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イギリス社会史 1580-1680 の商品レビュー

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2023/01/05
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ピューリタン革命などを含むイギリスの激動期の社会構造の変化(と、変わらない部分)についての本。歴史の話ではなく、あくまで人々の生活、文化に的を絞ってこのボリューム。豊かになったイギリスとは一部の上層とそこに接近したミドルクラスであり、より困窮した大勢の貧民が生まれていく。そして村などのコミュニティの祭り等の文化は衰退し、共同体の構造自体が変化する……という様子を丹念に描き出している。 頻繁に引用される当時の人々の日記や書き物を読むのがたのしい。離婚はほぼあり得なかった時代、素行の悪い妻と激しい夫婦喧嘩を繰り返しながらもなんとか関係を修復するため神に祈り続け、ある日決心してお互いに寛容になることを誓い守り通す男とか、学校にほとんどいけなかった庶民の少年が読み書きを身に着けようと奮闘する話とか。当時の「無知蒙昧の民」たちも、意外と現代に近い家族や友人関係の感覚を持っていて、ジェントルマンたちよりずっと恋愛結婚に近い形で連れ合いを見つけていたというのも意外で面白かった。

Posted byブクログ