私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記 の商品レビュー
ヤングケアラーのことが、わかりやすくコミックで読むことができる作品…。 主人公のゆいは、幼稚園の頃から統合失調症の母親からの暴力に耐えながらも、認知症の祖父や家庭を顧みない父と、特別扱いをされえいる弟の生活を支えるために、生活全般の家事や介護等を一手に引き受け、それをあたり...
ヤングケアラーのことが、わかりやすくコミックで読むことができる作品…。 主人公のゆいは、幼稚園の頃から統合失調症の母親からの暴力に耐えながらも、認知症の祖父や家庭を顧みない父と、特別扱いをされえいる弟の生活を支えるために、生活全般の家事や介護等を一手に引き受け、それをあたり前のこととして受け止めている…。そんな彼女が成長する中、自身がヤングケアラーであったことを自覚するとともに、心に受けた傷を受け止め支援者の力も借りて立ち直っていく…。 なんとも苦しい…筆者の水谷さんが実際に当事者に取材をして描かれてた作品ということです。ヤングケアラーの多くは、自ら声をあげることができない…こんなにも大変なのに、それが当然という思い込みがあって、仮に相談できたとしても何も変わらないと思っているんじゃないかと…。これからの時代、ますます増えてくるんじゃないかとも考えられます。ヤングケアラーの存在に気づける、地域の一員でありたいと思いました。 ※ヤングケアラーとは:家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと。2021年に実施した調査では、中学2年生の約17人に1人にあたる5.7%がヤングケアラーであるものの本人に自覚がない傾向にあることが分かりました。 近年ではニュースやドラマに取り上げられるなど、社会的関心が高まっています。
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私もヤングケアラーとは一体何か気になった事が切っ掛けでこの本を読み始めました。ゆいの入院先の精神科で作業療法を行うシーンでは、「農作業を行う事で作業療法を行う病院もあるのだな。」、「作業療法として育てた野菜を実際に調理して食べる事もあるのだな。」と感じられましたし、作業療法として...
私もヤングケアラーとは一体何か気になった事が切っ掛けでこの本を読み始めました。ゆいの入院先の精神科で作業療法を行うシーンでは、「農作業を行う事で作業療法を行う病院もあるのだな。」、「作業療法として育てた野菜を実際に調理して食べる事もあるのだな。」と感じられましたし、作業療法として育てた野菜を調理するシーンは大好きなので何度でも読み返したくなります。
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日本のどこかに、ゆいのようなヤングケアラーがいる/いたんだよな……子どもは大人よりも社会との接点が限られているし、どうしたら救われるのか分からない。読んでいて苦しくてたまらなかった。 被害者(ケアラー)目線一辺倒にならず、課題を多面的に切り取れる作者の誠実さと実力ゆえの良作だと思...
日本のどこかに、ゆいのようなヤングケアラーがいる/いたんだよな……子どもは大人よりも社会との接点が限られているし、どうしたら救われるのか分からない。読んでいて苦しくてたまらなかった。 被害者(ケアラー)目線一辺倒にならず、課題を多面的に切り取れる作者の誠実さと実力ゆえの良作だと思った。
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統合失調症の母、家庭に無関心な父、特別扱いされる弟、 認知症の祖父――ゆいは幼稚園のころから、買い物・料理・ そうじ・洗濯など家族の世話を一手に担っている。母親の暴力に耐えながら「子どもらしさ」を押し殺して生きるのに精一杯だった彼女の子ども時代と、成人してからの「ヤングケアラー」...
統合失調症の母、家庭に無関心な父、特別扱いされる弟、 認知症の祖父――ゆいは幼稚園のころから、買い物・料理・ そうじ・洗濯など家族の世話を一手に担っている。母親の暴力に耐えながら「子どもらしさ」を押し殺して生きるのに精一杯だった彼女の子ども時代と、成人してからの「ヤングケアラー」としての自覚。(e-honより)
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ヤングケアラーについてのコミックエッセイ。 書店で平積みになっているのを見たので。一つ一つのエピソードは、毒親やヤングケアラー系の書籍やコミックで見るものが多かった印象ですが、「子育てをするとフラッシュバックする」というのは初めて知り、興味深かったです。 親とは違う家庭を築け...
ヤングケアラーについてのコミックエッセイ。 書店で平積みになっているのを見たので。一つ一つのエピソードは、毒親やヤングケアラー系の書籍やコミックで見るものが多かった印象ですが、「子育てをするとフラッシュバックする」というのは初めて知り、興味深かったです。 親とは違う家庭を築けた、ばんざい!もう終わり!とはいかないところが、この問題の難しさですね。 父親もだいぶ悪いと思います。子どもに依存しすぎ。病気について理解しようとしなさすぎ。自分のパートナーのことを子どもに背負わせるのは違うよね、って思いました。 ヤングケアラー、コラムに書いてありますが2021年の調査で、中学生の17人に1人、高校生の24人に1人だそうです。クラスに1〜2人いる計算になりますよね。今思えば、あの子ってもしかして…?と思う子がいなくもない気がします。 子どもは子どもらしく、遊びと勉強に集中できる社会であってほしい。 作画がちょっと気になったので星4つにしてあります。(わたしの好みです)
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ここまで壮絶ではないとしても、自分や周りの人に重なるところが必ずあると思う。自分と向き合い、1歩踏み出す勇気を持てますように。勇気を持てるまで寄り添ってくれる人と出会えますように。
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ヤングケアラーという言葉だけ知っていて、実情を知らなかった。いやもちろん、当事者じゃないから実情をまるっと理解するなんて無理だろうけど、こんな風に感じたり逃避するんだってこと、知らなかった。 生き延びるためにはほんとに何でもする。善悪がついてなくても、ついてからも子どもってだけ...
ヤングケアラーという言葉だけ知っていて、実情を知らなかった。いやもちろん、当事者じゃないから実情をまるっと理解するなんて無理だろうけど、こんな風に感じたり逃避するんだってこと、知らなかった。 生き延びるためにはほんとに何でもする。善悪がついてなくても、ついてからも子どもってだけで1人で生きるのは無理。それに気付いて、重い扉を一生懸命押そうとしている絵を見て、なんてこの子は賢いんだろうって思った。 色んな人の体験談をまとめたにせよ、大人よりも子供の方が聡い。冷静に自分のことが見れていて、何をすべきか知っていて、でもそのせいで感情が隠れるのが悲しい。 実際はどうにも出来ないけど、こういう世界もあるんだってこと、知れて良かった。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→ https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11537754
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ゆいは幼稚園のころから家事全般を担っていた。 母親が統合失調症だったから。 暴力に耐えながら生きていくため子どもらしさを無くし感情も押し殺して成人した。 だからやりたいこと、自分の感情、がわからない。 「でも自分のことで泣けるようになってよかったじゃない 自分の感情に気づけるようになったってことだよ 自分のために泣いてあげたら?」 「愛を返せない人に愛情を求め続けることをやめる」 「 他に助けてくれる人の存在に気づくこと」 そう伝えてくれた病院のカウンセラーや勤務先の師長、後輩で後のご主人がいて、ゆいはだんだん人間としての自然な感情を取り戻していく。 助けてくれる周りの人がいて、本当によかった。 ヤングケアラー全員がこのような人々に恵まれたらいいが、沢山の人が知ることにより手を差し伸べる世の中になるといい。
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図書館で偶然見つけたので読んでみた。コミックエッセイ。ここにこんなに漫画が置かれてたなんて知らなかったよ。話題のヤングケアラーについてのお話。作者の体験談というわけではなく、いろんな聞いた話をつなぎ合わせてストーリーを作ったようだ。統合失調症の母を持つ女の子が成長し、看護師として働きながら、結婚・出産し、自助グループに通い、落ち着いていくというお話。自身が精神科に入院してようやくゆっくりできるなんてなぁ。母に包丁持って殺されそうになるなんて、もっとトラウマになってもいいんじゃないだろうか。その入院した時のワーカーさんなのかな、心理士さんなのかな、『愛情を与えられない人(母)から愛情をもらおうとしてもしょうがない。他に愛を与えてくれた人がいたのでは』という趣旨の話が印象的。親に何もかも求める必要はない。愛情とか、一般的には親に与えられるのは普通なのかもしれないけど、それができない親もいる。やっぱそういう時に少しでも助けてあげられる大人でいたいなとは思っている。
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