オールド台湾食卓記 の商品レビュー
伝統的な台湾料理、料理上手な祖母・母との思い出の数々。観光では出会えないような、ディープな台湾を知ることができる。図書館本なので間もなく返却してしまうが、ご当地グルメみたいなちまきと、おばあちゃん特製の滷肉(ルーロウ)のページはもう一回読み返したい(´vωv`*) 大家族から核家...
伝統的な台湾料理、料理上手な祖母・母との思い出の数々。観光では出会えないような、ディープな台湾を知ることができる。図書館本なので間もなく返却してしまうが、ご当地グルメみたいなちまきと、おばあちゃん特製の滷肉(ルーロウ)のページはもう一回読み返したい(´vωv`*) 大家族から核家族に移り変わっていく時代背景、母親の早世も相まって、作者の「あれは、もう食べる機会ない…?」な食べものがたくさん出てくる。何だか私も、手料理・郷土料理などを味わって食べて、作り方なんかも改めて吸収したくなる。 『我が家にとって、これは魂を召喚する料理だ。食べるたびに、時空を超えて、懐かしい人たちに会うことができる。―第二部 麵やお粥など―』 2024.8
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台所に立つ母の手元を見ておぼえた料理、親戚一同の宴会のときだけ食べられた思い出の味、日本からの客をもてなすために母が組んだコースメニュー、病床の母が食べたがった祖母の料理……。祖母から母へ、そして著者へ受け継がれたオールドスクールな台北の食の記憶を綴ったエッセイ。 ガンで母を...
台所に立つ母の手元を見ておぼえた料理、親戚一同の宴会のときだけ食べられた思い出の味、日本からの客をもてなすために母が組んだコースメニュー、病床の母が食べたがった祖母の料理……。祖母から母へ、そして著者へ受け継がれたオールドスクールな台北の食の記憶を綴ったエッセイ。 ガンで母を亡くしたばかりの時期に書かれたようで、著者は台所に立つたび、母も通った老舗が並ぶ商店街へ赴くたびに思い出と深い悲しみに引っ張られる。祖母と母は100人もの社員を抱える家族経営の会社で、長年食事を担当していたという。 台湾の食文化ガイド的なエッセイといえば焦桐の『味の台湾』も読んだが、あの本では屋台を始めとする外食文化を取り扱っていたのに対し、本書のメインは家庭料理。だから、昔の味と今の味は変わってしまった、という嘆きのなかに、自分が伝承を引き継がなきゃならないのに、という負い目のような思いが響いていて切ない。実家と同じ地域に住み続けていても、土地と人は変化していく。母の味を綴った文章から、母から娘への継承と断絶の物語が浮かび上がる。男性作家がノスタルジックに語る"おふくろの味"とは違う苦味がそこにはあり、家庭料理とジェンダーロールの結びつきの強さを感じずにはいられないものの、同時に料理は肉体が消えても残る強い絆の証としても機能する。 料理を作ることとこの本を書くことが著者にとってのグリーフケアになったのだろう。読んでいるあいだ、昔ある人が兄弟の結婚式で久しぶりに集まった家族のことを語って言った、「もう子どものころのように親と自分たち兄弟だけでご飯を食べることはないんだなと思った」という言葉を思いだしていた。子ども時代の食卓の風景は、味とともに蘇る記憶のなかでだけ生き続ける。 最後の第5部は東南アジアのチャイナタウンを訪ねる旅行記になっているが、ここがとてもいい。台湾もそうだが、移民となった華人たちは本国よりもオーセンティックなスタイルを守っていることもある。母への愛に満ちた台北編よりも一歩引いた目線での語りが共感しやすく、この人が台南の食べ物を語るのも読んでみたいと思った。
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台湾食エッセイ、さっそく表紙に油が飛んでしまった。 本書に書かれていたルーローハンのレシピを再現したくて 居ても立ってもいられなくなって、 朝イチで皮付きの豚肉を買いに行った。 出来上がりは上々。 もっと美味しく作るためには、やっぱりこの本に書いてあるような 大家族分のたっぷり...
台湾食エッセイ、さっそく表紙に油が飛んでしまった。 本書に書かれていたルーローハンのレシピを再現したくて 居ても立ってもいられなくなって、 朝イチで皮付きの豚肉を買いに行った。 出来上がりは上々。 もっと美味しく作るためには、やっぱりこの本に書いてあるような 大家族分のたっぷりした量を作らないとならないかな。 海外のエッセイを読むのは、今回が初めてだったかも。 非日常を求めて海外の街を歩くような気分で読み進めるのに、 どうしてか、どんどん風景画見慣れていくような気持ちになってしまった。 美味しいもの、楽しいものを求めることは同時に、 街が気付き上げてきた文化や慣習の歴史を守ることにも繋がるんだ。 それはどこの町でも一緒。 生活することは、気づかないうちに歴史を守ることでもあるんだろうな。 これからは海外エッセイも読んでみよう。
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亡くした人との生活に食事に関することが多い事に共感できます。 時代や国の背景は違うことが多いとはいえ、自分に重ねてしまうこともありました。 今日は近所の台湾料理屋さんで滷肉飯をいただくことにします。※我が家の思い出の味ではありませんが…
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台北郊外育ちで80年代生まれの著者が、母の介護をきっかけに綴った食と一族の思い出。個人的な記録であると同時に、20世紀後半の台湾都市部の庶民が築いた食生活の描写がよく、親しみを持って読むことができる。お茶請けの懐かしさだけでない味わい、お茶を求めての香港旅行、一族が暮らす東南アジ...
台北郊外育ちで80年代生まれの著者が、母の介護をきっかけに綴った食と一族の思い出。個人的な記録であると同時に、20世紀後半の台湾都市部の庶民が築いた食生活の描写がよく、親しみを持って読むことができる。お茶請けの懐かしさだけでない味わい、お茶を求めての香港旅行、一族が暮らす東南アジアへの旅など、台湾から外に出る後半の旅の記録も非常にそそる。食欲と旅愁を満たす本だった。
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残念、時間切れで返却。 でも、のっけから、作家さんの感性に惹かれる 表現も好き。 ぜひ、再チャレンジしたい。
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