ルポ 特殊詐欺 の商品レビュー
原田眞人監督の『BAD LANDS』で特殊詐欺のグループが受け子、かけ子、指示役とかなり細かく描かれていた。そして下からは上の指示役に位置する人が誰でどういった人間なのか見えない。危ないと思ったらすぐ切られる。そんな現代の特殊詐欺グループが描かれていた映画だった。 それを観て、特...
原田眞人監督の『BAD LANDS』で特殊詐欺のグループが受け子、かけ子、指示役とかなり細かく描かれていた。そして下からは上の指示役に位置する人が誰でどういった人間なのか見えない。危ないと思ったらすぐ切られる。そんな現代の特殊詐欺グループが描かれていた映画だった。 それを観て、特殊詐欺ってどんなものなのだろう、と興味が湧き手に取ったのが『ルポ 特殊詐欺』という田崎基の著作。 特殊詐欺の実態と背景がどんなものなのかかなり細かく記されている。 そして知りたかった加害者側にいる人たちの側面もしっかり描かれている。 よく言われるTwitterなどSNSを使った闇バイトのリクルート。これを読むと結構簡単に闇バイトグループにアクセスすることは可能なようだ。そして募ったバイトたちの個人情報を把握し、簡単に逃げられたり告げ口が出来ないように逃げ場をなくす。 辞めようと思ったときには時すでに遅く、脅され、タタキと呼ばれる強盗にまで従わざるを得なくなっていく。 確かに安易に闇バイトに応募した側にも問題はあるのだが、彼らは同時に被害者でもあるのだ。 教育環境は出自に依存する部分も大きく、親が貧困状態にあれば、子供もその貧困のループに組み込まれてしまう。 そんな出自を抱えた人たちは社会に出ても仕事は限られてくるだろう。 当然、低賃金で使い潰されるだけだ。 そんな状況では最低限度の生活を営む権利すら与えられないのだ。 彼らはそんな状況を打破したく、稚拙な行動であることには間違いないのだが、闇バイトに応募してしまうのだ。 特殊詐欺は上のグループから根こそぎ潰さないと意味がない。だが、グループが細分化され上のグループの状況はわからないようにしていることで取り締まることも難しい。 闇バイトに組み込まれないよう若者側にもアナウンスが必要だ。それと同時に貧困率の低下など、広く社会の状況が変わる必要があるよな、と思ったりした。
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●=引用 ●「かけ子グループ」が騙しの電話をかけて被害者が騙された段階で、飛びたちは、自分たちがコントロールできるUDをツイッターから応募させて、別の詐欺グループに潜り込ませる。自分たちのUDが、被害者から現金やカードを受け取った段階で、かけ子グループに渡さずに持ち逃げする。こ...
●=引用 ●「かけ子グループ」が騙しの電話をかけて被害者が騙された段階で、飛びたちは、自分たちがコントロールできるUDをツイッターから応募させて、別の詐欺グループに潜り込ませる。自分たちのUDが、被害者から現金やカードを受け取った段階で、かけ子グループに渡さずに持ち逃げする。これが「飛び」だ。かけ子への報酬支払いや、他人名義の飛ばし携帯、被害者となる高齢者の名簿といった特殊詐欺にかかるコストを負担せずに、被害金をまるごとかすめ取っていく実に狡猾な犯罪手法である。だが、そう簡単に持ち逃げできるはずもない。当然、詐欺組織からの怒りを買い、追い込まれていくことになる。→生き馬の目を抜く世界。 ●本通知を受けた各一家総長、各組々長は自己の直近末端組員迄、通達する様 告知すると共に各事務所に本通知を掲示いたし規約内容を周知せしめなければ成らない事とする。右、御通知致します。 敬具 →やくざの回し文も掲示するんだ(笑) ●一見して明らかな障害はなく、会話も違和感なく交わすことができ、義務教育も終えることができたが、社会に出た後、行き詰まる人が少なくない。「それまでは、周囲の人に合わせて、分からないことがあってもなんとなくやり過ごすことでなんとかしてきた。それは生き抜くための方法だったとも言える。そのような人が、組織犯罪グループにいいように扱われているのではないか」障害のある人を支援する制度は数多く整備されてはいるが、山田弁護士は「その多くが申請主義になっている」と指摘する。「刑務所を出所するときに「役所の窓口に行け」「生活保護を受けろ」などと言われ、その足で市役所に行ったがどうしていいか分からず一日ずっと建物の前に立っていた。誰も何もしてくれない。結局食うに困り、また物を盗んでしまった人がいました。裁判の過程で知的障害を調べる検査をすると、知能指数が60台だった。そういうケースがあるのです」
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金に困窮して気軽な気持ちで犯罪に手を染めていく人々の実態が生々しい 騙される側である老人への啓蒙も重要だが、加担する側の予防と、犯罪に使われるツールの制限がされて行ってほしい
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★★★ 今月8冊目 もはやオレオレ詐欺ではなくあらゆる手を使ってやってくる。 しかし驚いたのはトップにヤクザ絡んでて稲川会はすまんと法廷で争いはしたもののお金を返したこと。 手口が巧妙なだけに末端が捕まっても大元はなかなか捕まえられないだろう
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オレオレ詐欺、キャッシュカードすり替え詐欺等の現代型犯罪に加担した若者達のこれまでと末路。辞めたくなっても辞められない、これが一番怖い。特に、家族を殺すと脅され、昼夜問わず指示を受けて受け子出し子を繰り返した男が追い詰められて行く様は、胸が詰まる。
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読書会の課題図書として読みました。 元は新聞での連載記事ですが、末端の実行犯の視点で書かれているので、犯罪小説を読んでいるような気分になります。 特殊詐欺の手口が丁寧に繰り返し解説されていて、読み終わる頃には周りの人たちに解説できるようになります。 昨日見た特殊詐欺による被害のニ...
読書会の課題図書として読みました。 元は新聞での連載記事ですが、末端の実行犯の視点で書かれているので、犯罪小説を読んでいるような気分になります。 特殊詐欺の手口が丁寧に繰り返し解説されていて、読み終わる頃には周りの人たちに解説できるようになります。 昨日見た特殊詐欺による被害のニュースで紹介されている手口がこの本で書かれていることそのままだったので、高齢の親がいる人には是非とも読んでもらって、家族で話し合いをしてもらいたいと思いました。
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摘発された特殊詐欺事件で名前が出てくるのは、「かけ子」、「受け子」それに「出し子」という末端のもので、指示役はほとんど隠れている.それの正体が暴力団等だとの推論が呈示されているが、その通りだと感じている.若者の貧困に目を付けているのだろう.何ともいやな社会になってきている.スマホ...
摘発された特殊詐欺事件で名前が出てくるのは、「かけ子」、「受け子」それに「出し子」という末端のもので、指示役はほとんど隠れている.それの正体が暴力団等だとの推論が呈示されているが、その通りだと感じている.若者の貧困に目を付けているのだろう.何ともいやな社会になってきている.スマホに翻弄されているのも一因だろう.知的障害者や発達障害を持つ人たちが加害者に仕立て上げられているのも、対策を講じる必要があると感じた.
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いつも聴いているpodcastの番組に著者の田崎基さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。 著者の田崎さんは神奈川新聞の報道部デスク。内容は、新聞に連続掲載した特殊詐欺の実態記事をルポルタージュとして取りまとめたものです。 「特殊詐欺」に関与した出し子・か...
いつも聴いているpodcastの番組に著者の田崎基さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。 著者の田崎さんは神奈川新聞の報道部デスク。内容は、新聞に連続掲載した特殊詐欺の実態記事をルポルタージュとして取りまとめたものです。 「特殊詐欺」に関与した出し子・かけ子・受け子・主導役等犯罪当事者からの取材による実態の紹介はタイムリーでとても興味深いものでした。
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最近話題になる強盗事件が特殊詐欺によって起こっていたとは全く知らなかった。 軽い気持ちで小遣い稼ぎをしようとした人がどんどん思い犯罪に加担させられていく過程を聞くと背筋が凍る思いだった。
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詐欺をする側の目線、してしまう人たちの目線 自分も一歩踏み外せばその道に行きかねないくらい、身近なものであると不安になるくらいよくわかった。 家族を守るために、と詐欺に手を染めてしまった人もいた。 電話の録音機の実用性、が最後の方に書かれていたけどそこでさらっとでてきた、かけ子が...
詐欺をする側の目線、してしまう人たちの目線 自分も一歩踏み外せばその道に行きかねないくらい、身近なものであると不安になるくらいよくわかった。 家族を守るために、と詐欺に手を染めてしまった人もいた。 電話の録音機の実用性、が最後の方に書かれていたけどそこでさらっとでてきた、かけ子が14さいであったことが衝撃やった。 頭いい人に騙されんように、情報をアップデートしないとなと思う本でした。 また、一見Twitterなどの便利なものが増えたことによって特殊詐欺がすごい増えたようにも思う。その一方で、法改正によって詐欺グループの人数が驚くほど減っていることも知った。解決したら解決したで、その先の問題が現れるとよくわかった。
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