サード・キッチン の商品レビュー
1990年代、アメリカに留学した主人公がマイノリティの集う学生食堂で交流しながら偏見、差別、さらにそれを自らが持っていることに気づいていく まず、主人公が留学当初ルームメイトと性格が合わなかったりうまく話せずに疎外感を感じる場面で、自分は留学に行ったことがないのにこの経験あるな...
1990年代、アメリカに留学した主人公がマイノリティの集う学生食堂で交流しながら偏見、差別、さらにそれを自らが持っていることに気づいていく まず、主人公が留学当初ルームメイトと性格が合わなかったりうまく話せずに疎外感を感じる場面で、自分は留学に行ったことがないのにこの経験あるな、留学したら確実にこうだなと思ってしまった。 差別、偏見を知る中で自分の中の全く無意識の差別意識にも気付き、終わりが見えなくなるというのも本当にリアルだった。 言い方悪いが陽キャの人がこれを読んだらどういう感想になるのか気になる。
Posted by
青春真っ只中、もしくはこれから向かって行く人にお勧めです。遥か遠くに来た者には?読書って、読むタイミングに左右されるなと感じる一冊でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公の変容していく様子にとても心を動かされました。孤独感を抱えながらも、周りの人と関わりを持ち、前に進んでいこうとする気持ち、無知であっても相手のことを理解したい、わからなくても考えたい、そう思えることは素晴らしいことだなと思いました。ナオミが歩み寄ることで、なんとなく感じていた苦手意識や誤解もなくなっていったり、理解はできなくても自分にも重なる部分を見つけたり。私は、つい目の前の問題から目を逸らしがちなので、ちゃんと行動に移しているナオミをとても尊敬しました。自分自身も無知だし、無意識のうちに差別的な発言をしていることも多いかもしれない、ということも強く実感しました。ナオミのように学び続け、色んな人と関わって、社会についてももっと関心を持とうと思いました。無力でも心がけることで何かが少し変わるかもしれない。2022年最後に素敵な作品に出会えてよかったです。
Posted by
留学先で徐々に友達を増やしていく青春小説。 と、侮るなかれ。 現代の抱える様々な問題、差別、戦争、貧富などから、個々人が抱える悩み、葛藤、さみしさなども丁寧に織り込まれたとても大きな小説だった。 主人公の造形、描写も細やか。 少しずつ少しずつ開かれ、成長していく様は自然に感情を添...
留学先で徐々に友達を増やしていく青春小説。 と、侮るなかれ。 現代の抱える様々な問題、差別、戦争、貧富などから、個々人が抱える悩み、葛藤、さみしさなども丁寧に織り込まれたとても大きな小説だった。 主人公の造形、描写も細やか。 少しずつ少しずつ開かれ、成長していく様は自然に感情を添わせて応援したくなる。 素晴らしい小説だ。
Posted by
すっっごくよかった! 何度も読み直したい。 私も割と人見知りなところがあって、最初の方はナオミの不遇さに胸がギュッとした。 けど、誠実に人と向き合えば、どこかで見てくれている人もいるんだよね。これは自分の人生の中でも感じる。(自分で自分のことを誠実って思える訳ではないけど、自分...
すっっごくよかった! 何度も読み直したい。 私も割と人見知りなところがあって、最初の方はナオミの不遇さに胸がギュッとした。 けど、誠実に人と向き合えば、どこかで見てくれている人もいるんだよね。これは自分の人生の中でも感じる。(自分で自分のことを誠実って思える訳ではないけど、自分の中で自分に恥じないように誠実に人と向き合いたいと思っている) そして、私は誰に対しても差別なんてしない、なんて傲慢にも思っていた部分があったけど、大間違いだと気付かされたし、大反省した。 自分の中にも知らず知らずのうちに当たり前に受け入れているステレオタイプや、無知からくる差別が大いにあると気づいた。 もっと世界のいろんなことに関心を持って、学び、知り、受け入れ「自分の言葉」を持つ大人になりたい。 (学んで知った気になって新たな差別心を、知らないうちに生まないように要注意だな、とも思う) そして知った上で、できる限り全ての物事、人を受け入れられる人間でありたい。 日本では、その人の考えや発言や行動などを批判する時その人自身の人格までも攻撃することがあるけど、その人の持っている言葉をよく聞き、相入れないことがあっても、それはそれとして認識して、その上で、全てを包み込める、そんな人間でありたい。 すごく偉そうなこと言ってるけど。 自分なりに考え続ける。
Posted by