戦争とプロレス の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ようやく読み終えた。TAJIRIさんの見た世界と何のために在るのかといった実存主義的な考え方エンターテイナーとジャンル、マニアと娯楽全てではないですがおもっていたもやもやがすっと腑に落ちたような読了感でした
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ちょうど2年前、林育徳の小説「リングサイド」を読んで、日本のプロレスが台湾の新世代文学のモチーフになっていることに感激しました。逆に本書は世界を旅するプロレスラーのモノローグが人間の生き方にとっての文学的な問いかけになっていることに驚きました。題して「プロレス深夜特急」…自分の知...
ちょうど2年前、林育徳の小説「リングサイド」を読んで、日本のプロレスが台湾の新世代文学のモチーフになっていることに感激しました。逆に本書は世界を旅するプロレスラーのモノローグが人間の生き方にとっての文学的な問いかけになっていることに驚きました。題して「プロレス深夜特急」…自分の知っていたWWEに行くまでのTAJIRIも一筋縄ではいかない不思議な存在感を放っていましたが、その後のキャリアで、こんなに複雑な自我を育んでいたのですね。いや、そもそもそういう内省の人だから、ああいうプロレスラーになったのかもしれません。「リングサイド」では台湾とノアという組み合わせに意表を突かれましたが、本書でもイギリスはともかく、アイルランド、スコットランド、ポルトガル、オーストラリア、マルタ(!)、イタリア、フランス、そしてフィリピンと「そんなところにプロレスが?!」の嵐です。アメリカでもフィラデルフィアだし、日本でも屋久島や種子島でプロレスするのです。なんてプロレスってグローバルで、しかもローカルなエンタメなんだろう。こんな時期だからこそ、ウクライナのレスラーにコンタクトしょうとしたり、ロシアのプロモーション調べたり、まさに「プロレスは世界の言葉」です。WWEレスラーとしての知名度とプロレス先進国日本出身という技術への信頼とそして旅するレスラーのメンタリティで「プロレス深夜特急」は戦争とコロナの隙間を掻い潜って走り続けています。世界のプロレス仲間とプロレスするために、酒を飲むために、メシを食うために、アクシデントに出会うために(?)。著者は言います。「日常と旅の繰り返し、それが人生。だとしたら、死ぬ瞬間まで旅は終わらないのだ。」ちなみに今年の1・4新日本プロレス東京ドーム大会の録画を見たのですが、あまりの難易度の高いトリッキーな技の応酬についていけませんでした。本書の中でTAJIRIがマニアのためのプロレスの危うさに警鐘鳴らすのに、思わず共感!
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TAJIRI選手の自伝。 海外遠征の話が主だが、国内のローカルインディ参戦の話などもあり、どちらもとても面白かった。
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九州の話、面白かった。写真のキャプションが相変わらず攻めてるが、同年代の人間にしか伝わらないのではないかと思うと、同年代だからこの本を本当に楽しめるという幸運に感謝するしかない。
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この本を社会・政治の本と捉えるか、 プロレス本と捉えるか、旅行記と捉えるか。 いや、その全てである。 プロレスラーという職業を通して見た偽りのない、その場所に住む人目線からの世界情勢。 コロナ、戦争... 一プロレスファンとして興味深かったのは、 プロレスが根付いていない国...
この本を社会・政治の本と捉えるか、 プロレス本と捉えるか、旅行記と捉えるか。 いや、その全てである。 プロレスラーという職業を通して見た偽りのない、その場所に住む人目線からの世界情勢。 コロナ、戦争... 一プロレスファンとして興味深かったのは、 プロレスが根付いていない国の興行でもそれなりに集客があるということ。 今や日本のプロレス界はただでさえ昭和の時代より少ないプロレスファンを各団体が取り合う。 だから都市部の団体は集客に苦戦する。 そんな状態である。 それはプロレスを"プロレス"として売り出しているからでは無いだろうか。 そんな気がした。 プロレスを"プロレス"として売り出すのか、 プロレスを"娯楽"として売り出すのか。 誰に向けて売ってるのか。 もちろん良し悪しでは無いのだが、 日本に再び大衆娯楽としてのプロレスを根付かせるには、 そこにヒントがあるかもしれない。 と本書を通して感じた。
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