Jミステリー2022 FALL の商品レビュー
有名どころの作品は面白かったけど 後ろになるにつれ 魅力がなくなっていく。 最後らへんの話は 小さな事件をややこしく書いた 作品が多かった。
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【収録作品】「マボロシの女」 東野圭吾/「詐欺師だョ! 全員集合」 新川帆立/「二の奇劇」 大山誠一郎/「The Syncopated Clock 愉快な時計」 似鳥鶏/「作為改変のコンティニュイティ」 斜線堂有紀/「鯉」 太田愛 「マボロシの女」は「ブラックショーマン」もの。「二の奇劇」は「ワトソン力」もの。「作為改変の…」は「キネマ探偵」もの。「愉快な時計」も何かのシリーズかな。シリーズものは、設定に馴染んでいないと辛いかも。「二の奇劇」でそう感じた。(シリーズ読者としては嬉しいのだけれど。) 「詐欺師だョ!…」はわちゃわちゃしている。最後のほろ苦さよ。 「愉快な…」「作為改変の…」は、懐かしの大学生活が描かれていて、別の意味でほろ苦い。リアルタイムでこういう大学生活を謳歌できない現在が。 「鯉」は既視感のあるストーリー展開。それが悪いわけじゃない。むしろ、あの時代を忘れないために同工異曲の小説が目に触れることが肝要。
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いろんな作家の短編が読めるのは、新しい作家との出会いにもつながるのでいいと思う。今回の6作品の中では、太田愛の『鯉』が好みかな。 以下、個別作品の感想。 ◆マボロシの女 /東野圭吾 無駄のない文章はやはり読みやすい。ディープフェイクなど理系っぽい話がさらっと触れられつつ、伏線にもなっているのはさすがだなと。ミステリとしては可もなく不可もないが、「人」に焦点をあてた東野圭吾らしい作品。 ◆詐欺師だョ!全員集合 /新川帆立 初めて新川作品を読んだが、こういうドタバタ劇は嫌いではない。良い感じに終わりそうだったところに不穏さを残すラストも結構好きな終わり方だった。 ◆二の悲劇 /大山誠一郎 クローズドミステリで、「ワトソン力」という謎の力が発揮されていろんな推理が展開されるのは面白いが、実行犯の動機が納得いかず。もう一人の犯人と比べても役割が重すぎて殺人という罪を犯すのはちょっと、、、 ◆The Syncopated Clock /似鳥鶏 日本語訳は「愉快な時計」。時計がキーではあるが、オチはちょっと読めたな。注釈もこういう作品にあるのはあまり好みではない。 ◆作為改変のコンティニュイティ /斜線堂有紀 映画の小道具から、背景にあった出来事を推理していくのはミステリっぽいが、話としてはやや分かりにくいと思った。 ◆鯉 /太田愛 失われた記憶を、いろんな断片から取り戻していく話だが、個々の人物像、時代背景、社会課題みたいなものをうまく織り込んでいて、ひっかかることなく読み進めることができた。タイトルの意味も含めて、話に筋があり、また悲しくも優しいラストも良かった。
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『犯罪者』シリーズで太田愛さんのファンになり、どんな短編を書くのかと楽しみにしていた1冊。 SPRINGよりボリュームが減り、サクッと読めます。人が死んだりするミステリばかりではないので、ミステリが苦手でも読みやすい内容かと。 新川帆立さんの『詐欺師だョ!全員集合』コミカルかと...
『犯罪者』シリーズで太田愛さんのファンになり、どんな短編を書くのかと楽しみにしていた1冊。 SPRINGよりボリュームが減り、サクッと読めます。人が死んだりするミステリばかりではないので、ミステリが苦手でも読みやすい内容かと。 新川帆立さんの『詐欺師だョ!全員集合』コミカルかと思いきや、グサっと刺してくるお話。出てくるヤクザがなかなかの推理力を発揮していて、ヤクザで探偵とか面白そう…?と思いながら読んでいた。 似鳥鶏さんの『The Syncypated Clock 愉快な時計』も面白かった。真っ直ぐ進むんだろうなぁと思っていたら、急に曲がった!という感じ。笑 太田愛さんの『鯉』は、短編とは思えない濃さだった。文章の鮮やかさ、社会風刺…太田愛さんの作品を読んだことがなくても、どういう作品を書く方なのかわかるお話になっていると思った。 本をよく読む人には物足りない内容かもしれないけど、新たな作家さんに出会えて、私的には読んでよかった1冊でした。
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東野圭吾の作品は、いかにも東野圭吾。良い意味で、赤川次郎のように、読後感に「いかにも」感が出てきたように思える。
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全編新作の書き下ろしアンソロジー。SPRINGが面白くてFALLも購入。今回は初読みの作家さんもいて新鮮でした。それぞれバラエティに飛んだ内容で楽しかったです。 読みにくい作家さんがいるとかではなく、東野圭吾さんはやっぱり圧倒的に読みやすいなと。またそれぞれの作家さんの個性が出...
全編新作の書き下ろしアンソロジー。SPRINGが面白くてFALLも購入。今回は初読みの作家さんもいて新鮮でした。それぞれバラエティに飛んだ内容で楽しかったです。 読みにくい作家さんがいるとかではなく、東野圭吾さんはやっぱり圧倒的に読みやすいなと。またそれぞれの作家さんの個性が出ていてこういうアンソロジーは良いですね。 好きな話をひとつというなら太田愛さんの「鯉」かな。 また春とかに出たらいいなと期待して待ちます!
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Jミステリー2022! 春も良かったけど秋もさすがだった! 大好きな東野圭吾さんの"マボロシの女"はもちろんのこと、新川帆立さんの"詐欺師だョ!全員集合"も面白かった。 1番は太田愛さんの"恋"すごく引き込まれる話だっ...
Jミステリー2022! 春も良かったけど秋もさすがだった! 大好きな東野圭吾さんの"マボロシの女"はもちろんのこと、新川帆立さんの"詐欺師だョ!全員集合"も面白かった。 1番は太田愛さんの"恋"すごく引き込まれる話だった。 ブクトモ様のレビューにもあったけど、千晄のセリフにすごく感動した。 相変わらず楽しめるミステリーアンソロジー最高✩
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SPRINGに続いて、FALL。 どちらにも登場するのは東野圭吾さんのみで あとの5人の作家さんは総入れ替えです。 前回に続き、東野圭吾さんのは『ブラック・ショーマン』の続編。 今回は(も?)グッとくる人間ドラマ。 心が深く傷ついた若い女性と、彼女に寄り添う友人。 すべてを見届...
SPRINGに続いて、FALL。 どちらにも登場するのは東野圭吾さんのみで あとの5人の作家さんは総入れ替えです。 前回に続き、東野圭吾さんのは『ブラック・ショーマン』の続編。 今回は(も?)グッとくる人間ドラマ。 心が深く傷ついた若い女性と、彼女に寄り添う友人。 すべてを見届けたバーの店主・神尾の言葉が心に沁みます。 「人が生きていく上で助けとなるのは、 失ったものではなく手に入れたものです」 『元彼の遺言状』で脚光を浴びた新川帆立さん。 『詐欺師だヨ!全員集合』はリズム感が良く、ユーモアの利いた作品。 でも、最後にこれでいいのか? と、また野暮な心配を…。 二冊続けて読んだミステリーアンソロジー。 11名の作家さんのうち9名の方とは「はじめまして」。 全部が好みというわけではなかったけれど 果物がいっぱいのパフェみたいに楽しみました。
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「SPRING」に続く書き下ろしアンソロジー。ですが、面子も内容も前作の方が好みでした。東野圭吾さんの“ブラック・ショーマン”新作がまた読めただけでもいいかと。
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『春』に続いて『秋』も面白い! 作家の特色が味わえるアンソロジー #Jミステリー2022FALL いつの間にか2022年も秋ですね。近頃では朝夕は寒くなってきました。 コロナ禍は多少は収まりつつありますが、まだ解決にも至っていません。世界情勢も日本経済もしんどい状況で、あまりい...
『春』に続いて『秋』も面白い! 作家の特色が味わえるアンソロジー #Jミステリー2022FALL いつの間にか2022年も秋ですね。近頃では朝夕は寒くなってきました。 コロナ禍は多少は収まりつつありますが、まだ解決にも至っていません。世界情勢も日本経済もしんどい状況で、あまりいい話はありませんね。 しかし! Jミステリー2022SPRING(春)に続いて、FALL(秋)も出版されるとのことで、ものすごい勢いで買ってきました。いま熱い、これからのミステリー界を背負う豪華作家先生たちのアンソロジーです。 ■マボロシの女/東野圭吾 若き女性の恋物語、人との繋がりが胸に刺さるミステリー。 序盤からグイッと読者を引き付ける手腕はさすが東野先生。こんな短い話なのに丁寧な起承転結で、ミステリーもあり、人間ドラマもありでバランスは完璧でした。 主人公の胸の痛みは良くわかるけど、私は全部受け止めてあげた友人の優しさを推したいな。 ■詐欺師だョ! 全員集合/新川帆立 タイトル通りの内容で進む、コメディタッチのミステリー。 面白いアイデアだな~ しかも登場人物が生き生きと騒ぐ様が小気味よく、読んでて楽しいんですよね。 やってることはアレだけど、若いうちはなんでもチャレンジだよっ と応援したくなりました。 ■二の奇劇/大山誠一郎 二台のロープウェイで発生する本格ミステリー。 さすが本格パズラーの大山先生らしい作品で、なかなか強烈な解法でした。 ■The Syncopated Clock 愉快な時計/似鳥鶏 イイネ! 似鳥先生らしくポップな読み口ですが、中身は凝ったミステリーです。大学サークル内で発生した事件を、倒叙形式で解決していきます。 細かいところにコダワリや遊びが仕込まれていて、いっぱいニヤニヤさせてもらいました。 ■作為改変コンティニュイティ/斜線堂有紀 一番好きな作品! 映画の謎と紛失物捜索の物語。 人物設定、プロット、セリフ回しがマジ上手いんですよね、めっちゃ面白かったです。 こんな大学生活送りたかったなぁ~と、ふと自らのイヤな大学生活を思い出してしまいました。 ■鯉/太田愛 鬼面白い★5 セピア色に染まった青春時代の少女の葛藤を描く物語。 短編なのに、こんな重厚なお話を書きますか。さすが相棒の脚本家、このまま二時間ドラマで行けます。 クライマックス、主人公の思い出の人である北原千晄から言われた生き方に関するセリフは至極の一品。たとえ世間と違った価値観や信条を持っていても、胸を張って生きなければなりませんね。 太田先生の作品はスゴイと噂は聞いてましたが、体験できてよかった。次は長編にトライしたいと思います!
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