逆説の日本史(27) の商品レビュー
日本史の話ではあるのだが、本巻は現在の韓国及び中国の振る舞いというか、行動、考え方、その他諸々を理解するのに参考となる明治末期の事件の話がメイン。 物事に対する各国民の捉え方、反応、それに対する為政者達の考え、振る舞い。 歴史というのは過去に起こった事実の記録であるが、その事...
日本史の話ではあるのだが、本巻は現在の韓国及び中国の振る舞いというか、行動、考え方、その他諸々を理解するのに参考となる明治末期の事件の話がメイン。 物事に対する各国民の捉え方、反応、それに対する為政者達の考え、振る舞い。 歴史というのは過去に起こった事実の記録であるが、その事実が何故起こったのかの因果関係を明らかにできなければ、事実を明らかにする考古学にはなっても、歴史学にはならない。 宗教、朱子学等がそのような因果関係の元であるというのが本シリーズの主張であるが、そこに強い説得力を感じる。 もちろん推定になる部分が多くなるという意味で、客観的な検証は必要ではあるが、科学の根本である仮説と検証のプロセスを繰り返すためにもこのような因果関係は必要であり、有益であると考える。 著者ももう70歳になってしまい、取材、執筆等大変であるとは思うが、本シリーズが良い形で完結まで進むことを楽しみにしている。
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週刊誌連載だから重複するのは仕方がないのかもしれないが、巻を重ねるたびにどんどんクドくなる。単行本用に再構成して欲しい。
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主に日韓併合と中華民国について。 安重根と孫文については興味が湧いてきた。孫文については筆者の著作の関係もあるのかもしれないが面白く読めた。この当時の気風にしても義侠心を持つ日本人がいるのは好ましい。 例によって朱子学及び朝日新聞への批判は一貫している。朱子学については筆者もだい...
主に日韓併合と中華民国について。 安重根と孫文については興味が湧いてきた。孫文については筆者の著作の関係もあるのかもしれないが面白く読めた。この当時の気風にしても義侠心を持つ日本人がいるのは好ましい。 例によって朱子学及び朝日新聞への批判は一貫している。朱子学については筆者もだいぶウエイトを占めていることに対する批評に返していた。江戸編以降に執拗に出てくる朱子学なのでここまできたら次作でも大いに取り上げていただきたい。
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韓国併合の経緯、辛亥革命に対する日本の影響、大逆事件の経緯の3部構成で記されている。 韓国併合についての事実は著者の見解のとおりだと思うが、先入観を排して公平な視点で見れば、本書においては著者の自説を補強する客観的な資料提示が少なく、日本側の視点に立った著者の固定観念による見...
韓国併合の経緯、辛亥革命に対する日本の影響、大逆事件の経緯の3部構成で記されている。 韓国併合についての事実は著者の見解のとおりだと思うが、先入観を排して公平な視点で見れば、本書においては著者の自説を補強する客観的な資料提示が少なく、日本側の視点に立った著者の固定観念による見方が強い書き方に感じた。 辛亥革命や特に大逆事件については、事件が後世に与えた影響が記されており、歴史を通史として見るという著者の信念を感じられた。 本書は日本史上の華やかな表舞台というよりは、陰の部分を題材としているため、読み進めるには楽しく読み進められる巻ではなかったが、逆に普段興味を持てない辛亥革命や大逆事件の経緯や、それが少なからず後世に与えた影響を理解するきっかけになった。
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本シリーズでは、朱子学がいかに国の在り方に影響を与えたかということが繰り返しテーマとして出てきますが、それが現代にも繋がっているという視点で見ると、大変興味深いです。 いよいよシリーズは大正時代に入りますが、自分の中でも近現代史は手薄なので、どのような切り口を見せてくれるのか楽...
本シリーズでは、朱子学がいかに国の在り方に影響を与えたかということが繰り返しテーマとして出てきますが、それが現代にも繋がっているという視点で見ると、大変興味深いです。 いよいよシリーズは大正時代に入りますが、自分の中でも近現代史は手薄なので、どのような切り口を見せてくれるのか楽しみです。
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伊藤博文が日韓併合に反対であったのに、なぜそうなったかの知識を深めようと思ったが、新たな発見はなし。というか、朱子学と朝日新聞の批判の批判に文章が大きく割かれている。連載ならまあそれはそれで読めるんだろうけど、1冊の書籍にまとめられると、かなり辟易してしまう。 また、同じ新聞内で...
伊藤博文が日韓併合に反対であったのに、なぜそうなったかの知識を深めようと思ったが、新たな発見はなし。というか、朱子学と朝日新聞の批判の批判に文章が大きく割かれている。連載ならまあそれはそれで読めるんだろうけど、1冊の書籍にまとめられると、かなり辟易してしまう。 また、同じ新聞内で反論や異論を記載するというオプエドを賞賛しているが、5大紙のなかでも朝日新聞はまだできている方だと思うけどなとか思いながら。 大逆事件についてのことをあまり知らなかったので、幸徳秋水の生涯を含めて今後調べていきたいと思う。
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歴史の教科書で覚えこんだ「キーワード」を理解することができる。筆者独特の歴史観にも適度につきあうのがよい。
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明治が終わり、大正へ。 孫文や孫文を支援した日本人達について知る。日本国が孫文を支援したら、その後の歴史も違ったんだろうなあ。井沢さんが伊藤博文を評価することに納得。山形有朋も軍部を政治から遠ざけようとしての天皇統帥だったという指摘は前にもあったな。 李完用の名は浅田次郎「天子網...
明治が終わり、大正へ。 孫文や孫文を支援した日本人達について知る。日本国が孫文を支援したら、その後の歴史も違ったんだろうなあ。井沢さんが伊藤博文を評価することに納得。山形有朋も軍部を政治から遠ざけようとしての天皇統帥だったという指摘は前にもあったな。 李完用の名は浅田次郎「天子網塵」にあったかな。 韓国併合はあの時点では仕方なかったんだろう。韓国側が朱子学に染まり過ぎて、自分じゃ近代を迎えられないんだもの。 最後は大逆事件と明治帝の死去と乃木希典の殉死。 司馬遼太郎の「殉死」を読んで、よく判らないと記したことがある。井沢さんは深く明治帝の偉大さと乃木さんとの関係が主君と郎党だったことを解き明かす。 関川夏生原作、谷口ジローの漫画「坊ちゃんの時代」に大逆事件を扱ったものはある。過去を掘り起こすルポとして秀逸なものだったけど、本書で幸徳秋水の思想について知ることができた。 アメリカの平等は神の前のもの、明治は天皇を神とすることで平等を実現したとの解説。天皇が居なかったら、阿部さんやら岸田さんが日本で一番偉いなんて嫌だなと思っている。 神も信じず、天皇もいない中国人は、かつては科挙で選ばれた、今は共産党の優秀な人間が導く方が間違いがないと信じている。恐ろしいよね。どうしたらいいんだろう。井沢さんはプーチンの悲惨な最後を予言する。しかし、本当に怖いのは中国だとする。肝に銘じよう。
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いよいよ明治後半期。 韓国併合はなぜ強行されたのか? 伊藤博文は、当初併合に反対していましたが、韓国側から併合を推進。 中国革命の父、中華民国を建国した孫文は、なぜ辛亥革命を成功に導くことができたのか? そこには、あまり知られていない、日本人たちの大きなサポートがありました。 ...
いよいよ明治後半期。 韓国併合はなぜ強行されたのか? 伊藤博文は、当初併合に反対していましたが、韓国側から併合を推進。 中国革命の父、中華民国を建国した孫文は、なぜ辛亥革命を成功に導くことができたのか? そこには、あまり知られていない、日本人たちの大きなサポートがありました。 そして大逆事件の本質とは何か? 知らないことも多い明治の終焉です。
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