名称未設定ファイル の商品レビュー
すらすら読めました。 ただ自分の理解力が足りないのか、よく考えたり調べないと意味がわからない短編もあったり…。 内容はとても面白くて、こんな未来がや現実があったら嫌だなとモヤモヤするところも。
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作者と読者は切り離して評価すべきだと思うし、本書にもそういった内容をテーマにした短編が収録されていたが、それでもあの書き手から生まれて来たんだなあ、ということを意識せずにはいられなかった。インターネットにどっぷりな筆者らしく、そこで話題になりがちなテーマを中心に扱った短編が多か...
作者と読者は切り離して評価すべきだと思うし、本書にもそういった内容をテーマにした短編が収録されていたが、それでもあの書き手から生まれて来たんだなあ、ということを意識せずにはいられなかった。インターネットにどっぷりな筆者らしく、そこで話題になりがちなテーマを中心に扱った短編が多かった印象。そもそも、作者と読者を切り離すべきだ、みたいな話もまた、SNSで良く見られる議論でもあるし。 差し詰め、ネットの嫌なあるある博覧会、といった調子だな、と思って読んでいた。そうでない、もう少しSFに振ったものも幾つか収録されていて、それはそれで面白かった。 ただ、「みちるちゃんの呪い」はあまりインターネット的ではないなあ、と思って読み、またそう考えたことで、それだけにとどまらない短編集なのではないか、と思い始めた。 それまでの本作の全体的な感想は、扱っている題材は面白く、着眼点も鋭いものの、いずれの話もどうにもオチが弱いな、というものだった。それは、傾向としては通して読み終えた今でも変わっていないけれど、ひょっとすると、日常生活を送る中で、名前をつけることのできない程度の、小さく、それでいて複雑な感情のスケッチこそが、本作を貫くテーマなのではないかと今は考えている。そうした、なんとなくもやもやした一瞬の気持ちを切り取って、短編という形で保存してあるからこそ、『名称未設定ファイル』と名づけられたのではないかな、と。 もの凄くハマる一冊ではなかったけど、そういう試みのもとで書かれたのなら、良いなと思う。巻末の解説の洞察も面白かった。
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ただひたすらに読みやすい。水のように読める。でもそれは内容が特別面白いからではなくて、ネットの記事と児童書の中間地点のような文体だから。でも著者は小説家ではないので、それはそれで別にいい。
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過程の医学がかなり好き。 「最後の一日」は、たまに考えてゾッとすることだったからそれが目の前に文章として現れてくれたからホッとした。
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ざんちによる、ネット世界の虚無をシニカルに描く短編17本。 シャープな描写とブラックな笑いが目立つ話が多い。 架空の話って分かってはいるけど、あまりにもリアルで、実際に「ありそう」な話ばっかり。 乙一をインターネット漬けにした感じの小説だった。 「この商品を買っている人が買ってい...
ざんちによる、ネット世界の虚無をシニカルに描く短編17本。 シャープな描写とブラックな笑いが目立つ話が多い。 架空の話って分かってはいるけど、あまりにもリアルで、実際に「ありそう」な話ばっかり。 乙一をインターネット漬けにした感じの小説だった。 「この商品を買っている人が買っている商品を買っている人は」と「習字の授業」が好き。 一話一話が本当に短いから、さくさく読めた。
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ちょっとダークな感じの短編集 インターネットの嫌な感じの話とか 読んでてあんまり気持ちよくなかった ざんちのウロマガ読んでる方が面白い
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過程の医学が1番印象に残った!幸福度や病気が分かる眼鏡。赤ちゃんをみると。。。深いなと思った。 全体的に含みをもたせた短編が多すぎて解釈が1人1人違うと思う。
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良かった。 2chのスレッドやAIの文章生成、SFなど色々。 「最後の1日」が1番好きだった。多分ありがちな話だけど、こういうコミュニケーション不全の話が好き。 「過程の医学」は、恐山の後の著作に通ずるものがある。
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『名称未設定ファイル』読了。思わず考えさせられた。軽く読める本だが扱われているテーマは現代を象徴しており、非常に示唆的。空想の一言では片付けられない何かを感じた。
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いつもYouTubeで見ている人の本業が作家ということで、いつか読んでみたかった本。 タイトル通りにどんなジャンルなのかを一言では言い表せない短編集だけど、ひとつの共通項が「嫌な人間臭さ」というか「人間は嫌で臭いものだ」という意識を感じるところかなと思う。 自分自身も個人とし...
いつもYouTubeで見ている人の本業が作家ということで、いつか読んでみたかった本。 タイトル通りにどんなジャンルなのかを一言では言い表せない短編集だけど、ひとつの共通項が「嫌な人間臭さ」というか「人間は嫌で臭いものだ」という意識を感じるところかなと思う。 自分自身も個人として認識していない大勢の「人間」は無関心ではなくて嫌い寄りなので、あまり感じては行けない類の安心感を得られた。それは良かったとは言えないかもしれない。
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