屋根裏のチェリー の商品レビュー
なんと、びっくり。流星シネマと語り手が代わる。太郎さんからオーボエ奏者のサユリさんへ。チェリーっていうのは彼女の頭の中にしか存在しない、レモン・ソーダの空き瓶と同じくらいの大きさの、妖精みたいな存在。 何ページだったか忘れたけど、「~を鑑みる」という表記があって、「~に鑑みる」...
なんと、びっくり。流星シネマと語り手が代わる。太郎さんからオーボエ奏者のサユリさんへ。チェリーっていうのは彼女の頭の中にしか存在しない、レモン・ソーダの空き瓶と同じくらいの大きさの、妖精みたいな存在。 何ページだったか忘れたけど、「~を鑑みる」という表記があって、「~に鑑みる」だよね、文筆家ですらまた違えるんだと思うと同時に、校正甘いね、と思った。角川春樹事務所さん、がんばってください。
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流星シネマとは少し毛色が違ったものの、やはりいつもどことなく音楽が流れているような雰囲気と、人がつながっていく優しさが胸をうちます
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流星シネマの読後にすぐ読み始めてます まだ2ページ 最初の2ページで、もう⭐️5の予感です うーん、ゆっっくり読もう もったいない 土曜日のハンバーガー…. おいしそうだなぁ 読了 鯨オーケストラを先に読んだので、線がつかながった感じ。 でも、なんか、この順番で読んで良か...
流星シネマの読後にすぐ読み始めてます まだ2ページ 最初の2ページで、もう⭐️5の予感です うーん、ゆっっくり読もう もったいない 土曜日のハンバーガー…. おいしそうだなぁ 読了 鯨オーケストラを先に読んだので、線がつかながった感じ。 でも、なんか、この順番で読んで良かったかもしれない。 順番に読んでたら、鯨オーケストラを読むとき、先が読めちゃったかも。 答え合わせもしながらの読書もいいもんだと思った。 やっぱり鯨オーケストラが一番好きかも。 いずれ、出てくるキャラクターは、みんないいなぁ。 ロールキャベツも食べたくなりました
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『流星シネマ』から引き続き、吉田篤弘さんの世界がまた広がった。 ガケ上にある建物の屋根裏部屋に住む、元オーボエ奏者で、食いしん坊のサユリ。土曜日よりも日曜が好き。人との関わりを避け、頭の中のチェリーと過ごす日々。チェリーの言葉に叱咤激励されつつ、ガケ下の町に住む人々との交流が広...
『流星シネマ』から引き続き、吉田篤弘さんの世界がまた広がった。 ガケ上にある建物の屋根裏部屋に住む、元オーボエ奏者で、食いしん坊のサユリ。土曜日よりも日曜が好き。人との関わりを避け、頭の中のチェリーと過ごす日々。チェリーの言葉に叱咤激励されつつ、ガケ下の町に住む人々との交流が広がっていく。 鯨オーケストラ、暗渠、定食屋〈あおい〉、鯨、流星新聞、川の流れ、ピアノ、チョコレート工場、あおい橋・・・ 繋がっていくものを表す表現がいつも通り心地よく感じた。素敵な表現が多いなかで、今回は〈体の中のいちばん静かなところに「全休符の箱」がある。〉という表現が一番好きになった。 どうしてなのかわからないが、吉田さんの文章は、いつも心を穏やかにしてくれる不思議な力がある。未読の作品がまだまだたくさんあるので楽しみだ。
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前作が気に入り、こちらも購入。流星新聞のアナザーストーリーという形の物語という事で、前作と触れ合ったり、ほんのり存在を感じたりする距離感がとても好きでした。続編が出てるそうなので、読んでみたいと思います。
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半年前に読んだ「流星シネマ」の続編。 前作の最後にチラと出てきたオーボエ奏者・サユリさんを中心に語られるお話。 しんみりと確かな文章で綴られたお話にはたくさん感じるところがあった。 団長がいなくなり練習場所もなくなって、〈鯨オーケストラ〉は自然解消になった状況の中、寄る辺なくガ...
半年前に読んだ「流星シネマ」の続編。 前作の最後にチラと出てきたオーボエ奏者・サユリさんを中心に語られるお話。 しんみりと確かな文章で綴られたお話にはたくさん感じるところがあった。 団長がいなくなり練習場所もなくなって、〈鯨オーケストラ〉は自然解消になった状況の中、寄る辺なくガケの上にある古いアパートの屋根裏に引きこもっているサユリさん。 その孤独な心情や切なさや淋しさや不器用な生き方が、自分の分身というか心の中のツッコミ役・チェリーとの会話も交えながらゆっくりじっくり描かれる。 サユリさんに付かず離れず、自由に現れては消えて、サユリさんの心に刺さる、チェリーの存在が自然でとても良い感じ。 チェリーとの会話でサユリさんの心の中の蓋が溶かされて、心の底にある人とのつながることや一緒に活動することへの渇望が少しずつ表に現れだす。 過去にとらわれながら『未練が過去にではなく未来に向けて自分を動かすきっかけになる』と開き直って、一歩踏み出した時のチェリーのゆくえに、その泣き笑いの感情が心に沁みた。 サユリさんとまた出会うことになる太郎君。それにミユキさんにゴー君、バジ君に丹後さん…、前作でお馴染みの人がまた顔を揃える。 前作での太郎君のサユリさんへのインタビューをハブにして2つの話を行き来するような作りは、前作を思い出しながら本作にも前作にも新しい視点が加わるような感じで面白く読めた。 太郎くんの詩やミユキさんの美術館でのエピソードには、ゴー君も含めて彼らの心の中に出来た空洞の存在を改めて思わせて切なく、サユリさんにとっての伯母さんや幼い頃の友人の記憶ともつながり、大切な人に『もういちど会いたい』というそれぞれの心の重さが知れたのだった。 チェリーはcherryではなくcher-ee。 「チム・チム・チェリー」の哀愁を帯びたメロディが、この作品のトーンに似つかわしく、ずっと頭の中で鳴っていた。
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偶然とかめぐり合わせっていうのを、運命で片付けるのってもったいないなと思わされた作品。 サユリは消極的ながらもちゃんとどこかに向かっていて、それはひとりぼっちであることに対して真正面から寂しくなったり自由だなと思ったり素直な気持ちでいるからだとおもう。 この作品のキャラクター...
偶然とかめぐり合わせっていうのを、運命で片付けるのってもったいないなと思わされた作品。 サユリは消極的ながらもちゃんとどこかに向かっていて、それはひとりぼっちであることに対して真正面から寂しくなったり自由だなと思ったり素直な気持ちでいるからだとおもう。 この作品のキャラクターはみんな自分の気持ちに素直にまっすぐに生きていて読んでてとても安心した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「流星シネマ」の続きのようでそうでもなくて、「つながる」物語。人生のどん底期とでもいうんだろうか。持ちアパートの屋根裏に閉じこもるように暮らすサユリさん。レモンソーダが好きで、ストーブの前で考え事をして、イマジナリーフレンドと戯れて。このままじゃだめだと理屈をこねるサユリさんは、昨日の私かもしれないし、明日の私かもしれない。彼女が歩き出せたきっかけは流星シネマにもつながる「くじら」。「鯨オーケストラ」がもう一つのつながる物語としてあるのは楽しみでしかない。
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『流星シネマ』とリンクする小説。 人が緩やかに再生していく物語。 心を閉じて引きこもってしまう期間って誰にでもある。でもそこから踏み出すタイミングも必ずある。何故なら、この世界は変化していく、ということが変わらない唯一の真理だから。 人が目の前のことを誠意をもって行っている...
『流星シネマ』とリンクする小説。 人が緩やかに再生していく物語。 心を閉じて引きこもってしまう期間って誰にでもある。でもそこから踏み出すタイミングも必ずある。何故なら、この世界は変化していく、ということが変わらない唯一の真理だから。 人が目の前のことを誠意をもって行っていると、自然とそれは、水面に石を投げて波紋が広がるように、人々に影響を与えていく。意識しなくてもそれは起きていく。 閉じていた心を開き、自らを生きる時、それはまるで関係のない人々にも良い影響を及ぼす。 読後は清々しい気分。 読んでよかった。
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新刊「鯨オーケストラ」への期待感を高めたく流星シネマに続き再読。相変わらず素敵な世界観、そしてあとがきの「鯨オーケストラでお会いしましょう」で期待感を高めるには充分でした。
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