教誨 の商品レビュー
教誨。 徳性の育成。 道と徳。 人が従うべきルールを、守れない状態にしてしまった周りの環境を切なく思います。 それは、きっと誰でも感じることでしょう。 境遇をいくら嘆いても、幸せを掴もうとしても、全てが無に帰す想いを連ねられたら、動くことを悲しいと思うかもしれない。 それでも、...
教誨。 徳性の育成。 道と徳。 人が従うべきルールを、守れない状態にしてしまった周りの環境を切なく思います。 それは、きっと誰でも感じることでしょう。 境遇をいくら嘆いても、幸せを掴もうとしても、全てが無に帰す想いを連ねられたら、動くことを悲しいと思うかもしれない。 それでも、やっぱり、俺は褒められない。 響子も、千枝子も、健一も、同情するけれど、揺さぶられる想いは、怒りの方に天秤が傾きます。 その、怒りの矛先は、一体、何処に、向ければいい。
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死刑執行前に話した言葉から展開する物語。 最後まで結末がわからず、人間のある側面が見える素晴らしいストーリーでした
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悲しすぎる話でした。自立できない抑圧された女性の負の連鎖が女児二人を殺してしまったと思います。でも、学校がいじめやネグレクトを放置しなければ悲劇は防げたと思う。あと、地方から女性がいなくなるのは仕方ないことかなと思いました。
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あまりにも悲しい人生。自分を責めながら生きる一生。人のつながりは時に頼りになるが、逆に残酷に突き放すこともある。 なんともやりきれない話だ。
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理由なく殺人する人はいない 絶対的に許されない なぜこんな事をしてしまったのか どうしても知りたかった 胸の痛みを感じつつも読み進めることができました
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『約束は守ったよ。褒めて』の言葉を残して死刑台に上った響子。響子は10年前、当時8歳の娘・愛理、近くに住んでいた栞(5歳)を殺した。遠縁の香純は遺骨と遺品を一旦引きとり、本家に相談することにした、が、本家からは受け取りを拒否される。『約束は守ったよ。褒めて』の言葉の真相を知るために香純は響子の故郷を訪ねる。響子の生い立ち、親からの躾、母親の無愛情、いじめ、離婚。そして、母親の一言。それにより2人の命を奪うことになる。響子の孤独・孤立が一番の不条理。ただ、栞の死はどうにか防げなっかのか?そこが悔やまれる。④
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柚月さんの作品を、手に取ることが増えた。この人の作品は、最後まで一気に読んでしまいたくなる魅力がある。人間を多面的、多角的に書いているからかな? この本の中の香純、響子に感情移入しながら読むと、とっても哀しく、辛くなったが、それでも最後には響子の思いを香純が辿って見つけてくれてよ...
柚月さんの作品を、手に取ることが増えた。この人の作品は、最後まで一気に読んでしまいたくなる魅力がある。人間を多面的、多角的に書いているからかな? この本の中の香純、響子に感情移入しながら読むと、とっても哀しく、辛くなったが、それでも最後には響子の思いを香純が辿って見つけてくれてよかったと思う。 しばらく重たい気持ちを引きずりそうではあるが、これもまた読書の魅力だろう。
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重たいテーマながら、どんどん引き込まれあっという間に読破。 こういう社会の構図はどこにでもある。 何か罪を犯すと、どうしようもなく叩かれる時代。響子さんの犯した罪は許されないけど、周りも責任がある。じゃあ、誰が、どうすればよかったのだろう。考えたけど、簡単には答えは見つからない...
重たいテーマながら、どんどん引き込まれあっという間に読破。 こういう社会の構図はどこにでもある。 何か罪を犯すと、どうしようもなく叩かれる時代。響子さんの犯した罪は許されないけど、周りも責任がある。じゃあ、誰が、どうすればよかったのだろう。考えたけど、簡単には答えは見つからない。
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(2023年2月18日、新潟行きの電車で読む) 哀しいと思った。報われないと思った。いや、響子さんは救われたのだと思うけど、私は救われていない。むなしい。教誨、意味は悪いことをした人を教え諭すことだと調べたら書いてあったけど、ではその教誨を本当に受けるべきは誰だったのだろうか...
(2023年2月18日、新潟行きの電車で読む) 哀しいと思った。報われないと思った。いや、響子さんは救われたのだと思うけど、私は救われていない。むなしい。教誨、意味は悪いことをした人を教え諭すことだと調べたら書いてあったけど、ではその教誨を本当に受けるべきは誰だったのだろうか。明確な答えはなくて、響子さんも教え諭されるべき人だったし、千枝子さんも、寿子さんもそうだった。三原家の人間も、あることないこと語る地元民も、みんな教え諭されるべきだった。地方の結び付きは本当に怖い。内に入れたらいいけど、弾かれたら最後、それはそれは怖い場所になる。響子さんは最初から弾かれていた。弾かれた原因は、両親でもあり、響子さん自身の運の悪さでもある。でも誰かを責めたってどうしようもない。 哀しかった。誰かを責めずに自分を責める姿。必死だったのはわかるけど。価値観が固まっているから、もう変えられなかった。愛理ちゃんと栞ちゃんは、まだ何にも知らなかったのに、ほんの少し何かが違えば、生きていたかもしれない。でも罪って多分そういう、ほんの少しの違いが生んだ結果なんだと思う。ほんの少し、ほんの少し、ぼたんの掛け違い、ちょっとしたすれ違いが、気づけば取り返しのつかないことに繋がる。誰しもが善人で、誰しもが悪人。誰が悪いわけでもないし、誰が良いわけでもない。絶対的にいい人、悪い人はいない。みんな罪を犯す。響子さんがやったことは罪だし、罰を受けて償うべきことだった、でもほんの少しが重なって溢れた結果で、響子さん自身どうしようもできなかった。つらいな。
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最後の言葉が「褒めて」だということに 救いようのない悲しみがあるし、 「呪い」に絡め取られてしまう どうしようもない不条理がある事も 認識している。 許す許さないを論じるので無い事も 理解している。 でもね、ごめんね。 私はやっぱり許せないや。 許せないって言うだけでごめんね。...
最後の言葉が「褒めて」だということに 救いようのない悲しみがあるし、 「呪い」に絡め取られてしまう どうしようもない不条理がある事も 認識している。 許す許さないを論じるので無い事も 理解している。 でもね、ごめんね。 私はやっぱり許せないや。 許せないって言うだけでごめんね。
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