旅ドロップ の商品レビュー
久しぶりに江國香織さんの本を読んだ。短い話なのでさらっと読めて、でもそれぞれ余韻を味わいたくなる独特の雰囲気。ヨーローッパに行きたくなった。
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江國さんのエッセイでたまーに出てくる、子供を子供扱いしない父の話が好き。 10才の子を相手に 「何かをねだるのは行儀の悪いふるまいだと言った。誇りがあれば、人に何かをねだったりできないはずだ、とこんこんと諭」す、なんて可笑しいけれど、子供からしたら真面目に受け取るしかなくて、ど...
江國さんのエッセイでたまーに出てくる、子供を子供扱いしない父の話が好き。 10才の子を相手に 「何かをねだるのは行儀の悪いふるまいだと言った。誇りがあれば、人に何かをねだったりできないはずだ、とこんこんと諭」す、なんて可笑しいけれど、子供からしたら真面目に受け取るしかなくて、どっちも真剣なのが素敵。 精霊たちの家でも、ブランカが赤ん坊の時に赤ちゃん言葉は使わない、という方針のおかげで小さい子供のうちから正確なスペイン語を話すようになる、というエピソードがあって好き。 精霊たちの家は、あとから振り返れば可愛らしいようなくだらないエピソードが多いのに、そこを読んでいる時は何か取り返しのつかないような恐ろしいことが起こるのではないか、と不安になる不思議な小説でした。
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知らないところへ行くことを、「楽しい!」と思える人は素敵だ。私はいつからそれを「面倒くさい」とか「不安だ」とか思うようになってしまったんだろう…。 通勤電車の中で、「あー、それわかるぅー」「それな!」とマスクの中で小さく呟きそうになったり、ニヤリと笑いながらあっという間に読んだ...
知らないところへ行くことを、「楽しい!」と思える人は素敵だ。私はいつからそれを「面倒くさい」とか「不安だ」とか思うようになってしまったんだろう…。 通勤電車の中で、「あー、それわかるぅー」「それな!」とマスクの中で小さく呟きそうになったり、ニヤリと笑いながらあっという間に読んだ。そしていくつかの自分の旅を思い出した。電車を降りて、会社に向かう冷たい空気の雨のニオイで、「あのとき、あの国で、あんな思いをしたなぁ」とか。 江國さんの頭の引き出しのなかにある、鍵のかかる小さな宝箱の鍵がカチャッとあいて、そこに入っていた当時の宝物を見せてもらったような気分になった。たぶん、私の頭の中にもそういう宝箱があるだろう、と思うと幸せな気分になった。 ふせんをつけながら読む本に疲れて、夫が図書館から借りていたこの本をふと手にして家を出た。でも福岡のうどんの店とか、バターパンとか、気に入ったフレーズとか、結局ふせんをつけている…。
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旅することが多くなって、旅先で読みたいと思い、 普段は、手に取らないエッセイを読んでみました。 江國先生の旅は、いつでも楽しそうで、でもどこか寂しそうで。 遠くのどこかではなくても、本を持ってふらっとどこかへ行こうと思いました。 青空の下で、温泉宿の畳に寝転んで、ドライブで行っ...
旅することが多くなって、旅先で読みたいと思い、 普段は、手に取らないエッセイを読んでみました。 江國先生の旅は、いつでも楽しそうで、でもどこか寂しそうで。 遠くのどこかではなくても、本を持ってふらっとどこかへ行こうと思いました。 青空の下で、温泉宿の畳に寝転んで、ドライブで行った湖のほとりで、 また、この本を読んでみたいです。
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最初の1/3と最後の帰る場所がとてもよかった 帰る場所:帰りたくないと思うほどの楽しい旅でも、家に帰ると嬉しい。帰る場所があることの幸せ かわいそうなツバメ:旅立とうとしている人を引き止めてはいけないという信念 平安時代の旅:とにかく大人数、景色が全て。また家や土地に執着せ...
最初の1/3と最後の帰る場所がとてもよかった 帰る場所:帰りたくないと思うほどの楽しい旅でも、家に帰ると嬉しい。帰る場所があることの幸せ かわいそうなツバメ:旅立とうとしている人を引き止めてはいけないという信念 平安時代の旅:とにかく大人数、景色が全て。また家や土地に執着せず、移ろうのが基本、人生そのものが旅 はみだす空気:世界中のラジオを聞くと、その空気が部屋を纏う
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エッセイ読みやすい! 旅をしたくなるようなエッセイで、江國さんは海外旅行にたくさん行っていて凄いなぁと。 私は国内旅行ですら、Googleマップとかスマホがないと心配だし、ちゃんと行けない気がするけれど、 江國さんは言語が通じない国へ、スマホなどなくても頑張ってジェスチャーした...
エッセイ読みやすい! 旅をしたくなるようなエッセイで、江國さんは海外旅行にたくさん行っていて凄いなぁと。 私は国内旅行ですら、Googleマップとかスマホがないと心配だし、ちゃんと行けない気がするけれど、 江國さんは言語が通じない国へ、スマホなどなくても頑張ってジェスチャーしたり、なんとか凌いで旅をしている感じが凄い!良い思い出だけが旅ではなくて、上手くいかなくて怖い思いをしたとかも含めて旅になるのかな〜とか思った。 お母さんと妹と3人で旅行に行った話、すごく良かったな〜、いや、全部良かった。 たくさんの乗り物に乗ったけれど、私はそれでも列車がいちばん好きだ、線路、というものがいいのだ。 という江國さんの言葉に強く強く共感した(*´-`)
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「乗り継ぎは、もしかすると旅以上に旅っぽい。」 「見たい!行きたい!食べたい! 地理の勉強をすると、旅にでたくなるのだった。」 「『ワシントン(中略)でボナアル展をやっています。 (中略)見においで下さい』というのが全文で、F氏の記憶のなかの娘なら、すぐに飛んで行ったに違いな...
「乗り継ぎは、もしかすると旅以上に旅っぽい。」 「見たい!行きたい!食べたい! 地理の勉強をすると、旅にでたくなるのだった。」 「『ワシントン(中略)でボナアル展をやっています。 (中略)見においで下さい』というのが全文で、F氏の記憶のなかの娘なら、すぐに飛んで行ったに違いないのに、そのときの私にはどうしても、そうすることができなかったからだ。自分が身軽でなくなる日が来るなんて、考えてもみなかった。それ以来、大事な試験に落第したような気持ちがしている。」 *** 江國さんに旅のエッセイを書いて欲しいって思った編集さん?はどなたなんだろう。 すっっごくわかる。書いてほしくなる気持ち。 豊かな旅をたくさんしてきたんだなあと羨ましくなり、また憧れました。学生時代友人と世界中を回ろうと約束し、バイトでお金を貯め、20歳でその子と初の海外旅行にアフリカ大陸へ行ったその行動力と思いの強さにも。 一方で「せいぜい4時間」ほどのお出かけを「旅」にできる贅沢な心持ちも。 どのエピソードも楽しかったです。
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旅先での思い出、食べ物のこと、旅についてのあれこれ。 巻頭には三編の詩と、36粒のエッセイと〈番外編〉が収められていて、缶入りドロップをつまむような気軽さで楽しめました。 微笑ましいエピソードと、短いけれど感性豊かな文章は物語のようで、国内外を問わず旅の楽しみ方は多種多様であるこ...
旅先での思い出、食べ物のこと、旅についてのあれこれ。 巻頭には三編の詩と、36粒のエッセイと〈番外編〉が収められていて、缶入りドロップをつまむような気軽さで楽しめました。 微笑ましいエピソードと、短いけれど感性豊かな文章は物語のようで、国内外を問わず旅の楽しみ方は多種多様であることに気づかせてくれます。 「幸福な王子」や「おやゆびひめ」にでてくるつばめの話や、海外の放送が聴けるラジオや、さらには平安時代の旅についてまで話題はさまざまで、とても贅沢な気分になれました。 どこかほんの近くでもいいから旅をしたくなります。
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ホテルエディット横濱の選書プランで選んでいただき、初めてのエッセイ。 読みず嫌いしてたのが勿体なかった…! 一時期読みふけっていた江國香織さん、やっぱり好きな文体?だ… どんな旅にもどこかクスッと笑えるの思い出があるの素敵だな〜
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まさに旅のお供として購入。子供のころから生きている間に出来るだけたくさんの場所に行き、出来るだけたくさんのものを見たいと思っていた私も旅が好きなのに、いざ出発するとなると生来の面倒臭がりが出て急に億劫になったりする。それぞれにスタイルがあるものだ。 やっぱり旅って良いよな。
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