考停止も同然だなと思う今日この頃の私には、大変ぶっ刺さりました。 怠惰もなにも、もしかしたら体調がそもそも悪いのかもしれないし、水分や気温や湿度や酸素が足りないのかもしれない。ていうかそもそも、怠惰になってしまうことは普通のことなのだから、だったら他の、うまくいきそうな工夫をしよう。 ーーそういうふうに考えることが、いわゆる「気の持ちよう」の逆をいくことなのだと思います。 著者が伝えたいことが短くまとまっていて、いい本でした。

Posted byブクログ

2024/08/14

脳も臓器の1つなので、調子のよい時も悪い時もある。意欲がわかなくなる、思考がネガティブになるなどは、調子の悪さからくるという。序盤の脳内物質の説明は咀嚼しきれなかったが、メカニズムや対処法が分かりやすく書かれていた。

Posted byブクログ

2024/04/23

心はふわっとしているので分かりにくく、自分が悪いと思うことが多くありましたが、今回そうじゃないかもしれないと少し楽になりました。心の病は脳にあるなら、これからも脳について調べてみようと思います。

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2024/04/13

わかりやすく読みやすい脳科学の入門書。心理学についても軽く触れられている。中学生~高校生向け。思春期の子どもたちにはいろいろと思い悩む前にこころの科学について学んでみてほしい。 心理学の本と合わせて読むとさらに面白いと思う。

Posted byブクログ

2024/07/24

心の病なんて気の持ちようだ、という言葉に待ったをかけるこの本。 「憂うつになったりハッピーになったりするのも、脳内ではたらく化学物質ひとつのサジ加減」で、人間は当たり前に認知の歪みがあり、非合理的で、理不尽で、情に流される。だからこそ気の持ちようじゃ何ともならない。 認知に歪みの...

心の病なんて気の持ちようだ、という言葉に待ったをかけるこの本。 「憂うつになったりハッピーになったりするのも、脳内ではたらく化学物質ひとつのサジ加減」で、人間は当たり前に認知の歪みがあり、非合理的で、理不尽で、情に流される。だからこそ気の持ちようじゃ何ともならない。 認知に歪みのない人だけが心の病にかかった人に石を投げなさい。と丁寧に説明してくれる。 「コンピュータスクリーン上で相互作用する2つの光の点にすら意思やストーリーを感じずにはいられない。これは、もはや病的だ(でもきわめて正常な脳のはたらきだ)。」 など、表現も面白くわかりやすい。科学的な内容だが、全体的に思いやりが感じられる本だと思う。

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2024/02/24

「自分を傷つけられるのは自分だけ」という言葉がとても印象に残りました。 脳は本当に不思議で面白い。

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2023/06/27

人間の雑念は、過去への後悔と将来への不安だと定義されているが、その通りだと思った.脳も心臓や肝臓といった他の臓器と一緒だが、脳は心との関連があることで問題が起こる由.心が病んでいる状態は、脳のはたらきが過剰になってしまっていることだそうだ.過剰にはたらくことがうつ病につながるとも...

人間の雑念は、過去への後悔と将来への不安だと定義されているが、その通りだと思った.脳も心臓や肝臓といった他の臓器と一緒だが、脳は心との関連があることで問題が起こる由.心が病んでいる状態は、脳のはたらきが過剰になってしまっていることだそうだ.過剰にはたらくことがうつ病につながるとも言っている.「情動」というあまり見かけない用語が出てきたが、感情との関連で「感情とは、情動を大脳皮質で言語化して解釈したものにすぎない」との定義があったが、何故か納得できる感じだった.感情には、恐怖、緊張、後悔、怒り、闘争心、敵対心などが挙げられるが、言語を持たない赤ちゃんや動物には感情がないという説明も面白かった.一読後、未だに脳には解明されていない部分が多く存在していることを実感した.

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2023/03/13

脳と心の関係について、現状わかっている範囲で分かりやすくまとめられている 脳と腸の関係性については別の本でも書かれていたので何かしら影響ありそう 腸内環境にも気をつけたい 認知バイアスについては詳しい本も出てい読んだこともあるが、自分がバイアスの影響下にあるかどうか客観的に判断...

脳と心の関係について、現状わかっている範囲で分かりやすくまとめられている 脳と腸の関係性については別の本でも書かれていたので何かしら影響ありそう 腸内環境にも気をつけたい 認知バイアスについては詳しい本も出てい読んだこともあるが、自分がバイアスの影響下にあるかどうか客観的に判断するのはなかなか難しい バイアスを一覧化して常に見えるところに置いておくなどして意識していきたい 脳の特性を利用  自己効力感   自分が何を成してきたか見える化  成功体験を共用した仲間との雑談   損得関係なくワクワクすることを話す  一人旅   いつもはやらないようなことをして脳を活性化  マインドフルネス   瞑想など今この瞬間のことに集中  認知の歪みを改善   今のありのままを受け入れる    考えるのではなく見つめる    気分より目的を優先    注意を分散させる    自然体を大自然から学ぶ    あるべき論から離れてありのままを受け入れる  認知を可視化   パニック状態などにある自分を客観的に把握

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2023/01/15

胃が弱って食欲がなくなったり痛んだりしたら休めたり薬を飲んだりする。それとまったく同じように、心(脳機能)だって調子を崩すことはあるが、どうやって対応したらいいのか。人類が心や脳にどう向き合ってきたか研究史の概説から始めて、脳の仕組みを解明する脳科学の視点から、脳が生み出す生理現...

胃が弱って食欲がなくなったり痛んだりしたら休めたり薬を飲んだりする。それとまったく同じように、心(脳機能)だって調子を崩すことはあるが、どうやって対応したらいいのか。人類が心や脳にどう向き合ってきたか研究史の概説から始めて、脳の仕組みを解明する脳科学の視点から、脳が生み出す生理現象に過ぎない「心」をどうとらえるといいのか考え、それに基づいた心身の不調への対応方法をあれこれ提案している好著。 「気の持ちよう」=根性論になってしまうのは乱暴でいただけないけれど、「気の持ちよう」を前向きに利用することで日常の悩みや苦しみをちょっと楽にすることもできるということがわかりやすく説明されている。やさしく読みやすい文体だし、各章末にまとめもついている親切設計。中高生から忙しい大人にもおすすめできる。 あとがきにある著者の座右の銘「知人者智、自知者明(他人を知るものは賢いが、本当に聡明なのは自分自身を知るものである)」というのは、まさにその通りだと思った。

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2022/11/20

脳科学の知見で、自分の気持ちなんて、気持ちの持ちようで何とでもなる、そう思えたらいいなあと思って読み始めたが、読み終えても残念ながらそういう感想にはならなかった。同じ著者のブルーバックスを読んだときほどの感動はないのだ。もちろん、プリマー新書である、対象を中高生くらいにして書かれ...

脳科学の知見で、自分の気持ちなんて、気持ちの持ちようで何とでもなる、そう思えたらいいなあと思って読み始めたが、読み終えても残念ながらそういう感想にはならなかった。同じ著者のブルーバックスを読んだときほどの感動はないのだ。もちろん、プリマー新書である、対象を中高生くらいにして書かれていると思えばそれまでなのだけれど。前半は脳科学全般の復習になった。脳はニューロンだけではなく、その周りにあるグリア細胞も重大なはたらきをしている。レジリエンスを鍛えるには、グリア細胞の一つアストロサイトを活性化させると良い。そのためにはノルアドレナリンが必要。そしてこのノルアドレナリンは新奇環境におかれたときに多くつくられる。実は、本書を手にするきっかけの一つは、仕事のことでいつも悩んでいる妻に対して何かよいアドバイスができないかと思ったことにある。自分はというと、だいたい夕飯食べながら録画したドラマを見て、一晩寝るとストレスは解消されている。だから、妻に対しても自分の基準で、ついつい軽い受け答えになってしまう。それで妻のストレスはさらに強くなる。「そんなん、気持ちの持ちようやん」と言うのが、実は脳科学的にも正しかったのだ、ということがちゃんと言えたらいいのだけれど、そこまでには至らなかった。まあできることとしたら、ちょっとした旅行とか、知らないお店に行ってみるとか、初めての道を散歩してみるとか、そんなことぐらいだろうか。気分転換ということかな。まあ、それが、仮説とは言え、レジリエンスを鍛える可能性はあるということだな。

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